石橋涼子 16年9月25日放送

160925-06

服のはなし 田島隆夫のきもの造り

白洲正子が銀座で染織工芸の店を営んでいたころ、
知人から紹介され、才能を見出したのが、
織司(おりし)の田島隆夫だ。

糸にこだわり、いざり機(ばた)という古い織り機で織る
彼の着物について、白洲正子はエッセーの中で
一度でもその着心地のよさ、ふっくらした糸の感触を知った人々は
もはや離れることはできないのだ。
と評している。

田島隆夫が織るのは、ほとんど無地か縞だ。色も多くを使わない。
自分の技巧を披露することもしないし、展覧会にも興味がない。
なぜなら彼の目的は織物ではないから。
彼はしきりに言った。

 自分はきものを造っているのだ、と。

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