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牛深の茎ワカメをキンピラにする

茎ワカメを食べる習性があまりなかった。
通常のワカメは大好きだ。
私の地元徳島には鳴門ワカメという素晴らしい産物があって
子供のころからこれを食べていると、
でろんとした他のワカメは食べられない。

で、そのワカメを食べるのに忙しくて
茎ワカメまで手がまわらない、
あれば食べるけれど、積極的に追い求めようとは思わなかった。

ところが去年の2月、
映画の撮影で熊本県の牛深にいた西尾まりちゃんから
茎ワカメが届いた。もちろん牛深産だ。
同時にメールが来て「キンピラ」と書いてあったのだ。

えっ、キンピラ??
和えるとか煮るのではなく??
しかし、まりちゃんは牛深の人に教えてもらっているわけだし
地元物産は地元人の言うことをきくのがいちばんうまい。
そこでやってみた。
レシピなんて言うもんじゃない。
胡麻油で炒めて醤油をじゃっと入れて、
仕上げに胡麻をふるだけで出来てしまう。

これがうまかった。なるほどと思った。
4、5センチに切って炒めて醤油を入れるだけなのだ。
まだつくったことのない人はぜひおためしあれ。

写真右が牛深からやってきた茎ワカメ。左がトサカノリ。
トサカノリはスープに入れるとうまかったですよ〜。

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牡蠣のオイル漬け

生食用の牡蠣をいただきました。
殻付きならばひと箱そんなに量はないですが
剥き身だと小さな箱でもけっこうな量です。
全部を生で食べちゃいけません。
牡蠣は何ていうんだろ、成分が強い?アクが強い?
ともかく牡蠣はちっとも悪くないのに
量を食べすぎたせいで当たることがあります。
体調が悪かったりするときもです。
家で食べて当たるならいいですが、
料理屋でそれをやったらいけないですよ。
料理屋が迷惑しますからね。

さて、そんなわけで
生食用の牡蠣といえども生食じゃない方法を考える必要に迫られます。
和とも洋ともつかないオイル漬けにしてみましょうか。
オイルが「洋もの」ということで「和」は醤油です。
醤油にオイスターソースを少し混ぜ、
味をつけてからオイルに漬けます。

おっと、その前に牡蠣を洗わなきゃです。
塩水でそっと洗います。
う〜む、いつまでも黒い汁が出るぞ。こいつはいかん。
大根おろしをつくります。
ボールに牡蠣と大根おろしを入れてそっと混ぜます。
大根おろしがすぐに灰色になります。
もう少し混ぜて、さらに混ぜて、あくまでもそっと混ぜて、
塩水で洗います。これでキレイになります。
最初から大根おろしをつくっておくのが賢いやりかたでした。

さて、この洗った牡蠣を鍋に並べて火をつけます。
牡蠣からじゅわじゅわと水が出てきます。
あせらないでゆっくり火を通します。
水が減ってきます。
焦げつかないように水分を飛ばします。
ときどき鍋を揺すります。
「焦げ付いてないよね?」確認します。
その水分がなくなりかけたころに醤油とオイスターソースを入れます。
鍋を揺すります。牡蠣をひっくり返したいのです。
ううむ、うまくひっくり返ってくれないですね。
木べらをそっと使いますか。

あまりに牡蠣が大量にあるときは
いったんボールに牡蠣を出して醤油とオイスターソースをからめて
また鍋に戻すというようなことを繰り返すのがいいと思います。
オーブンでもいいですね。
鍋ごとオーブンに入れて、出しては醤油をオイスターソースをからめて
またオーブンにもどす…全体的に火が通りそうです。
しかしそんなに牡蠣をくれる人はいないですよね。

さて、もう味がしみこんだだろうというときに味見をしてみます。
うまいです。ここでうまくないと困ります。

このうまい牡蠣を瓶に詰めてオイルを注ぎ入れます。
粒胡椒、タイム、ローリエ、ニンニク、赤唐辛子など
お好みで入れてください。
私は粒胡椒と赤いパプリカとタイムの小さな枝を1本入れました。

それから、オイルなのですが
写真のオイル漬けにはグレープシードオイルを使っています。
オリーブ油は冷蔵庫の低温で固まりますが
グレープシードオイルは固まりません。
固まっても室温でもとに戻ればかまわないんですが、
私の家は寒いので冬は室温で固まっているのですよ(なかやま)

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揚げ餅

正直こんなものは料理とはいえない。
固くなった餅をただ油で揚げるだけのことだ。
ただ、失敗した人の話を念入りにきくと
どうやら高い温度の油で揚げてしまったらしい。
すると餅は芯まで火が通らない。

私は揚げ餅が好きなので、正月の餅を早々に干してしまう。
物干しに干す。
以前サヨリを干すためにといただいた干しネットが
すっかり餅干し用になっている。
寒い時期に干さないとカラカラにならないので、ともかく早々に干す。

餅は乾くとヒビ割れるので、どんどん割ってしまう。
人差し指の先くらいにコロコロに割ってしまって、なおも干しつづける。
カラカラになったら缶にでも保存するのだが
私の場合はすぐさま揚げてしまうので缶がいらない。

さて、油を熱して、乾いた餅の破片を入れ
いったん沈んでから浮いてジュージューという感じになったら
餅をひとつかみ入れて箸でかきまわす。
餅は花が開いたようになるので、そこで火を弱める。
そこからは根気である。弱い火で十分に揚げる。芯まで揚げる。
(火傷しそうなのを食べてみればわかる)
揚がったら、油切れがいいようにと、まあオマジナイのようなものだけど
一瞬火を強くして、網じゃくしでどんどん掬って新聞紙に乗せて塩を振る。
火を強くしているのであっという間に黒くなる危険性がものすご〜くある。
危ないと思ったら火を強いままにしないこと。
消してしまってもいいくらいだ。
手遅れにならないようにがんばって(なかやま)

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野芹の胡麻和え

野芹は野生の芹のことで、水のキレイなところに自生する。
田んぼにも生えるし、わき水のそばにも生える。
ずぶずぶと長靴が沈みそうな湿地にも生える。
それを暇なお婆ちゃんが採取して市場に流すのだが
なにしろ手間のいることなので滅多に買えない。
だいたいが私の住んでいるあたりでは売っていない。
見かけたら仕入れてねと八百屋に頼み込むしかない。

さて、めでたく入手に成功したら、まず芹の掃除にかかる。
おっと、その前に風呂を沸かす。
風呂を沸かしながら芹を洗う。
芹を洗うのは自分を洗うより時間がかかるが
悲しくもこの工程は省くわけにはいかない。
野芹を食べようと思ったら、心の余裕と時間の余裕、
それから沸いた風呂が必要だ。

ボールでは間に合わないので私は大鍋を使う。
大鍋に水を入れて、芹をごくごく軽くひとつかみ入れ
ざぶざぶとゆすいだ後に一本づつ根のあたりを掃除する。

野芹にはありとあらゆるゴミがついている。
枯れた草のようなもの、藁のようなもの、泥のようなもの。
芹自身の傷んだ茎に枯れた葉も取り除くが
枯れていない赤っぽい葉は捨てない。
たぶん気温が低いと赤くなるのではと思う。

根元の黒い部分(上の写真)も指の先でこそげ落としてしまう。
野芹は根元もうまいので切り落とさないで頑張って洗う。

すべての芹がキレイになったら、もう勝ったも同然だが
ふと気づくとカラダの芯がぞくっとするくらい冷えている。
指の付け根から先が赤くなって膨張している。
要するに、シモヤケのなりかけ状態だ。
そこで沸いた風呂に飛び込むのだ。
は〜、ゴクラクゴクラク。
膨らんだ赤い指があっという間にもとにもどる。
この風呂がないと風邪をひく(と思う)

風呂からあがるとザルにてんこ盛りの野芹が待っている。
大きな鍋に大量の湯を沸かして、網杓子を用意し
芹を少しづつ入れながら茹でる。
あっという間に火が通る。茹ですぎに注意。

さて、第一弾が茹で上がって水に取る。
冷水とわざわざ書かないのは、野芹の時期はどうせ水道の水も冷たいからだ。
水に取って固く絞る。
次にいま茹でた水をのぞきこむと、なんと不思議…
あれだけ洗ったにもかかわらず、こまかいゴミが浮いている。
これを網杓子で掬ってから次の芹を入れる。

こうして茹でた芹を胡麻和えにする。
煎った胡麻を擂り鉢で摺って、
プチプチが残るくらいの荒摺りが私は好きだが
まあそのへんはお好みで。
胡麻が摺れたら醤油を入れて胡麻と醤油をなじませて
芹を刻んで擂り鉢に放り込んでさくさくと混ぜると出来上がる。
芹はお浸しもうまい。
醤油を出汁で割って野芹をひたしておく。
そうなのだ。ひたしておくからお浸しなのだ。
茹でっぱなしに醤油をかけるのはお浸しではない。
しかし、出汁と醤油のほかに何か入れたいね。
梅干しを刻む?却下。
庭の柚子をちょっと絞る?うん、それでもいい。
和辛子?うん、それがいちばんいいよ。
出汁と醤油だけのお浸しですというフリをして
バレないように和辛子をちょっとだけ入れる。
チューブの和辛子ではなく、粉をちゃんと溶いてくださいね。
鈍い人には、辛子が入っていることなんかわからなくてけっこうです、
というくらい入れます。

野芹はうまい。本当にうまい。
だからいっぺんには出さない。
残りはタッパーにしまって冷蔵庫に隠しておくのですよ(なかやま)

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蕗味噌

数日前に蕗のある場所へ行ってつらつら眺めたときは
まだ顔を見せていなかったが
最高気温17℃という日に同じ場所を通ったら
たくさん顔を出し、しかもかなりの割合で開いていた。
いかん、いかんいかん。
うかうかしているとフキノトウではなく蕗の花になってしまう。

その日、スーパーでフキノトウを買った。
今年はじめてのフキノトウ。初物だった。

フキノトウはまず茹でる。
茹でかたかもしれないし、フキノトウ本体の問題かもしれないが
高い確率で黒ずんだ部分ができる。
これはお湯に入れた瞬間に全体に熱がまわらなかったせいだ。
下の写真のように、茹でて水に取ったときに
全体がキレイな緑ならば大成功。

こんなにキレイな緑に茹で上がれば
酒に塩をちょっと入れて煮てもいいのだが
たいがいは黒い部分ができてしまうので蕗味噌にする。
そも蕗味噌はうまいので、
なにもそんなに必死に全体を緑に茹でようと気張ることもない。

茹でた蕗はしばらく水にさらしてアクを抜き
こまかく刻んで水気を絞る。
一方で味噌を用意する。
クルミを擂り鉢で摺って、味噌と合わせてまた摺る。
割合はそんなに悩まなくていいけれど
クルミと味噌が同量くらいからはじめてはいかがでしょう。
そこに刻んだ蕗を混ぜるだけで出来上がってしまう。
クルミ味噌と刻んだ蕗の量が同じくらいかな。
蕗は水気を絞ると量が減るので注意。
下の写真が味噌の擂り鉢に蕗を入れたところ。
今日はクルミのかわりに松の実を使っている。

まあ、こうして実に簡単にできてしまうし
酒の肴にうまいし、白いご飯にもうまい。
売っているフキノトウは栽培ものでアクが少ないが
地方の青空市で婆ちゃんが売っているものは
もしかしたら本物かもしれない。
そいつはアクが強いので、水にさらす時間を長くした方がいいと思う。
スーパーのフキノトウは、30分も水にさらせば大丈夫。
ただし、ときどき水を取り替える、または流水にする。

まあ、そんなわけでとても簡単にできました。
早春の香り、蕗味噌です(なかやま)

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