たとえばこんな映画監督~黒澤明
日本映画界の巨匠、黒澤明が
アカデミー名誉賞を受賞したときのスピーチがある。
私は、まだ映画のことがよくわかっていません。
そのとき、黒澤監督は80歳。
会場の誰もがその言葉をジョークだと思った。
けれども、黒澤はさらに言葉を重ねた。
これからも映画という素晴らしいものを
つかむために努力するつもりです。
それこそがこの賞に報いる
唯一の方法だと思うからです。
映画を知り尽くした人の言葉は重い。
世界の黒澤にここまで言わせる映画の素晴らしさを
誰もが再認識するとともに
黒澤が映画にどれほどの愛情をかたむけていたのかを
理解したのだった。
たとえばこんな映画監督~北野武
お笑いタレント、司会者、俳優、作家、歌手、映画監督と、
マルチに才能を発揮している人、北野武。
それだけ多方面に活動できる理由は、
彼のこんな言葉に集約されているのかもしれない。
鳥のように自由に空を飛びたいなんていうのは勝手だけど、
鳥が飛ぶためには何万回翼を動かしているか、
よくみてごらん。
空を飛ぶというたったひとつの行動でさえ、
途方もない労力がいる。
マルチな才能を発揮する人は
マルチに努力をする人だ。
たとえばこんな映画監督~行定勲
「世界の中心で愛を叫ぶ」、「春の雪」、
日本の純愛映画の旗手と言っても過言ではない人、
行定勲。
しかし、彼の恋愛観は、意外と現実的だ。
「運命の出会いとは何か?」と問われた時の言葉。
出会い頭の瞬間に「運命の出会い」があるわけじゃなく、
何年、何十年という時間を共に過ごした結果、
「この人との出会いは必然だった!」
と思うことなんじゃないかな。
出会いがない!と思ってるあなたも。
運命の人に出会っている可能性は、かなり高いです。
たとえばこんな映画監督~円谷英二
映画は、一見華やかな世界。
でも、映画監督にいちばん大事なことは、
普通の人が必要とされる能力かもしれない。
ウルトラマンやゴジラなど、日本の特撮の礎を築いた
円谷英二は、こんなことを言っている。
他人から「できますか?」と聞かれたら、
とりあえず「できます」と答えちゃうんだよ。
そのあとで頭が痛くなるくらい考え抜けば、
たいていのことはできてしまうものだ。
もしも、円谷英二がサラリーマンだったとしても。
素晴らしい仕事をしたことだろう。
門田組・宮田知明
宮田知明 10年07月25日放送
宮田知明 10年05月22日放送

アーサー・コナン・ドイル
シャーロックホームズの産みの親、
アーサー・コナン・ドイル。
彼は推理小説を書く傍ら、
ロンドンで眼科専門医として診療所を開いていた。
その難しいかけもちを可能にできたワケ。
それはコナンドイル自身ではなく、
ホームズが語っていた。
ワトソン君。君はただ眼で見るだけで、
観察ということをしない。
見るのと観察するのでは大違いなんだぜ。
なるほど、探偵と医者には、そんな共通点が。
彼は、現実社会においても、その観察眼を駆使して、
二人の被疑者の冤罪を晴らすことに貢献した。
今日は、ホームズの父、コナンドイルの誕生日です。

小峰元
小峰元「アルキメデスは手を汚さない」
青春推理小説という、ミステリーの新しいジャンルは、
この本から始まったと言っても過言ではない。
ただの謎解きではない、青春推理小説。
若いっていいな、そんな言葉では表せない、
青春という時代のもつ魅力は、
登場人物のこんな言葉に集約されている。
いいかい?いまの日本で、知能指数が一番高いのは、
われわれ高校二年生なんだぜ。
ノーベル物理学賞の受賞者だって、万葉集を読ませれば
君たちほどの学力があるかどうか怪しいものさ。
高校生のみなさん、人生でいちばん知能指数の高い今を、
大事に使っていますか?

宮部みゆき
ミステリー作家、宮部みゆきは、
もともとは速記者だった。
対談や講演などの発言内容を、
早く正確に記号で筆者して、
元のきちんとした言葉にする仕事。
彼女はそこで文章を伝わるように書く、
ということを覚えた。
そして好きなミステリーを読んでるうちに、
ちょっと書いてみたくなった、
というのがきっかけ。
どんな仕事も、何か別の
すごい仕事の入り口になっていることがある。
そう、きっと、あなたの仕事も。

東野圭吾
東野圭吾の「新参者」
そのストーリーは、
そのまま彼の歩いた道でもある。
人形町を舞台にすることは決めていた。
ただ、何を書くかは決めていなかった。
その日、人形町は暑かった。
喫茶店で、街を行き交うサラリーマンを眺めながら、
第一話、煎餅屋の娘の話が作られていった。
ひとりの人間を描こうとすると
そばにいる人々の姿も描かざるを得なくなった。
そうしてドラマが繋がっていった。
東野圭吾がこの小説について語っていることを要約すると
シャーロック・ホームズの言葉に限りなく近づく。
ワトソン君、ただ見ることと観察することは大違いだぜ

湊かなえ
才能。
英語に訳すと、GIFT。
つまり「天からの贈り物」
2009年の本屋大賞をデビュー作「告白」で受賞し、
その才能でミステリー界に彗星のように現れた、湊かなえ。
でも彼女に言わせると・・・
才能とは、天からの贈り物ではなく、
期間限定で貸し出されるものだ。
はた目にすごい才能を持ってる人ほど、
陰で努力をしてるのは、言うまでもないこと。
彼女も天からの贈り物を返却する前に、
とことん使い尽くすだろう。

西村京太郎
「それだけは勘弁してください。」
国家公務員として11年働き、
上司から係長にしてやると言われたときの
西村京太郎の言葉。
権威的な官僚生活に嫌気がさし、
そこから数年間は、私立探偵やトラックの運転手、
警備員などの仕事をしながら小説家を目指した。
トラベルミステリーの第一人者、西村京太郎は言う。
「人間、なんとかなるサって開き直ることがないとね」

名探偵コナン
体は子ども、頭脳は大人。
コナン・ドイルとエドガー・アラン・ポーの名前から生まれた
漫画の主人公、名探偵コナン。
彼は平成のシャーロック・ホームズをめざして
日々、事件と取り組んでいる。
名探偵コナンシリーズの魅力のひとつは
セリフらしい。
名言集をコレクションしている人までいる。
そのいくつかを抜き出してみよう。
人が人を助けるのに論理的思考は存在しねえだろ。
真実はいつもたったひとつしかねーんだからな
逃げるなよ、自分の運命から
Fear of death is worse than death itself
世の中には謎のままにしておいた方がいいこともある。
そして、漫画の第一巻ではこんなことを宣言している。
なりたいんだ! 平成のシャーロック・ホームズにな!
がんばれ、コナン。
宮田知明 10年04月24日放送
チャールズ・リンドバーグと春
飛行機の窓から見える景色は、
80年前は、まだ当たり前ではなかった。
チャールズ・リンドバーグが、
人類史上初めて大西洋単独無着陸飛行を達成したのは、
1927年の春のこと。
スピリッツオブセントルイス号に乗って
青空に浮かんでいるとき
リンドバーグの脳裏に浮かんだのは
こんな言葉だった。
「何事が起ころうと、この瞬間、生きているだけで充分だ!」
いろんなことに行き詰まったとき。
窓を開けて、ちょっと青空を見上げてみませんか。
宮田知明 10年04月24日放送
城山三郎と春
「そんな人は、うちにはおりません。」
作家・城山三郎に春を告げたのは、
妻のそんな声だった。
城山はそのとき風呂に入っており
玄関では妻が文学界新人賞受賞の電報を届けにきた配達員を
追い返そうとしていた。
妻は夫が城山三郎というペンネームで
小説を書いていることを知らなかった。
城山三郎が「輸出」という小説で
第四回文学界新人賞を受賞したのは1957年の春。
駆け出し作家の貧乏生活を支える妻は
夫のペンネームを知る余裕はなかったのだ。
けれど、その次の年。
直木賞発表の夜、妻はお風呂を湧かして知らせを待っていた。
新人賞のときは城山が入浴中に受賞の電報が来たので
縁起をかついだらしかった。
待っていた電報は来なかったけれど
近所の八百屋の電話が鳴って、直木賞受賞を知らせた。
そんな妻が亡くなって
城山三郎は一冊の本を書いた。
「そうか、もう君はいないのか」
それはスター作家城山三郎ではなく
本名杉浦英一の妻だった女性に宛てた恋文だった。
宮田知明 09年10月25日放送
古今亭志ん生
五代目、古今亭志ん生。
高座に座る姿そのものが、一枚の絵であり、
落語である、と言われた名人。
彼はこんな言葉を残した。
他人の芸を見て、
あいつは下手だなと思ったら自分と同じくらい。
同じくらいだなと思ったら、かなり上。
うまいなあと感じたら、とてつもなく先へ行っている。
「芸」という文字を「仕事」に置き換えると・・・
なるほど、と思う。
市川崑
ビルマの竪琴、野火、炎上、おとうと、
黒い10人の女、犬神家の一族・・・
長編映画だけでも70本を越える作品を残し、
短編やテレビ、CMに舞台と、
さまざまなジャンルで活躍した映画監督、市川崑。
2006年、その市川崑が、
犬神家の一族のセルフリメイク作を発表したときの、
記者会見の言葉がある。
もう少し長生きして、もうちょっとちゃんとした映画を作りたい。
90歳のこの謙虚さに
映画に対する執念を感じてしまう。





















