2016 年 11 月 のアーカイブ

中村直史 16年11月26日放送

161126-03
Stijn Vogels
ペンは動く デイビッド・オグルビー

広告の父と呼ばれる、デイビッド・オグルビー。
彼は、すばらしい広告をつくった人とほめられるより、
「売れる広告をつくった人」になることだけを望んだ。

オグルビーの広告づくりはデータに基づいていた。
写真の選び方、文章の配置、文字数まで。
すべてデータに基づいていた。

たとえば、こんなデータ。

 白地に黒の文字の方が、黒地に白の文字より読まれる。

オグルビーの広告において、
黒地に白で書かれた文字はない。

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三國菜恵 16年11月26日放送

161126-04

ペンは動く 羽田圭介

芥川賞作家、羽田圭介。
小説家デビューは17歳。
ある作家の登場に焦りを覚えたのがきっかけだった。

17歳の高校生・綿谷りさの新人賞受賞。

その衝撃に突き動かされ、
羽田は小説家になる練習を始めた。

 文芸誌のバックナッバーをまとめ読みした。
 テストの傾向と対策を練るかのように。

目指す為に、まず、学ぶことから始めた。

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三島邦彦 16年11月26日放送

161126-05
psycho.mato
ペンは動く 東村アキコ

人気漫画家、東村アキコ。

育児、オタク女子、地元で出会った面白い人。
さまざまな視点から漫画を描いてきた。

ある日ペンを動かす中でふと、
ある人のことを思いだした。
自分に「絵」を描くことを教えてくれた、アトリエの先生。
その先生にはもう会えない。
だからこそ、漫画の中に生き生きと描きだそうと思った。

「ウソを描くと紙のなかの先生に怒られるんじゃないか」
計算も、演出も排除して、ペンは進んだ。

漫画の中によみがえった先生の言葉に、
いま、沢山の人が心を揺さぶられている。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-01
ajari
中川李枝子のやさしさ

今日は、世界子どもの日。

 子どもはみんな問題児。

「ぐりとぐら」など、
長く愛される絵本を生み出し
保育園でたくさんの子どもを育てた
中川李枝子は、そう言い切る。

ほとんどの大人は、
自分は子どもの頃いい子だったと
言えないんだから、
自分の子も無理にいい子に
しようと思わなくていい。

問題こそ、かわいい。
そんな気持ちでもう一度、
子どもと向き合ってみませんか。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-02

無口だったアインシュタイン

今日は、世界子どもの日。

20世紀最高の知性。
アインシュタイン。

彼は5歳になるくらいまで
ほとんど言葉を発しなかった。
世界を言葉という記号でなく
全体で把握しようとしていた
とも、言われている。

そんなアインシュタインを
自然界に誘ったのは
5歳の頃、父がくれた方位磁針。

子どもの成長が
まわりと同じでなくたって
心配しすぎることはない。
その子はその子なりに、
世界と向き合おうとしているのだから。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-03

岡本太郎と子どもの絵

今日は、世界子どもの日。

 幼稚園や小学校1,2年生の子どもが
 よくお日さまの絵を描きます。
 いったい丸にチョン、チョン、チョンと
 毛をはやしたようなもののどこに、
 太陽の実感があるのでしょうか。

1950年代に
子どもの芸術教育の主流だった
うまい絵を褒め称えることを
真っ向から否定した岡本太郎。

うまくなくても、
きれいでなくても、
どんどん描けばいい。
太陽らしいものじゃなく
自分が感じた太陽そのものを描く。
感情をまっすぐ絵にあらわす。
それこそが芸術なのだ。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-04

長新太の自由さ

今日は、世界子どもの日。

 小さな子どもの視点はすごい。
 僕はそういう人たちを相手に本を描いている。
 言ってみれば、先生に対して自分の絵を見せている。

そう語ったのは、絵本作家の長新太。
大人の常識からどんどんはみ出していく
自由すぎる絵と物語は、
徹底的に子どものために描かれていた。

意味はないけど、つい笑っちゃう。
そんな子どもの反射神経が、
大人にも、ときどき必要なんだ。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-05

熊楠のエネルギー

今日は、世界子どもの日。

日本の植物学の巨人、南方熊楠は
子どもの頃、とてつもない記憶力で
神童と呼ばれていた。
しかしものすごい癇癪持ちで
怒ると手がつけられなかった。

4歳の頃、隣の家からもらった
1冊の植物の本が、
熊楠の人生を動かした。

エネルギーのすべてを
自分の興味にぶつけ、
7歳であらゆる百科辞典を書き写した。

大人は、年齢という壁を
子どもにつくってしまいがちだけれど、
知りたい気持ちに
壁なんか、いらないのだ。

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澁江俊一 16年11月20日放送

161120-06

エジソンが子どもだった頃

今日は、世界子どもの日。

発明王エジソンは、子ども時代、
「1+1=2」と先生に言われても
「1個の粘土と1個の粘土を足すと、
大きな1個の粘土なのにどうして2なの?」
と質問して困らせたり、
なぜものが燃えるのかを知りたくて
藁を燃やしていたら、
自宅の納屋を全焼させたりするほどで
小学校さえ中退するほどの大問題児だった。

知りたいという気持ちが
強すぎることが問題になる。

そんな大人たちの世界が、
エジソン少年には窮屈すぎたのだろう。

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田中真輝 16年11月20日放送

161120-07

窓際のトットちゃん

今日は、世界子どもの日。

小説「窓際のトットちゃん」は、黒柳徹子作の
ノンフィクション自伝。
そこには、落ち着きがない問題児として、
転校を余儀なくされたトットちゃんが、
「トモエ学園」という新しい小学校で、
のびのびと成長していく姿が描かれている。
人と同じようにできないことから、幼心に疎外感を
抱えたトットちゃんに、トモエ学園の校長先生は
繰り返し、こう語りかける。

「君は、本当は、いい子なんだよ」

トットちゃんを導いたのは、薄っぺらな教育論
ではなく、心から子供を信じ、寄り添おうとする、
ひとりの人間の声だったのではないだろうか。

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