2023年12月09日
佐藤理人

トランボ 「ローマの休日」
オードリー・ヘップバーンの傑作「ローマの休日」。
クレジットによると脚本はイアン・マクラレン・ハンター。
だが、真の脚本家は彼の友人だった。
ダルトン・トランボ
彼は1950年代、ハリウッドにおける不当な政治的弾圧により、
本名で作品を発表できず、知人の名を借りた。
映画は大ヒットを記録し、アカデミー賞脚本賞を受賞する。
だがトランボは、オスカーを手にすることはできなかった。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
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2023年12月09日
オードリー・ヘップバーンの傑作「ローマの休日」。
クレジットによると脚本はイアン・マクラレン・ハンター。
だが、真の脚本家は彼の友人だった。
ダルトン・トランボ
彼は1950年代、ハリウッドにおける不当な政治的弾圧により、
本名で作品を発表できず、知人の名を借りた。
映画は大ヒットを記録し、アカデミー賞脚本賞を受賞する。
だがトランボは、オスカーを手にすることはできなかった。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
2023年12月09日
「ローマの休日」の真の脚本家、ダルトン・トランボ。
その名を初めて有名にしたのは脚本ではなく小説だった。
「ジョニーは戦場へ行った」
第一次世界大戦の残酷さを描いたこの小説は、
第二次世界大戦が勃発した1939年に出版された。
その反戦的な内容により、彼はFBIから取り調べを受け、
1945年には発禁処分となった。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
2023年12月09日
第二次大戦後、
アメリカでは反共産主義の嵐が吹き荒れた。
その影響は、脚本家ダルトン・トランボを直撃。
共産党員だった過去により、裁判にかけられた。
しかしアメリカ合衆国憲法第一条、
「言論の自由」に基づき、彼は証言を拒否した。
同様に証言を拒んだ10人の脚本家は、
「ハリウッド・テン」と呼ばれ、実刑判決を受けたのち、
映画界を追放された。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
2023年12月09日
言論の自由を守り、
ハリウッドを追放された脚本家、
ダルトン・トランボ。
彼はメキシコに移住したのち、
複数の偽名を使って脚本家の仕事を続けた。
そして1953年、彼は運命の1本を書く。
ローマを訪れた王女と新聞記者の、
1日だけの恋を描いたラブストーリーは
世界中で大ヒットを記録。
アカデミー賞脚本賞を受賞した。
オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」である。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
2023年12月09日
脚本家ダルトン・トランボをはじめ、
多くの無実の映画人を苦しめた、
アメリカの「赤狩り」は1954年に終わりを告げた。
違法な捜査がマスコミだけでなく、
政府や軍部からも批判を浴びた。
3年後、トランボが偽名で書いた「黒い牡牛」が、
アカデミー賞脚本賞を受賞する。
「ローマの休日」に続き2度目の受賞だったが、
彼は再び授賞式を欠席。
ハリウッドでは、トランボの作だと噂が流れ始めた。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
2023年12月09日
脚本家ダルトン・トランボは、
ハリウッドでの不当な政治的迫害が終わっても、
あえて偽名で仕事を続けた。
やがて2度のアカデミー賞脚本賞の受賞や、
手がけた映画の大ヒットが続くと、
謎の脚本家が世間でも話題になった。
彼は満を持して真実を告白。
ハリウッドを追放された10人の脚本家、
通称「ハリウッド・テン」の残りのメンバーも、
本名で仕事ができるようになった。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
2023年12月09日
アメリカの脚本家、ダルトン・トランボ。
政治的理由でハリウッドを追放された彼は、
偽名で作品を書き続けた。
「ローマの休日」と「黒い牡牛」で、
2度のアカデミー賞脚本賞に輝くと、
志ある映画人は彼を放っておかなかった。
「スパルタカス」の主演カーク・ダグラスと、
「栄光への脱出」の監督オットー・プレミンジャーは、
脚本のリライトを直々に頼みにきた。
2つの大作はどちらも大ヒットを記録。
トランボの名前も正式にクレジットされた。
1971年、彼は自らメガホンをとり、
自身の反戦小説「ジョニーは戦場へ行った」を映画化。
戦争の残酷さを改めて世界に強く訴えた。
1975年、本来彼が手にするはずだった、
「黒い牡牛」のオスカー像が授与された。
しかし翌年、彼は心臓発作により70歳でこの世を去る。
「ローマの休日」のオスカー像は、
受賞から40年後の1993年、遺族に贈られた。
トランボをはじめ多くの映画人を不当に弾圧した、
下院非米活動員会は1975年に消滅。
50年近い活動において、1人のスパイも、
1つの陰謀も見つけることはできなかった。
今日はダルトン・トランボの誕生日。
2023年12月03日
『羅生門』で知られる作家・芥川龍之介。
彼は、甘いものをこよなく愛した作家でもあった。
学生時代には
体育の授業を抜け出してくず餅を食べ、
先生に叱られた。
ちなみに、先生にばれた理由は
口の周りについたきなこだったという。
ニヒルな印象の彼にも、
そんな時代があったと思うと可愛らしい。
2023年12月03日
芥川龍之介の甘いもの好きは、
その作品からもわかる。
たとえば、その名も『しるこ』という随筆だ。
彼はその中で、
もしも西洋人がその味を知れば、
汁粉が世界を風靡しないとも限らない、と語っている。
ニューヨークやパリで、
人々が汁粉を味わうのを想像したのだ。
いつかパリのカフェで
コーヒーの代わりに、
汁粉がすすられる日が来るかもしれない。
2023年12月03日
芥川龍之介は、
妻の文(ふみ)にいくつもの手紙を書いた。
彼の作風からは考えられないほど、
素直でまっすぐな文章で。
芥川は手紙の中で、
旅の途中、羊羹を食べに
京都に寄った話をしたという。
今度京都へ行ったら、
お土産に買ってきてあげましょうか。
羊羹を食べるために京都に寄り、
ラブレターにまで甘いものの話が出てくる。
あきれるほどの甘党だ。
またあるときの手紙では、
こう記している。
この頃ボクは文ちやんがお菓子なら
頭から食べてしまいたい位可愛い気がします。
嘘ぢやありません。
ほかでもない、
大の甘党の芥川からのこの言葉。
妻・文への愛がどれほどのものだったか、
これだけでもうかがい知れる。