酒の肴メニュー


つくりかたをきかれることがときどきあるので
こちらにひっそりと書いておくことにしました。

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タケノコの根元と湯葉

タケノコの根元の部分は固いので別にしておいて
タケノコご飯にしたりするのですが、
鶏ひき肉や湯葉と一緒に炊いてもおいしいものです。

短冊よりちょっと細めに切ります。
根元とはいえ中心部分はハシゴ状になっていますので、
キレイに切りそろえなくていいと思います。
それより食べやすい太さ、長さに切ります。
切ったらたっぷりの出汁と薄口醤油で煮ます。
とろ火でクツクツと1時間以上、
タケノコがいつも出汁に浸っているように
出汁が減ったら足しながら気長に煮て味を染み込ませます。
味が染み込んだあたりで「引き上げ湯葉」を入れます。
タケノコと太さ長さをだいたい合わせて切って入れます。
このとき、どのくらい出汁が残っていればいいかというと、
出汁からタケノコがちょっと顔を出しているくらいです。
この状態で湯葉を入れて、ときどき上下をひっくり返しながら
20分か30分くらい煮ます。
出汁がタケノコの足元くらいまで減って、
湯葉に味が染みておいしいなと思うようになったら出来上がり。
出汁がたっぷり残りすぎていたら、強火で少し飛ばせばいいですが、
出汁が多く残っていても味がちょうど良ければそれでOKです。
味がほどよい状態から出汁を減らすと辛くなります。

*「引き上げ湯葉」はシート状の生湯葉です。苦手な人は鶏ひき肉で。

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割り干し大根とアサリ

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山梨県の北杜市の道の駅で割り干し大根を買いました。
割り干し大根というのは1本を四つ割りにして干した大根です。
干し上がるまでに時間もかかりそうですが、
もどして柔らかくするのも時間がかかります。
前の晩から水に浸けておきます。

ヒジキや干し大根、ワカメもそうですが
乾物をもどすときの水の量は多すぎず少なすぎず、
完全にもどったときに水が少し残るくらいにしたいです。
柔らかくなった割り干し大根がボールの中で
まだプカプカと浮いているようでは困ります。
このもどし汁も出汁の一部として使うんですよ。
だからね、大量の水でもどすと出汁も大根本体の味も薄まります。

さて、うまくもどせたら適当に切ります。
薄く切ります。
これを炊くわけですが、切り干し大根なら油揚げと炊くのが定番で、
それはそれでおいしいお惣菜なのですが
今回はご馳走にしてみたかったのでアサリの剥き身を入れました。

出汁と割り干し大根のもどし汁を鍋に入れて
まずアサリを炊きます。
火が通ったらいったん引き揚げます。
鍋の出汁にアサリの味が加わっておいしくなっています。
ここに割り干し大根を入れて、じわじわっと炊いていきます。
沸騰したら弱火です。時間かかりますよ。まず2時間は覚悟してください。
出汁が減ったらどんどん足します。
そろそろかなと思ったら、ちょっと食べてみて
大根が柔らかくなっていればさっきのアサリを鍋に戻します。
アサリをもどしたら火を強くして手早く煮詰めます。
鍋の底に汁が少し残っているくらいで出来上がりです。
私は煮詰めている段階でチリメンジャコを入れました。

この割り干し大根とアサリは本当においしくておいしくて
他にお菜はいらないわってくらいでした。
ただ残念なことに割り干し大根を1袋(1本分)しか買わなかったのです。
近所のスーパーでさがしても売ってないし、
いや、売ってはいるのですが、四つ割りではなく八つ割りで細いです。
やっぱりあの四つ割りのダイナミズムがおいしいんですね。
いまからでも山梨に買いに行きたいぞ。

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昆布と油揚げ

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たとえば、おでんをつくると大量の昆布が出汁ガラになりますね。
こいつを捨てるのが勿体ないという良心がはたらくときに
油揚げを1枚買ってきます。
まず昆布を細切りに。
切りにくいです。がんばりましょう。
切ったら酒をちょっと入れた出汁で煮はじめます。
煮詰まる前に何度も出汁を足します。
私は利尻の昆布を使うのですが、
肉厚で、最初はツンツンと固いです。
でも、とろ火でじわじわと長い時間煮ていると
昆布の性が抜けてぐったりと柔らかくなりますから
ここで細切りにした油揚げを入れて醤油で味をつけます。

ふたたびじわじわと煮て、
味がしみて煮汁が少なくなったら出来上がりです。
本当にしょうもない地味なおかずですが
わりとおいしいものですよ。

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炒りコンニャク

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コンニャクを炒って醤油をジュッとかけまわしただけのものです。
とても簡単ですが、いくつかのルールがあります。

まず、コンニャクは手でちぎること。
手でちぎると断面がギザギザするので味がしみやすいのです。
油は胡麻油が香ばしくていいと思います。

親指の先くらいにちぎったコンニャクを胡麻油で炒めます。
フライパンじゃないです、厚手の鍋を使ってください。
フライパンだと炒めものになってしまいそうです。

私はアルミの鍋を使っています。
おでんで半分使ったコンニャクの残りでこれをつくるときは
直径15センチくらいのアルミのやっとこ鍋を使います。
1枚のときは15センチでもいいし、21センチでもいい、
そのとき空いている鍋を使います。
鍋の厚みはどうだろう、3ミリくらいはあるのかなあ。
「やっとこ鍋」ですから取っ手がありません。
「やっとこ」で鍋の縁を挟んで扱います。

さて、鍋を火にかけて胡麻油を熱します。
このときの胡麻油は、炒め物の油ではなく調味料という考えです。
コンニャクが油でテカるほど入れるのは言語道断です。
あくまでもケチケチでお願いしますね。
さあ、コンニャクを入れます。
じゅうぅぅぅぅぅ〜〜、じゃあぁぁぁあああ〜〜!!!
すごい音がしますよ。煙も立ちます。煙というより水蒸気と思いますが。
下茹でしてあろうと下茹でをサボろうと、
じゅうじゅうじゃあじゃあはそんなに変わりませんね。
めげずに鍋をゆすり、ざっと箸で混ぜます。
まぜるのはときどきでいいですよ。
コンニャクに火傷させるのが目的なので、
しばらく鍋底にひっついてじっとしていてもらいます。
じゅううぅぅぅぅぅうう〜〜、じゃあぁぁぁぁぁああああ〜〜っ
もお〜〜っ、うるさいぞ、コンニャク野郎。
下茹でしてあるんですけどね。しかも、
「下茹では水から茹でると水分の抜けが多く歯触りが良くなる」って
どこかに書いてあったと思うけど、水から茹でてもこれですからね。

じゅうじゅうじゃあじゃあを我慢していると
コンニャクはさらに水分が抜けて小さくなります。
その頃には表面に火傷もしているのではないでしょうか。
そうなると、なぜかあの賑やかだったじゅうじゅうじゃあじゃあも
少し静かになっています。
よし、ここだ。醤油を差します。
じゅぅぅぅぅうううううっ…またかよ。
醤油を差したら、鍋をゆすってちょいと混ぜてやって、
最後に何かピリッとしたものを振りたいですね。
黒胡椒、山椒、一味、七味、チャイニーズペッパー、
何でもいいですから振ってください。
実にやかましかった炒りコンニャクの完成です。

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大根葉とじゃこ

買った大根に葉っぱがついていたらラッキーです。
さっそくつくってください。
大根とちりめんじゃこ炒めです。
葉っぱのついている大根がなくてもつくりたいときは
大根の間引き菜を買います。
私は徳島出身ですが、秋になると大根の間引き菜が出まわって
これを「おねば」と呼んでいました。
大根の「大」で「おお」です。「根」が「ね」だから
「おおねば」が「おねば」になったんですね。
古い日本語です。
古事記あたりまでさかのぼる日本語です。
下の写真が「おねば」です。
スーパーで売ってますが、その場合は「大根葉」を
たぶん「だいこんば」と読むのではないでしょうか。
下の写真が大根の間引き菜、大根葉です。

さて、大根葉を切ります。
間引き菜のときは根っこもざくざくと刻んで使います。
大根についていた葉っぱのときは葉っぱを縦横に刻みます。
大根の葉は意外と広いので
横に刻んだだけだと、箸でつまんだときに
びろ〜んとなりがちです。
刻んだら、中華鍋を熱々にしておいて胡麻油を入れて
鍋肌にくるんとなじませたら、大根葉をイッキに入れます。
ジャーッともの凄い音がしますが、大丈夫です。
大根葉からすぐに水分が出ますから焦げたりしません。
むしろ、この水分を飛ばすのがたいへんなのですよ。

ともかくジャージャージャージャーと
強気の強火で炒めまくります。
あらかた水分が飛んだら、考えていた7割くらいの醤油を差します。
ああ〜、醤油の塩分でまた大根葉から水が出た〜。
そうなんですよ、めげずにまたジャージャーがんばります。
そしてちりめんじゃこを入れて混ぜて、残りの醤油を入れて
ひとわたりジャージャーやって、出来上がりです。
醤油の分量なんて適当でいいです。味見をすればいいんです。
お好みで黒コショウ、中国山椒、唐辛子など振ります。
胡麻でもいいです。
これに使うちりめんじゃこは関西風のよく干した固いやつです。
フニャフニャの柔らかいのではありません。
そして、もし万一ひょっとして
ジャージャーやってもあまり水分が出なかったら、
大根葉がやわらかくなるまでジャージャーできないほど
水気がなかった場合はですよ、酒でも何でも足してください。

そして、ひとり暮らしで中華鍋なんかないわ、というときは
厚手の鍋なら何でもいいです。
私も昔は中華鍋のかわりにアルミの厚手鍋を使っていました。

これは簡単でたいへんおいしいお総菜です。
もちろん酒の肴にも良いものです。

それからですね、葉つきの大根を買ったら
すぐに葉っぱを切り落としてください。
葉をつけておくと大根本体からどんどん水分が抜けます。
そして、元気だった葉っぱがぐったりしてしまったときは
深水につけておくとまた元気になります。
深水ってわかるかな。
深めのボールに水を張って、根に近い部分を下にしてつけます。
あ、その前に葉っぱ全体に水をかけてやってくださいね。

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