2014 年 3 月 23 日 のアーカイブ

伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-01
© Nevit Dilmen
The Rolling Stones キースのギター

 人間、一皮剥ければ、みんな髑髏だ。

ローリングストーンズのギタリストであり、
地球上で、最も偉大なギタリストの一人。
キース・リチャーズ。

彼は、言葉もしびれる。

 どんな人間だって、
 切って開いてみりゃ
、骨は白くて血は赤いだろ、
 な、どっか深い所で繋がってんだよ。

そんな信念が宿るキースのギターは、
国も、文化も、時代もこえて、深く深く愛されている。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-02
Andrea Sartorati
The Rolling Stones 不良の音楽

不良の音楽ロックンロール。
その頂に君臨するローリングストーンズにおいて、
不良といえば、ギタリスト、キース・リチャーズだ。

スキャンダルは数知れず。
一度は、終身刑になりかねない麻薬事件まで引き起こしたキース。

あるとき、こんな胸中を打ち明けた。

 生まれてこのかた、神聖さと名のつくものと
 全く無縁な人生を送ってきた俺にとっては、
 ストーンズとして、ロックンロールを演り続けることこそが、
 唯一の宗教なんだ。

キース・リチャーズ。
伝説の不良を絶望の淵から救ったのは、
たったひとつ、不良の音楽ロックンロールだった。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-03
Andrea Sartorati
The Rolling Stone 同い年

 ロックンロールは、俺たちと同い年で、
 こんなチャンスをもてるやつなんて、バンドも含めてそうそういない。

1962年のロンドン。
ローリング・ストーンズは、産声をあげた。

「Paint It, Black」「Jumpin’Jack Flash」「Satisfaction」…
数々の名曲を生み出し、
世界で最も偉大なロックンロールバンドと称されるストーンズ。

メンバーのキース・リチャーズは、ギタリストの神とあがめられている。
これは、そんな彼の言葉。

 ストーンズにとっては、時代に足跡を残すことよりも、
 ロックンロールがどう成長し、俺たちがどこまでそれに手を貸せるのか、
 見届けることが興味深いんだ。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

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The Rolling Stones ミックとキース

ロックンロールバンド、ローリング・ストーンズ。
ボーカリストのミック・ジャガーと、ギタリストのキース・リチャーズには、
ふたつの出会いがある。

ひとつ目の出会いは、互いが5歳か、そのくらいのとき。
公園の砂場で、ミックとキースは出会う。すぐに打ち解けた二人。
けれど、キースの引越しをきっかけに疎遠になってしまう。

それから10年以上の月日が流れ、二人はもういちど出会う。
電車の中でのことだった。お互い学校へ向かう途中。
ミックは、当時キースが夢中だったバンドのレコードを抱えていた。
そのときの出会いを、キースはこう語る。

 俺の家に来いよって誘ったんだ。
 やつが持ってたレコードを聴いてしびれたね。
 二人ともまだロンドンの端っこにあるダートフォードに住んでいて、
 俺はまだアートスクールに通ってた頃さ…

それから50年以上経った今なお、
二人のロックンロールは鳴り止まない。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-05
Affendaddy
The Rolling Stones ローリングストーンズとビートルズ

ローリングストーンズは、ビートルズとよく比較された。

ジョンレノンは、
「ストーンズがやってることは、ビートルズの2ヶ月遅れだ」と
彼らを揶揄した。

ジョンのコメントに対し、
ストーンズのメンバーであるキースは、71年のインタビューでこう応えている。

 俺たちとビートルズは、同じものを目指してたってことだけじゃないかな。
 ただ、俺たちの方がちょっと遅いってだけでさ。
 だが、俺たちを映し出す鏡は俺たち自身だけさ。

そして2002年、キースはこう語った。

 ビートルズと違うのは、
 俺たちはいまもバンドとして続いているってことだ。

ストーンズが40周年を迎えたある日のことだった。
50周年を迎えた今も、彼らは新たな曲を書き続けている。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-06
Peter Gerdes
The Rolling Stones ストーンズを聴かないミック

ローリングストーンズのミック・ジャガー。
彼は、自分たちの音楽は聴かないという。

 レコードは絵画に似ていて、
 仕上げた時点で自分のものじゃなくなる気がするんだ。
 自分の手をはなれて、他人のものになるわけさ。

ところで、街を歩けば、誰だって一度は見かけたことがあるだろう。
舌ベロのマーク。ローリングストーンズのシンボルだ。

まるで彼らの手をはなれたかのよう。
ファッションなど様々なところで使われて、
老若男女が思うがままに楽しんでいる。

ストーンズは教えてくれる。
ロックンロールは、音楽に限らず自由なものだと。

今日も世界中の街角には、彼らのロックンロールがあふれている。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-07
lrog
The Rolling Stones 満たされない

 満たされない。満たされない。
 何度も何度もやってみたが、ぜんぜん満たされない。

ローリングストーンズの代表曲「Satisfaction」は、
満たされずもがく男の話。

そんなローリングストーンズには、
ボーカルのミックが言ったのか、ギターのキースが言ったのか、
誰が言ったのか、こんな言葉があるという。

 夢が消えたら、心も消える。

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伊藤健一郎 14年3月23日放送

140323-08
Andrea Sartorati
The Rolling Stones ローリングストーンズの最後

イギリスのロックンロールバンド、ローリングストーンズ。
50周年を迎えた彼ら。平均年齢は69歳にもなる。

解散するバンドが多い、ロックンロールの世界。
ストーンズがアニバーサリーを迎え、ツアーを開始するたびに、
記者たちは同じ質問をぶつけた。
「これで最後ですか?」

これは、そんないつもの問いに対する、
ボーカリスト、ミック・ジャガーの答え。

 ぼく自身は“ファイナル”だなんて絶対に言わない。
 人生、何が起こるかわからないのに、これが最後だなんて言うのは、
 実にくだらないと思うね。

2014年の東京ドーム。
縦横無尽に疾走し歌うミックが、走り疲れることはなかった。

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