たとえばホットドッグを注文したとき。これがなかったら、悲しい気持ちになるだろう。人生を変えるほどではないけれど、今という瞬間を、ちょっと幸せにしてくれるもの。それが、マスタード。マスタードシードの歴…　続きを読む

インドがまだイギリスの植民地だった時代。貴族が料理人に、インド風ソースを作らせた。そのときの原料は、おそらく大豆や魚、スパイス類だと思われる。最初にできあがったソースはあまりに刺激が強かったが、放置…　続きを読む

グラタンといえば、ベシャメルソース。だが、その名前の由来は眉唾ものだ。ルイ１４世時代の貴族であり美食家でもあったルイ・ド・ベシャメルが考案したという説。また、新しいソースをつくった宮廷料理人がベシャ…　続きを読む

ケチャップ。本来その原料は、トマトとは限らない。野菜や果実、キノコ、魚介類などから作られる調味料、という定義になる。イギリスでは今でもマッシュルームのケチャップがあるそうだ。トマトが食用として広まっ…　続きを読む

タルタルソースという不思議な名前は、モンゴル帝国に従属した遊牧民タタール人に由来する。刻んだ香味野菜を添えた馬肉料理というタタール人が好んで作ったものがヨーロッパでタルタルステーキという名前で定着。…　続きを読む

地中海のメノルカ島に、マオンという港町がある。18世紀半ばのこと。フランスの公爵がこの町を訪れた際、オリーブ油と卵黄、レモン汁を混ぜたソースにいたく感動し、そのレシピを持ち帰ったことで広まった。それ…　続きを読む

スープと野菜は相性がいい。とりわけキャベツは西ヨーロッパ原産で古代ギリシア時代から薬用として重宝された。イギリスの最も古い料理書には、キャベツのポタージュのレシピが載っているそうだ。現在でも、フラン…　続きを読む

人類は、１万年以上前からエンドウマメを食べていたという。新石器時代の遺跡やスイスの住居跡に、エンドウマメを使った食事のあとが発見された。そうは言っても、現在のように柔らかいものではなく、デンプン質が…　続きを読む

トマトのスープ。今でこそ定番のメニューだが、トマトがスープの材料になったのは、それほど古い話ではない。16世紀、ヨーロッパに持ち込まれたトマトは毒リンゴとも呼ばれ、観賞用とされることが多かった。本格…　続きを読む

トルコ中央部アナトリアには、タルハナと呼ばれる伝統的な料理がある。 ヨーグルトで発酵させたパン生地を小さな団子、あるいは板状にして乾燥させる。これを水で戻し、何種類もの乾燥野菜を加え、お粥のよ…　続きを読む