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面倒くさくつくるとおいしい炒り豆腐

簡単につくろうとすると木綿豆腐を崩しながら胡麻油で炒って
適当にパラパラ細かくなって水分が飛んだら卵を入れてさらに炒って
仕上げに細かいカツオブシを混ぜ込むと出来上がる。
あ、適当に水分が飛んだところで塩と醤油で味つけします。
これが簡単な炒り豆腐です。

ところがですね、面倒なつくりかたがあります。
どっちにしろ豆腐は水切りしないです、
これだけは面倒なんですよね、私は。
なんででしょうか。

さて、面倒な炒り豆腐はまず具を炊きます。
バラ寿司の要領ですね。あんなに多種類は必要ありませんが
細かく刻んで出汁と薄口醤油で炊きます。
今回は人参とインゲンを炊きました。
バラ寿司のときなら、人参は人参、インゲンはインゲンで
別々に炊きますが、今回は一緒でいいでしょう。
気軽なお総菜ですしね。
挽肉を…とチラッと考えましたがやめました。
挽肉はダンゴになりやすいので、
ここに入れようとすると、まず「そぼろ」というものに
しなければなりません。
さらに面倒ですね、やめましょう。

さて、人参とインゲンが炊き上がりました。
そしたらさっき書いたみたいに木綿豆腐を崩しながら胡麻油で炒って
パラパラと細かくなって水分が飛んだら
炊いた人参とインゲンを入れます。
ここでまた汁気が増えるのでさらに炒ります。
それから卵を割り入れて、
またパラパラになったらカツオブシです。
このカツオブシが最後の水分を吸ってくれます。
なるたけ細かく削ったものを使ってください。
はじめてから出来上がるまでずっと火にかけっぱなしです。
卵ですが、豆腐の大きさが違うじゃないですか、
だから1個か2個か、あなたの豆腐を見ないと言えないです。
そのへんはもう、気合いで決めてください。
多すぎてまずくなることはないです。
なにかもう一品欲しいときにいいもんですよ、これ。

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調子が悪いときにつくるスープ

疲れているときのスープはいいですね。
疲れているから簡単なのがいいですよね。

なぜか緊張感のあるスープは飲みたくなくて、
ゆるゆるいだらしないスープが欲しいときがありますね。
お客さんにはとても出せない、自分だけがおいしいスープ。
これはそういうスープです。

ベーコンとタマネギとジャガイモが基本です。
冷蔵庫または冷凍庫に鶏出汁のストックがあれば万々歳ですが、
なくても別にかまわないんです。
私はだいたい昆布と煮干しを水に浸けただけの出汁を使います。
和風出汁ですが、大丈夫です。
干し貝柱を入れることもあります。とてもおいしくなります。
まあ何でもいいんですよ、疲れているんですから。

上の写真はもっとも無精なスープです。
ジャガイモは四つ割りくらいの大きさで
それに合わせてタマネギもキャベツも大きく切っています。
ベーコンも大きいです。
ちゃんとつくろうと思ったら、最初にベーコンを入れて
ちょっと脂を出したら、出汁と玉葱とキャベツを入れます。
もう食べられるぞという一歩手前でじゃがいもを入れます。
何をするのも面倒だったら、単に出汁のなかに材料を全部入れて…
いやっ、じゃがいもだけは時間差にしましょう。
じゃがいもをのぞく材料を入れて煮込みます。
適当に塩コショーしてください。醤油&コショーでもいいです。
玉葱もキャベツもくたくたになるくらい煮込むと
緊張感のない、ゆるい、やさしいスープになります。

上のスープはベーコンのかわりにハムの切り落とし、
あとはタマネギニンジン、ピーマン、キャベツにじゃがいも。
下のスープにはセロリと赤ピーマンが入っていますね。
こんなスープを大きな鍋にいっぱい作ります。
量も味になるんですよね。
こういうものは小鍋にちょびっとつくってもおいしくないです。
大きな鍋につくって二日くらい食べ続けます。
夜つくって食べて
あたたかい季節なら、翌朝ちょっと火を通します。
具の芯まで70℃以上になればいいんです。
食べる分は小鍋に取って湧かします。
このとき、ご飯を入れたら雑炊になります。
スープスパゲティでもいいわけです。

つくりかたを書くのもおこがましいようなものですが
一応書いておきますとですね、
まずベーコンから炒めて脂が出たらタマネギを入れます。
タマネギの匂いが出て来たらたっぷりの水を差します。
水じゃなくて鶏スープ、煮干しと昆布の出汁ならバンザイです。
あ、セロリですか。タマネギの次に入れてください。
グツグツしはじめたら刻んだキャベツを入れます。

じゃがいもは煮えるのが早いですからかなり後です。
こういうスープ、自分ひとりが食べる内輪なスープのときは
ジャガイモが煮くずれてもかまわんと私は思いますが、
あまりに崩れて影もカタチもなくなっては
食べる楽しみがないですもんね。
ピーマンも最後に入れます。
これは火が通ればいいわけですから。
緑が欲しいので緑ピーマンも入れますが
赤ピーマンの方がビタミンCが多いです。

上の写真のスープは
ベーコン、タマネギ、ジャガイモ、キャベツの基本の他に
ニンジンとエノキ茸、オクラが入って
醤油で味をつけています。
とにかく食べたい野菜、カラダが欲しがっている野菜を
食べるためのスープですから
和洋中、何でも折衷しまくってください。
下はほら、ご飯を入れて雑炊になっています。
これ、うまいですよ。
こんなスープをつくりたいときは、
会社へ行く前に昆布と煮干しを浸けて出るといいですね。
夜帰って、すぐに取りかかれます。
週末に濃い鶏スープをひいて冷凍しておくのもいいと思います。

疲れたときにこんなスープはいいものです。

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キンピラ牛蒡

キンピラ牛蒡に必要なのは何といっても切れる包丁です。
上の写真は包丁を研ぎに出す前につくったキンピラなもので
ちょっとお恥かしい次第になっております。
もうちょっと薄く細かく削りたいところです。
この後、包丁は研ぎに出しました。いまはバリバリよく切れます。

よく切れる包丁が用意できたら、牛蒡を削ります。
私は細くて重い牛蒡が好きです。
泥つきを買って亀の子タワシで洗って泥を落とします。
金属タワシはいけません。皮がむけてしまいます。
まして包丁で皮をむくなんぞとんでもないことです。
牛蒡のうまいところは皮なのですからね。

なので何とか皮をむかないで辛抱してください。
そして、皮のまま縦に何本か切れ目を入れます。
それから水を張ったボールを用意して
鉛筆をけずるような感じでササガキに削っていきます。
縦の切れ目のおかげで細いササガキができるでしょう。ねっ。
削った牛蒡はボールの水の中にどんどん落としていきます。
ボールの水は黒くなりますが、これ実はアクではなくて
ポリフェノールの一種が水に溶け出しているだけです。
あんまり水に浸けっぱなしにするとせっかくの栄養素が失われるので、
そうですねえ、削るのにえらい時間がかかるという人は
水に浸かった牛蒡を途中でいっぺんザルに移した方がいいかもですね。

とにかくそうして牛蒡がササガキに削れたら
胡麻油で炒めます。油は少なめがいいと思いますよ、さっぱりして。
でもね、牛蒡が厚削り過ぎてですね、
少ない油では火が通る前に焦げつきそうになるという人は
途中で酒でも出汁でもちょっと足してやってください。
柔らかくなったら醤油を入れて味をつけます。
シャキシャキに仕上げます。
ヘナヘナのキンピラなんてキンピラじゃないです。

仕上げるちょっと前に、唐辛子または七味、または黒胡椒、中国胡椒など
お好きなピリ辛を少々振ります。黒胡麻は好き好きでどうぞ。

包丁さえ切れれば、キンピラは簡単ですが、
切れない包丁でつくるキンピラほど苦労なものはありません。

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刻みに刻んでウド味噌を

だいたい私は料理が上手なわけではない。
包丁の使いかたが下手で薄切りやみじん切りが苦手。
鋼の包丁は研ぎに出すのが面倒で刃こぼれがしている。
ああ、ホントにそろそろ研がなくちゃ。

それでも長年自分が食べるものとお客が食べるものをつくっているので
台所に立つことは慣れているし、加減もなんとはなしにわかってきたし
ものの性分というものを見据えればたいして失敗もしない。

さて、上の写真はウド味噌だ。
去年山形で山菜を買い込み、宅配便で自宅に送った。
届いた量を見て、なんでこんなに買ったのだと呆れたが、ときすでに遅し。
その箱の中に大量のワラビやミズやコゴミに混じって大量の山ウドがあった。
一年中スーパーで売っているあの長いウドではない。
山ウドの丈は短い(下の写真)

なんでこんなに買ってしまったのかわけがわからなかったが
ともかく大量を少量にせねばならない。
生で食べる分をのぞいて刻みにかかった。
包丁が苦手な私にとって、それは果てしなく悲しい作業だったが、
めざすは大好きなウドの長期保存だ。
蕗味噌というものがあるのだからウド味噌があってもいいだろう。
そんなもん聞いたこともないが、ウドに味噌をつけて食すくらいだから
ウドと味噌は相性が良いに違いない。

炒めてつくるつもりだったので、皮もむかずに
根元から葉先まで刻みに刻んだ。
そして胡麻油で炒め、味噌を入れさらに炒めて出来たのがウド味噌だ。
味噌が黒いので真っ黒なウド味噌だが、これはうまかった。
ウドの香りが何ともいえず、ついご飯を食べ過ぎてしまう。

春から初夏にかけて山菜の産地へ行くのは危険だ。
また見つけたら大量に買いそうな気がする(なかやま)

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山椒の葉の佃煮

これはあまりに自己流な山椒の佃煮なので
ちゃんとつくろうと思ったら他を見ていただくのが安全かもしれません。
が、無精なやりかたでもともかくつくってみようというならば
これを参考にしてみてください。

山椒でたいへんなのは「軸を取る」という手間です。
山椒の木から自分で摘むのならば
小さな若い新芽のとこだけを摘めばいいのですが
ひと箱いくらで買った山椒は「新芽」と称していても
旧芽がかなり混ざっています。
この大きな葉っぱはもはや新芽とは言わないのではないか、山椒屋さん??
そこで、ちょっとこれはねというの関しては軸から葉をはずします。
固そうな軸からあのちっぽけな葉を一枚一枚むしるわけです。
なかには「軸」というより「枝」ですよというのも混ざっています。
もちろん「枝」はどけてください。食べられるわけがありません。

しかし…ああ、めんどくさい。
かなり面倒ですし、売り物にするわけじゃないので許容範囲を広げます。
それでもかなりの軸が廃棄処分になります。
こうして、ボール一杯くらいの山椒が佃煮用として餞別されました。

次にこの山椒を洗って、塩を振りかけて揉みます。
アクを出すわけですね。
塩で揉まれた山椒は青い汁を出してカサを減らします。
量にもよるのですが、5分から10分揉んで水で洗います。
洗って搾って、包丁でざくざくと切ります。
これはですね、混ざっている軸を短くするために切るわけです。
選別の許容範囲を広くした分、こうして辻褄を合わせておきます。

ざくざく切った山椒を鍋に入れ、
出汁と酒と醤油をひたひたくらい入れて弱い火で煮ていきます。
1時間以内に煮詰まってきたら、酒か出汁を足してやってください。
2時間たってもまだ汁がたっぷりあったら、火を強めてください。
あまりに多かったら、山椒をいったんボールに出して
汁だけ煮詰めてください。
私は2時間弱で、鍋を傾ければ汁がたまるというくらいに減ったので
そこから火を強くして汁を飛ばしました。
私はしっとり加減が好きなので、
山椒を押さえるとまだ汁は出るくらいで火を止めて冷まします。

あれだけあった山椒がひとつかみになってしまう空しさ…
もうもう誰にもやらんぞ!と言いたくなりますね。

しかし、春先はあれだけフキノトウに夢中になっていたのに
いまは山椒がうまくてたまりません。
躰が初夏にむかっているんでしょうね。

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ウドの葉や皮のキンピラ

山ウドの葉や皮のキンピラです(上の写真)
よく思うのですが、山で今朝採ったウドだよというものを出されると
葉も皮も残さずまるごと食べてしまうわけですよ。
そうやって15センチから20センチくらいのウド1本と味噌で
ずいぶんと酒を飲むわけですが(下の写真)

ところが東京で買うとウドそのものが大きいですし
どうも皮まで食べる気がしない…
まあ、ウドは分厚く皮をむけと教えられていますから分厚く剥きます。
葉っぱも食べません。しかし勿体ないんです。
そこである日、キンピラにしてみたのですよ。
なんだ、うまいじゃん。

ずいぶんうまいもので、ついにまるごと1本、
キンピラにするためにウドを買うこともあるという
主客転倒のありさまになりました。

軸の部分は縦に割ってから斜めに切って、葉も適当に切って
ごま油で炒めて、ほどよきときに醤油をかけまわすだけです。
仕上げに一味か七味、胡椒でもいいですしチャイニーズペッパーでもいいです、
ピリッとするものを何か振っておくといいと思います。
ゴボウのキンピラより簡単です。
あいつはササガキが面倒ですもんね。

さて、スーパーで売っているウドを1本買って
根元の白い部分を酢味噌で食べるとしますね。
そして皮と葉っぱはキンピラに…でもちょっと量が足りないですか?
こういうものはひと口あればいいんですけどね。
そうですか、では増量作戦を展開しましょうか。

そういうときは、もう一品、野菜のオカズをアスパラガスにしましょう。
アスパラガスはポキポキと折れる部分から折って先の部分を使いますよね。
残った根元は筋張って固いので使いません。
がっ、この根元が大事なのですよ。
こいつも斜めに切ってウドの皮と葉と一緒に炒めてキンピラにします。
これで量が増えました。
アスパラガスの根元だけでもやってみてくださいね、
うまいですから捨てないで。
なんでもキンピラ作戦はいいものですよ。

(下の写真は山から届いたウドとその下の葉はウルイ)

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