五島のはなし⑫
2009 年 6 月 23 日
むしむしして暑いですね。
子どものころ暑さを苦にすることなんかなかったです。
えんえん遊んでられました。
いつまでも夏が大好きなチューブみたいな男でいたい
と思っていたのに、本格的な夏になる前にもう
ぐにゃ~っとしています。
五島で「ばらか」は、「すごい」の意味です。
人の形容詞として使われるときは、暴れん坊、勇壮な、
の意味合いも帯びてくる。
で、「ばらもん」。五島に伝わる大凧の名前は、
この「ばらか」+「もん(者)」から来た言葉です(だと思います)。
てっぺんにピンと張られた糸が「ブーン」と
独特の音を出します。魔よけ的な意味があるのだとか。
鬼のような顔つきです。
それと関係あるのかどうかわかりませんが、
鬼岳でこのばらもんの凧揚げをします。

ばらもん凧
五島のはなし⑪
2009 年 6 月 21 日
五島にいたころ、仲のいい友だちのことを「チング」と言ってました。
僕はこの方言が好きで、「ともだちing」の「ちing」、
ふたり仲良く現在進行形!みたいなイメージを持ってたんですが、
実はこれ韓国語だったんですね。知った時は驚きでした。
驚いたといえば、島ではびっくりしたとき「あっぱよ」とか「あっぱさ」と
言います。これも韓国語の「アッパ」(痛い)から来てるんじゃないかと思います。
まあ、韓国近いですから交流が深かったとしても不思議じゃありません。
そもそも、文化とか言葉とかって思いがけず入り乱れてますね。
方言でもうひとつ。イタズラすることを「てんごする」と言います。
親によく言われました。「てんごするな」と。
で、何年か前に、隆慶一郎の『影武者徳川家康』を
読んでいたら(ちなみにこの小説、抜群におもしろいです)、
将軍が家臣に「転合(てんごう)をするでない」と言う場面があり、びっくりしました。
昔からある言葉なんですね。広辞苑にも載ってました。
熊本の友人も「てんご」は使うと言ってたので、
九州では広く残っているのかもしれません。
五島のはなし⑩
2009 年 6 月 21 日
五島のはなし①で、五島は5つの大きな島があることから
その名がついたと書きましたが、厳密には違うみたいです。
先日、五島についてのネタがないかと
ウィキペディアで「五島」と検索してみたら、
(五島の人間が五島のはなしを書くのにウィキペディアを調べてる。
ほとんどサギだな)知らないかった事実が沢山!
なかでも基本中の基本、五島の名前の由来について、
「大きな島だけでも7,8個あるのに五島と名がついたのは、
5という数字が縁起が良いとする中国の思想のためで」云々と
書かれてました。へー。たしかに「五島」という観点で地図を見るから
大きな島5つな気がしてただけで、
その先入観がなければ5つとは言えない気がする。
なので、かつて僕をカツアゲしたお兄さん(五島のはなし①参照)への
メッセージを変更します。
「五島は、5という数字が縁起が良いとする中国の古い思想から
その名がついた、長崎の西およそ100kmのところにある島々です」
・・・でも、ウィキペディアの論もあくまで「説」なのであって
真の理由なんてわからないのかもしれない。
五島のはなし⑨
2009 年 6 月 20 日
五島への行き方はわかった。
ビーチや山や祭りや、見どころもちょっとだけわかった。
で、夜はどう過ごせばいいのよ?
という声(もちろんそんな声あがってませんが)にお応えして、
今日は福江島のナイトスポットをご紹介します。
まず、ごはん。
いい店は、町を歩いている人に聞いてみてください。
ふれあいも生まれますし。
・・・すみません実は18までしか島にいなかったからあんまり外食してないんです。
そしてごはんが済んで、ちょっとお酒でもと思ったら
迷わず「ロイヤルパブ・シャーロック」に行ってください。
福江には人口と同じくらいの数のスナックがありますが、
パブはない気がします。なのにパブを通り越して、ロイヤルパブですから。
楽しいお店です。島の伝説から素潜り漁のことまで。
女性たちの話が抜群におもしろいです。そしてリーズナブルです。
シャーロックをのぞいてみて、もうちょっと静かな雰囲気で飲みたいな
と思ったら、シャーロックの2号店「クラブ・ホームズ」をお勧めします。
クラブです。ウイスキーグラスに入った氷のカランコロン音とともに、
ふけてゆく島の夜を堪能できます。
余談ですが、シャーロックが2号店を出すことになったとき、
「あんた東京でコピーライターなんかしよるけん名前ば考えて」と頼まれました。
シャーロックの姉妹店か・・・僕は迷わず「ワトソン」と言いました。
数日後「名前は、ホームズに決まったけん」と伝えられました。
へこみました。
五島のはなし⑧(三島邦彦版)
2009 年 6 月 18 日
僕の話ばかりでは、みなさんの五島観に偏りが出てしまうので
他の人に五島のことを書いてもらいました。
つい先日、僕と同じ職場に配属になった
新人コピーライター、三島邦彦くんです。
長崎市出身ですが、おばあちゃんが五島・福江島の人という逸材です。
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そんな祭り、本当はないのかもしれません。
実際に見たことがないので、
心のどこかでその暴力的に理不尽な祭りの存在を
信じていない自分がいます。
ただ、毎年一月の大寒の頃、
長崎にはその祭りのニュースが流れるのです。
祭りの名前は「ヘトマト」。
長崎県の五島に伝わる、日本三大奇祭の一つです。
あとの二つは知りません。
へトマトという名前の由来に定説はなく、
トマトは全く関係ないということがわかっているだけです。
では、へトマトを紹介した新聞記事を引用します。
「大草履に女性乗せ 五島で奇祭へトマト
雨の中、体にすすを塗り付けた締め込み姿の男たちは、
大草履を担いで練り歩き、沿道の若い女性を次々に乗せては揺すり、
気勢を上げた」(長崎新聞2007年1月17日)
これが、ヘトマトです。
この、文字にしたときの力強さ、悔しいですが、たまりません。
毎年、1月16日頃に開かれるようですので、お祭り好きの方、
大草履に乗せられたい未婚の女性は、
だまされたと思って行ってみてはいかがでしょうか。
たぶん、本当にある祭りです。(三島邦彦)
奇祭、ヘトマト。五島のはなし、のいいわけ。
2009 年 6 月 18 日
「五島のはなし」を始めたはいいですが、
当初から感じている不安がふくれあがり爆発しそうです。
つまり、読む人は「結局お国自慢でしょ」と感じるだろうなあ、ということです。
いや、そう思ってなかったらうれしいですけど、
そう思うだろうなあと僕が感じる限り、
だれかが少しはそう思ってるものなんです。
(つらいですよね、日々生きていくのって)
そう思う方の、そういう気持ちに対して、
僕が言えるたったひとつの言葉は「大目に見て」です。
正直、この文章のことだけではありません。
上司、同僚、友人、家族、お得意さま、すれ違う人、
世の中の僕にかかわるすべての人に言いたいです。大目に見て、と。
五島のはなし⑦
2009 年 6 月 18 日
「読んでだら、すごく行きたくなったよ」という多数の声にお応えして
(ほんとはそんな声ないですうそついてすみません)、
今日は「五島(福江島)への行き方」をご紹介します。
ラクなのは飛行機。羽田→福岡経由→五島福江空港
もしくは羽田→長崎経由→五島福江空港で、
乗継がよければ羽田からたった2時間半。ぎりぎり通勤圏です。
五島福江空港は、前回お伝えした鬼岳のすぐ脇です。
長崎港からの高速船もあります。ジェットフォイルといいます。これが約80分。
ゆっくり行くならフェリーで、こちらは長崎港から4時間くらい。
いちばんのオススメは、福岡の博多港から出ている深夜フェリー「太古」。
夜中の12時に博多を出て、五島の島々に立ち寄り、
終点の福江港に着くのは朝の9時。
長旅ですが、ベッドもありますし、
なんといっても飛行機の3分の1・・・くらいだったかな?の料金。
夜明けごろに甲板に出ると、
うっすらと島々が見えて「帰ってきたー」って感じで、
帰ってきたーと思うのは出身者だけだろって感じですが、
そうじゃない人にも、超思い切って書きますが「心の故郷に帰ってきたー」って感じで、
とにかく見ごたえがあります。
五島のはなし⑥
2009 年 6 月 16 日
「で、五島の福江島には、何があんの?」という質問にいくつか
答えを用意するとしたら、その4番目くらいに出てくるのが
鬼岳(おにだけ)です。
福江の市街地からあまり遠くなく、あまり高くなく、
あまり木も生えていない山です。
名前から察するに、鬼が住んでいるのでしょう。
小1から高3まで、年に1~3回、
遠足はずーーーーーーーーーっと鬼岳でした。
なのにまわりで「え~もうあそこはいいよ~」という声を聞いたことがありません。
恐るべし、鬼の魔力。
さらにこの山は、遠足の次の日ふもとの町(福江)に
雨を降らせるとして、とても限られた人の間で有名でした。
それが鬼ではなく子どもの仕業だと聞いたのは私が小6のころ。
いわく、遠足で山に登った大勢の子どもが、そこら中におしっこをする。
おしっこはやがて大量の水蒸気となり、山の上に雲をつくり、雨を降らせるのだと。
何年か前ひさびさに鬼岳に登ったら
きれいに整備され、天文台までできていました。
もうそこらへんにおしっこする子どももいないのでしょう。
鬼岳から見下ろすと海がきらきら~っとしてて、
それを見るのを楽しみにしている人が多いですが、
わたしは逆に海からこの山ののぺ~っとした姿を見上げるのが好きです。

五島のはなし⑤
2009 年 6 月 13 日
五島の福江島には
「日本一美しいと言われる、と言われる砂浜」があります。
なぜこんなまどろっこしいかというと、
「日本一美しいと言われる」といろんなところに書かれてますが、
実際に「日本一美しい」と言ってる人にも文にも
出会ったことがないからです。そうすると、私としては
「日本一美しいと言われる、と言われる砂浜」になります。
ちなみにヤフーで「日本一美しいと言われる砂浜」と
検索してみたら、真っ先にヒットしました。
名前は高浜海水浴場。
たしかにきれいです。
ぜひ冬の夕暮れに、恋人と別れ傷いた心で一人このビーチに
立ってみてください。世の中の理不尽な美しさに圧倒されると思います。
(恋人と一緒に、理不尽じゃない美しさに浸るのもアリです)
「日本の海水浴場55選」と「日本の渚100選」にも選ばれています。
・・・しかし「日本の〇〇選」って誰が決めてるんでしょう?国かなあ。
環境庁の人たちが日本中のビーチを巡って
「ねーここ、渚100選に入れてもよくない?」なんて
ワイワイやってるとしたら、何ともうらやましい仕事です。

高浜海水浴場
五島のはなし④
2009 年 6 月 12 日
昨日深夜の帰り道、うんこを踏みました。
つかれきった精神状態でうんこを踏むのはつらいものがあります。
そういうときは、幼いころ兄に言われた言葉を思い出します。
「うんこを踏んでもいいように、俺たちはクツをはいているんだ」
この言葉にいままで何度救われたことか。名言です。
ありがとう、兄ちゃん。
さて、五島列島には大きく5つの島がありますが
(無人島から海に突き出た岩礁みたいなのもあわせると
144あるのだそうです)、そのひとつに奈留(なる)島があります。
奈留島にはいま奈留高校という高校がありますが、
かつては福江島(私の出身地です)にある
五島高校(私の出身校です)の分校でした。
分校だったので、五島高校の校歌はなじみが薄く、
ならばオリジナルの校歌を、と思い立った女子生徒がいました。
(あ、ちなみにこれ、いまから35年位前の話です)
その女子生徒は、とあるラジオの深夜番組に投稿、
当時人気があった番組のパーソナリティに校歌の制作を依頼しました。
依頼を引き受けたパーソナリティは、島に思いをはせ、ひとつの曲をプレゼントします。
「瞳を閉じて」
風がやんだら 沖まで船を出そう
手紙を入れた ガラスびんをもって
遠いところへ行った友達に
潮騒の音がもう一度届くように
今海に流そう
霧が晴れたら 小高い丘に立とう
名もない島が 見えるかもしれない
小さな子どもにたずねられたら
海の碧さをもう一度伝えるために
今瞳を閉じて
今瞳を閉じて
作詞、作曲、荒井由美。
フォークソングだからという理由で校歌にはならなかったそうですが、
いまも奈留高校の愛唱歌として歌い継がれています。
高校の前には、ユーミン直筆の歌碑もあります。
歌碑の除幕式のため、初めて奈留を訪れたユーミンは
自分の思い描いていた景色がそのままあることに驚き、泣き出してしまったそうです。
とってもいい曲です。知ってる人も多いと思いますが、一度聴いてみてください。






















