割り干し大根とアサリ

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山梨県の北杜市の道の駅で割り干し大根を買いました。
割り干し大根というのは1本を四つ割りにして干した大根です。
干し上がるまでに時間もかかりそうですが、
もどして柔らかくするのも時間がかかります。
前の晩から水に浸けておきます。

ヒジキや干し大根、ワカメもそうですが
乾物をもどすときの水の量は多すぎず少なすぎず、
完全にもどったときに水が少し残るくらいにしたいです。
柔らかくなった割り干し大根がボールの中で
まだプカプカと浮いているようでは困ります。
このもどし汁も出汁の一部として使うんですよ。
だからね、大量の水でもどすと出汁も大根本体の味も薄まります。

さて、うまくもどせたら適当に切ります。
薄く切ります。
これを炊くわけですが、切り干し大根なら油揚げと炊くのが定番で、
それはそれでおいしいお惣菜なのですが
今回はご馳走にしてみたかったのでアサリの剥き身を入れました。

出汁と割り干し大根のもどし汁を鍋に入れて
まずアサリを炊きます。
火が通ったらいったん引き揚げます。
鍋の出汁にアサリの味が加わっておいしくなっています。
ここに割り干し大根を入れて、じわじわっと炊いていきます。
沸騰したら弱火です。時間かかりますよ。まず2時間は覚悟してください。
出汁が減ったらどんどん足します。
そろそろかなと思ったら、ちょっと食べてみて
大根が柔らかくなっていればさっきのアサリを鍋に戻します。
アサリをもどしたら火を強くして手早く煮詰めます。
鍋の底に汁が少し残っているくらいで出来上がりです。
私は煮詰めている段階でチリメンジャコを入れました。

この割り干し大根とアサリは本当においしくておいしくて
他にお菜はいらないわってくらいでした。
ただ残念なことに割り干し大根を1袋(1本分)しか買わなかったのです。
近所のスーパーでさがしても売ってないし、
いや、売ってはいるのですが、四つ割りではなく八つ割りで細いです。
やっぱりあの四つ割りのダイナミズムがおいしいんですね。
いまからでも山梨に買いに行きたいぞ。

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昆布と油揚げ

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たとえば、おでんをつくると大量の昆布が出汁ガラになりますね。
こいつを捨てるのが勿体ないという良心がはたらくときに
油揚げを1枚買ってきます。
まず昆布を細切りに。
切りにくいです。がんばりましょう。
切ったら酒をちょっと入れた出汁で煮はじめます。
煮詰まる前に何度も出汁を足します。
私は利尻の昆布を使うのですが、
肉厚で、最初はツンツンと固いです。
でも、とろ火でじわじわと長い時間煮ていると
昆布の性が抜けてぐったりと柔らかくなりますから
ここで細切りにした油揚げを入れて醤油で味をつけます。

ふたたびじわじわと煮て、
味がしみて煮汁が少なくなったら出来上がりです。
本当にしょうもない地味なおかずですが
わりとおいしいものですよ。

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炒りコンニャク

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コンニャクを炒って醤油をジュッとかけまわしただけのものです。
とても簡単ですが、いくつかのルールがあります。

まず、コンニャクは手でちぎること。
手でちぎると断面がギザギザするので味がしみやすいのです。
油は胡麻油が香ばしくていいと思います。

親指の先くらいにちぎったコンニャクを胡麻油で炒めます。
フライパンじゃないです、厚手の鍋を使ってください。
フライパンだと炒めものになってしまいそうです。

私はアルミの鍋を使っています。
おでんで半分使ったコンニャクの残りでこれをつくるときは
直径15センチくらいのアルミのやっとこ鍋を使います。
1枚のときは15センチでもいいし、21センチでもいい、
そのとき空いている鍋を使います。
鍋の厚みはどうだろう、3ミリくらいはあるのかなあ。
「やっとこ鍋」ですから取っ手がありません。
「やっとこ」で鍋の縁を挟んで扱います。

さて、鍋を火にかけて胡麻油を熱します。
このときの胡麻油は、炒め物の油ではなく調味料という考えです。
コンニャクが油でテカるほど入れるのは言語道断です。
あくまでもケチケチでお願いしますね。
さあ、コンニャクを入れます。
じゅうぅぅぅぅぅ〜〜、じゃあぁぁぁあああ〜〜!!!
すごい音がしますよ。煙も立ちます。煙というより水蒸気と思いますが。
下茹でしてあろうと下茹でをサボろうと、
じゅうじゅうじゃあじゃあはそんなに変わりませんね。
めげずに鍋をゆすり、ざっと箸で混ぜます。
まぜるのはときどきでいいですよ。
コンニャクに火傷させるのが目的なので、
しばらく鍋底にひっついてじっとしていてもらいます。
じゅううぅぅぅぅぅうう〜〜、じゃあぁぁぁぁぁああああ〜〜っ
もお〜〜っ、うるさいぞ、コンニャク野郎。
下茹でしてあるんですけどね。しかも、
「下茹では水から茹でると水分の抜けが多く歯触りが良くなる」って
どこかに書いてあったと思うけど、水から茹でてもこれですからね。

じゅうじゅうじゃあじゃあを我慢していると
コンニャクはさらに水分が抜けて小さくなります。
その頃には表面に火傷もしているのではないでしょうか。
そうなると、なぜかあの賑やかだったじゅうじゅうじゃあじゃあも
少し静かになっています。
よし、ここだ。醤油を差します。
じゅぅぅぅぅうううううっ…またかよ。
醤油を差したら、鍋をゆすってちょいと混ぜてやって、
最後に何かピリッとしたものを振りたいですね。
黒胡椒、山椒、一味、七味、チャイニーズペッパー、
何でもいいですから振ってください。
実にやかましかった炒りコンニャクの完成です。

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面倒くさくつくるとおいしい炒り豆腐

簡単につくろうとすると木綿豆腐を崩しながら胡麻油で炒って
適当にパラパラ細かくなって水分が飛んだら卵を入れてさらに炒って
仕上げに細かいカツオブシを混ぜ込むと出来上がる。
あ、適当に水分が飛んだところで塩と醤油で味つけします。
これが簡単な炒り豆腐です。

ところがですね、面倒なつくりかたがあります。
どっちにしろ豆腐は水切りしないです、
これだけは面倒なんですよね、私は。
なんででしょうか。

さて、面倒な炒り豆腐はまず具を炊きます。
バラ寿司の要領ですね。あんなに多種類は必要ありませんが
細かく刻んで出汁と薄口醤油で炊きます。
今回は人参とインゲンを炊きました。
バラ寿司のときなら、人参は人参、インゲンはインゲンで
別々に炊きますが、今回は一緒でいいでしょう。
気軽なお総菜ですしね。
挽肉を…とチラッと考えましたがやめました。
挽肉はダンゴになりやすいので、
ここに入れようとすると、まず「そぼろ」というものに
しなければなりません。
さらに面倒ですね、やめましょう。

さて、人参とインゲンが炊き上がりました。
そしたらさっき書いたみたいに木綿豆腐を崩しながら胡麻油で炒って
パラパラと細かくなって水分が飛んだら
炊いた人参とインゲンを入れます。
ここでまた汁気が増えるのでさらに炒ります。
それから卵を割り入れて、
またパラパラになったらカツオブシです。
このカツオブシが最後の水分を吸ってくれます。
なるたけ細かく削ったものを使ってください。
はじめてから出来上がるまでずっと火にかけっぱなしです。
卵ですが、豆腐の大きさが違うじゃないですか、
だから1個か2個か、あなたの豆腐を見ないと言えないです。
そのへんはもう、気合いで決めてください。
多すぎてまずくなることはないです。
なにかもう一品欲しいときにいいもんですよ、これ。

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ウドの葉や皮のキンピラ

山ウドの葉や皮のキンピラです(上の写真)
よく思うのですが、山で今朝採ったウドだよというものを出されると
葉も皮も残さずまるごと食べてしまうわけですよ。
そうやって15センチから20センチくらいのウド1本と味噌で
ずいぶんと酒を飲むわけですが(下の写真)

ところが東京で買うとウドそのものが大きいですし
どうも皮まで食べる気がしない…
まあ、ウドは分厚く皮をむけと教えられていますから分厚く剥きます。
葉っぱも食べません。しかし勿体ないんです。
そこである日、キンピラにしてみたのですよ。
なんだ、うまいじゃん。

ずいぶんうまいもので、ついにまるごと1本、
キンピラにするためにウドを買うこともあるという
主客転倒のありさまになりました。

軸の部分は縦に割ってから斜めに切って、葉も適当に切って
ごま油で炒めて、ほどよきときに醤油をかけまわすだけです。
仕上げに一味か七味、胡椒でもいいですしチャイニーズペッパーでもいいです、
ピリッとするものを何か振っておくといいと思います。
ゴボウのキンピラより簡単です。
あいつはササガキが面倒ですもんね。

さて、スーパーで売っているウドを1本買って
根元の白い部分を酢味噌で食べるとしますね。
そして皮と葉っぱはキンピラに…でもちょっと量が足りないですか?
こういうものはひと口あればいいんですけどね。
そうですか、では増量作戦を展開しましょうか。

そういうときは、もう一品、野菜のオカズをアスパラガスにしましょう。
アスパラガスはポキポキと折れる部分から折って先の部分を使いますよね。
残った根元は筋張って固いので使いません。
がっ、この根元が大事なのですよ。
こいつも斜めに切ってウドの皮と葉と一緒に炒めてキンピラにします。
これで量が増えました。
アスパラガスの根元だけでもやってみてくださいね、
うまいですから捨てないで。
なんでもキンピラ作戦はいいものですよ。

(下の写真は山から届いたウドとその下の葉はウルイ)

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小さな新じゃがの炒め煮

ピンポン玉くらいの新じゃがです。
1袋が500gで売っています。
それをですね、ふたつみっつ買ってきます。
1kgから1.5kgをいっぺんにつくります。
2kgでもいいんです。
たくさんつくってもすぐに消えます、胃袋に。

買って来たら洗うのですが、
たぶんここで面倒だと思う人がいるでしょう。
この初歩段階の挫折を防ぐためにいい方法を考えておきました。
下の写真を見てください。
水を入れたボールにじゃがいもを何度かに分けて入れ、
亀の子タワシを突っ込んで上下左右に動かすと
あら〜、ちゃんと洗えるではないですか。
面倒じゃない人はひとつひとつ丁寧に洗ってもいいんですよ。
私は止めやしませんから。

ここで注意すべきことは「皮をむくのではない」ということです。
皮ごと炒め煮にするから煮くずれないのです。
金属タワシでゴシゴシやってはいけません。
皮がむけてしまいますからね。
土が落ちればいいのですから亀の子タワシを使ってください。
それでもチラホラ皮がはがれますが、まあそのくらいは気にしない。

上の写真は洗って水切りをした新じゃがです。
油がはねても怖くない人は洗って即ジャーーーッとやってもいいですが…
かなり派手なことになりますね、うん。

さて、炒めにかかるのですが
このときの油をですね、私はベーコンの脂を使っています。
カリカリベーコンをつくるとき、フライパンに驚くほどの脂がたまります。
これを瓶に取っておくのですね。
鶏皮のバリバリをつくったときの脂でもいいです。
こういう脂を使うと味が出ますよね。
なにもなければ普段使っている油でいいんですよ、もちろん。

じゃがいもがいっぺんに入るくらい大きい、厚手の鍋で炒めます(上の写真)
炒めるといってもじゃがいもと油がほどよく馴染めばいいので
この段階でじゃがいもを柔らかくしようなんて
大それた構想を抱かないでください。
炒める時間ですか?
じゃがいもの量、鍋の大きさ厚さで違うと思うんですが
これをつくったときは、じゃがいも1.5kgで腹時計で10分くらいかな。
ちゃんと測ったことないもんで、すみません。
炒めたら出汁を入れて酒を入れて、
酒は無理に入れなくてもいいですが、
とにかくひたひたくらいに出汁を入れて醤油を入れて
出汁が減ったら足すというのを2、3回繰り返しながら弱火で煮て、
最後に煮詰めます。
煮る時間ですか、まあ2時間くらいは煮ることになるでしょうか。
ときどきかきまわしたり鍋をゆすったり世話をしてください。

最後は煮汁が底に少したまるくらいに減って、ねっとりしてきます。
ここで火を強くして鍋をゆすって
コロコロとじゃがいもをころがして(上の写真)
はい、これで出来上がり。
強火で手早く煮詰めるというのもありますが、
じわじわ長い時間かけて煮たものは傷みにくいですし
皮に保護されているはずの新じゃがなのに
なんとはなしに味がしみていておいしいです。

丸揚げの新じゃがもそうですが、この炒め煮も
大鉢に盛ってテーブルに出しておくといつしか消滅しています。
通りかかったついでにひょいひょい食べてしまうんですね。
ポテトチップスを買うよりも安くてうまくて量がありますし
おやつの代わりにいかがでしょうか。

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