宗形英作 2011年12月23日

初雪が降ったら

         ストーリー 宗形英作
            出演 森田成一

初雪が降ったら、と少年は空を見上げた。
初雪が降ったら、初雪が降ったら、告白をしよう。
少年は空を見上げたまま、憧れの人を想った。

なぜ告白という言葉を使ったのだろう。
なぜ初雪の日を思い浮かべたのだろう。
なぜ初雪という一年に一度の時に、告白を、と思ったのだろう。
少年は、とても初々しい気持ちになっていた。
少年は、初雪と告白、この二つの言葉に相性のよさを感じていた。

水分が結晶となって、そして雪になる。
もとあるものが、形を変える。別のものになる。
液体が固体になる。透明が白色となる。
掴みどころのないものが、手の中にしっかりと握りしめることができるものになる。
その変化、変容、変幻を望んだのかもしれない、と少年は思う。
告白することによって、明日が変わるかもしれない。
今の自分とは違った自分に会えるかもしれない。
少年は、その思いに満足しながら、再び空を見上げた。

果たして、少年が決意してから一か月、雪が降ることはなかった。
少年は、告白の文面を考え、手直しをし、そのために長くなってしまった文面を削り、
削ったことで言葉足らずになった文面に言葉を足した。
少年は、何度も何度も言葉探しの旅に出かけて行った。
そして、初雪が降った。
しかし、手直しに手直しを重ねるばかりで、告白文は未完成のままだった。
少年は、告白の、最初の機会を失った。

そして、2年目の冬が来た。
明日の朝方には、今年初めての雪が降るでしょう。
少年は、その夜長いこと星のない空を見上げていた。
闇に包まれながらも、空は凛として透明な気配を漂わせていた。
息は白く、頬は張りつめ、手は凍てついて、しかし心は熱かった。
そして翌日、少年は高熱を出し、医者から外出を禁止された。
予報通り、その年の初雪は降り、少年は暖房の効いた部屋の窓から、
ひらひらと舞い落ちる雪を眺めていた。
少年は、またも告白の機会を失った。

そして、3年目の冬が来た。
町から色を奪うように、雪がしんしんと降り注いでいる。その年の初雪だった。
少年は、憧れの人へ電話をかけた。すっかり暗記している数字を震える手で押した。
憧れの人をコールする、その音が波打つように揺れていた。
留守録に切り替わることを覚悟したとき、彼女の声が揺れながら届いた。
ごめんなさい、気づかなくて。少年の喉が渇いた。
今日会いたいのだけれど。少年は渇きを鎮めるように喉を鳴らした。
ごめんなさい、今ね。と一度区切ってから、南の島の名が聞こえてきた。
その年の初雪が降った日、憧れの人は日本にはいなかった。
少年は、降り注いでくる雪を見上げながら、電話を切った。
少年は、またしても告白の機会を失い、
その翌年、憧れの人が遠い地へと引越していくのを遠くから見送った。

そしてまた、その季節がやってきた。
少年はもう諦めかけていた。自分には運がないのだと。
冬が来ても、天気予報が寒さを告げても、少年はこころを動かさなかった。
初雪という言葉も告白という言葉も遠くなっていくことを感じた。

そしてその日がやってきた。
目覚めると、そこは一面の雪だった。
一晩で積もるほどの雪が、その年の初雪だった。
少年は、その初雪にこころの奥に仕舞ったはずの言葉が浮き上がってくるのを感じた。
告白しなければ。
憧れの人を想い、会いたいと思い、伝えたいと思った。
伝えたい、その逸る気持ちを抱えながら、
しかし少年は、数日の間じっとこころの中と向き合っていた。

初雪。
年に一度の機会に賭ける、その愚かさに少年は気付いた。
初雪と告白。
そのふたつを関連づけることで、わざと可能性を小さなものにしてしまった。
少年は、そのことに気が付いた。
勇気のない、臆病な自分を正当化するために、
初雪が降ったら、と自分への言い訳を用意していたのではないか。
告白できない自分のふがいなさを隠そうとしていたのではないか。

少年は、思った。
初雪が降ったら、告白しよう、ではなく、
ただ一言、告白しよう、その一言で十分だと。

少年は、遠い地に暮らす憧れの人を目指して、列車に乗った。
いくつもの駅を過ぎ、いくつかのターミナルで乗り換え、
山を、谷を、川を、町を、村を越えて、そして憧れの人の住む駅に着く。
ゆっくりと列車の扉が開く。風がひんやりと頬を過ぎた。
ホームで待っているから。憧れの人は、遠目にもその人だと分かった。
少年は一度立ち止まってから、一歩一歩確かめるように憧れの人へと向かった。
こんにちは。こんにちは。
憧れの人がほほ笑んだ。少年の固い口元にも微笑みが浮かんだ。
あ、雪よ。憧れの人が言った。あ、雪だ。少年がつぶやいた。
憧れの人だけを見つめて、少年は雪の気配に気づかなかった。
初雪よ。憧れの人がささやいた。初雪か。少年は心の中でささやいた。

出演者情報:森田成一 03-3479-1791 青二プロダクション

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繊細で強力な腹筋(収録記 2011.11.23の4)

2011年11月23日といえばもう1ヶ月ほど前になります。
12月掲載分のTokyo Copywriters’ Street の収録をしていたこの日、
なんと5人めの森田成一くんを録り終わったとき
私はやっと「あ、写真をまったく撮っていない!」と気づいたのでした。

あわてて撮りました。まずミキサーの森田とその周辺の風景を1枚、
そして森田成一くんその人を1枚。
ふたり森田です。まぎらわしいです、
もう何年も前にスタジオでふたり森田だねえと言ったとき
ミキサーの森田は「僕のこと森田さんと呼んでもいいですよ」と申し出ましたが
いままでスタッフということで呼び捨てであったものを
いまさら「さん」づけするのは我ながら不気味でしたのでやめました。
いまでもミキサー森田は「森田」と呼び捨て、ナレーター森田は「森田くん」です。

話が脇へそれましたが、森田くんの原稿はおそろしく長い原稿でした。
ワードをA4に印刷して確か6枚くらいありました。
その原稿が要求することはふたつありました。
まず繊細であること、そして長い原稿をゆっくり読むための腹筋力です。
さらにいえば、少年の面影を宿していてもらいたい…
この条件を満たすのは私の知る限りたったひとりしかいません。
それが森田成一くんでした。

しかし森田くんは売れっ子で忙しい人です。
ご存じのようにTokyo Copywriters’ Street は0円ですから
ナレーターもボランティアで来ていただかねばなりません。
原稿の執筆者である宗形英作さんは原稿を短くしようかと申し出てくださいましたが
「繊細な腹筋が捕獲できれば原稿はこのままで」とお答えしておきました。
もし森田くんが読んでくれるなら、
長い原稿はファンにとってもうれしいと思ったのです。

幸い、本当に幸いでしたが
スケジュールも空いており、森田くんから「ぜひ」と返事をいただきました。
こうなりゃこっちのもんです。仕上がったも同然です。
ええまあ、仕上がったも同然とご気楽なのは私だけです。
私は腹筋使いませんから。

腹筋を使わず浮遊している私にひきかえ
森田くんは空手と剣道で鍛えた腹筋で落ち着き払って椅子に沈んでいます。
まったく身じろぎしません。後で計ったら13分です。
13分読むだけでもえらいことなんですが
集中力、緊張感を保ちながらですからものすごい体力です。
そうなんです、声は肉体です。
ウソだと思ったらやってみてください。
声を出して読むと私は2分以内で息切れします。あなたもきっと同じです。

このとき収録した「初雪が降ったら」の公開は12月23日です。
イブの前夜です。クリスマスのちょっとだけ前にピッタリな内容です。
その夜になったらが下のリンクから聴くことができます。
http://www.01-radio.com/tcs/archives/20279

そんなわけで、Tokyo Copywriters’ Street 始まって以来の長編を
難なく(と思えましたが)読んでくれた森田成一くん、ありがとう。
これに懲りずにまた読みに来てくださいね(なかやま)

森田成一:http://www.aoni.co.jp/actor/ma/morita-masakazu.html
森田成一Twitter:http://twitter.com/#!/edokko_dey/

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宗形英作 2011年3月20日



都会の野原    

          ストーリー 宗形英作
             出演 森田成一

あなたは知っていますか?
あなたが今いるところが、野原だったことを。

あなたは想像できますか?
あなたが今暮らしているところが、野原だったことを。

かつてそこは空と雲と野原しかなかった。
あるいは、月と星と野原しかなかった。

50年前のことなのか、
100年前のことなのか、
300年前なのか、500年前なのか。
あるいは1000年も前のことなのか。
もっともっと前のことなのか。

なだらかで、風通しがよくて、見晴らしのいい、
その野原に一軒の家が建った。
ほんの小さな一軒の家ではあったけれど、
その家から少し離れたところにまた一軒の家が建ち、
それが十軒になり、百軒になり、千軒になり、家々が綱なり、
野原は村になり、町になった。

野原の面影を残していた村は、屋根の連なる町になり、
水平に広がっていった町は、縦に縦にと伸び始めた。
高層のビルが立ち、その高さを競うようにビルの隣にビルが立ち、
ビルとビルの間には陽のあたらない場所が出来た。
野原は村になり、町になり、そして都会になった。

ずっと昔々から、
その都会は都会であったかのように佇んでいる。
そこであなたは暮らしている。

都会で暮らすということは、
そこが野原であったことを忘れるということかもしれない。
もはや野原を思い出すこともできないということは
ようやく都会になったということかもしれない。

だからこそ、ほんの少しだけ思い出してみよう。
あなたが今いるところ、そこが野原だったことを。
ほんの少しだけイメージしてみよう。
あなたが今暮らすところ、そこが野原だったことを。

あなたの野原はどんな野原だろう。
あなたの野原はどんな季節の野原だろう。
あなたの野原はどこの野原に似ているのだろう。

陽は東にあるのか西にあるのか。
風は南から吹いているのか北から吹いているのか。
草の高さは足首までか膝上までか。

野原にはいろんなものが潜んでいる。
野原にはいろんなものが混じり合っている。

蝶がいて、トンボがいて、
カマキリがいて、トカゲがいて、
クモがいて、てんとう虫がいて、
赤があって、緑があって、
黄色があって、紫があって、
知っているものがあって、知らないものがあって、
光があって、影があって、
そして、どれもみんな動いている。

野原であなたはきれいに出会い、
野原であなたは不気味に出会い、
野原であなたは心地よいに出会い、
野原であなたは怖いに出会い、
野原であなたは子供のころに出会う。

目は近くも遠くも見つめている。
耳は360度の音に神経を使っている。
皮膚はささいなことにも繊細になっている。
そしてなにより、あなたの動きがゆっくりになっている。

生きるということは急がないということなのだ、
そんなことに改めて気づいたりする。
生きるということはいろんな生きると出会うことなのだ、
そんなことに改めて気づいたりする。

もしもあなたが疲れていたら、
あなたが今いるところが野原だったということを思い出してみよう。
もしもあなたが眠れなかったら、
あなたが今寝ているところが野原だったということを思い出してみよう。

野原はきっとあなたを大切に迎えてくれる。
野原はきっとあなたを大きく包んでくれる。
都会に住むひとにこそ野原は必要なものだから。
そしてなにより野原はあなた自身なのだから。

出演者情報:森田成一 03-3479-1791 青二プロダクション

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森田成一から「ひと言」



『タダより高いモノはない』

タダである。
つまりノーギャラである。

好評であった東京コピーライターズストリート。
ラジオでの放送は惜しまれつつ
終了してしまったが、
コンテンツ自体はこうして残った。
良質なコンテンツであったことの証である。

しかしながら、金はない。
スポンサードがないのだから致し方ない。
だがこうして続いている。
つまりは、中山さんのお声掛けによる
有志の集まりであるということだ。
良質なコンテンツであることの証明である。

私も今回、遅まきながらその列に加えて戴いた。
とても光栄に思っている。本当に嬉しい。

昨今の世は、
兎にも角にも高速度であり、煩雑だ。
もはや人間的な理解を必要とされず、
微生物的な反射のみで事象を流すことが、
今や美徳にすらなっている。
故に、人様の創り出す諸々のそれは、
あまりに無機質で怠惰で矮小だ。
そうした世の中にこそ、
こういうコンテンツが不可欠なのである。

日々、世の中の早い速度に流れがちな
ちょっとした感覚を、
日々、右耳から左耳に流れがちな
いつもの「言葉」を、
刹那もなおざりにせず注意深く聴き入ってみる。
我々創り手も、スポンサーの無い、
つまりは縛りの無い自由な場所で、
自由に感覚を研ぎ澄ませ、
自由に言葉を紡ぎ出す。
しかもそれをゆっくりと。
本当の時間の流れのようにゆっくりと。

ほんの10分程度の心象散歩。
じっくり味わっていきたいと思う。

森田成一 Twitter:
http://twitter.com/edokko_dey

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安藤隆 2010年8月8日



はじめの二人

ストーリー 安藤 隆
出演 森田成一

ママは毎日、僕を見て嘆くのだ。
「お前のその忌まわしい色は、治らないのかねえ」と。
魚である僕らは、首をのばして自分の体を見ることができない。
だから自分ではわからないけど、ママに言わせれば、
僕だけがとつぜん変な色で生まれたらしい。
仲間たちはこの池の環境と同じ色をしている。つまり泥水の灰色をしている。
それは調和のとれた上品な色で、
雄が、そこだけ白い雄大な腹を、泥の中で見せびらかすさまは、
とてもセクシーなのよ、とママは急に小声になる。
それなのにあんたの色ときたら! ママの遺伝と思われたらどうするの。
「だから外にはぜったい出ないで!」最後はいつもそれだった。
でも僕は言いつけを破って、こっそり外出していた。
仲間は僕を見ると避けた。あわれんだり、気味悪がったりした。
僕はほんとにひどいルックスらしい。

ある日、いつもより遠出をしたとき、
僕ははじめて、自分がどんな色をしているか知った。
泥水の暗がりから、とつぜん、金色に輝く仲間が現れた。
この色だ! とピンときた。
しかし、問題がふたつあった。ひとつはその色が、意外にきれいだったこと。
もうひとつは、その仲間というのが雌だったことだ。
僕らはこわごわ、お互いを眺めた。相手も、僕と同じことを考えているのがわかった。
「名前をきいてもいい?」
「ホンホンよ」
「赤い、という意味だね。僕はジンジン」
「金色という意味ね」
「君は、自分の体の色のことを、いろいろ言われた?」
「あなたも?」
お互い、話はそれで十分だった。僕には彼女の全部がわかったし、
彼女も僕の全部がわかっただろう。
 僕とホンホンはうれしくて毎日会うようになった。
交わす話も知らず知らず大胆になっていった。
「ホンホン、大きな声じゃ言えないけど、
どう見ても君の方が、仲間の娘よりきれいに思えるんだ」
そして僕は言った。
「ねえ、僕らは、僕らみたいな子供をいっぱい作るべきだと思わないか」
「いま何て言ったの?」
「僕らはこの村を出て、僕らたちの最初の二人として生きるべきだと、言った」
 その言葉は、思いがけず、すぐに実現されることになった。

僕らはたぶん少しはしゃぎすぎたのだろう。
金色に輝くカップルはとにかく目立つ。
ある日、村の長老から、醜いのがダブルでいるのは見るに耐えぬ、という理由で、
二人とも池の向こう側へ追放に処す、と告げられた。
長老の後ろからママが「だから外へ出るなと言ったでしょ!」と叫んだ。

僕は池の反対側へ泳ぎはじめた。反対側には人間が住んでいる。危険な場所だ。
「ホンホン、僕らはもともとこの村を出ようと言ったじゃないか。
 これで良かったんだ」
ホンホンの小さな泣き声がきこえた。
体型的に手では引っ張れないから、僕は先にたって泳ぐしかない。
後ろも振り向けないから、ホンホンがすぐあとについているかどうかわからない。
でもかすかに水を切る音が、後ろから聞こえる。彼女はいる…。
「やっぱり僕らは、僕らみたいな金色の子供を、いっぱい作ろうよ!」僕は言う。
ホンホンの返事はまだ聞こえないけど。

出演者情報:森田成一 03-3479-1791 青二プロダクション

*ライブのHPにも記事があります:http://www.01-radio.com/guild/2010/08/754
*たくさんのアクセスをありがとうございます。
 森田成一くん、応援twitter:http://twitter.com/edokko_dey

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一倉宏 2009年10月1日



僕がピノキオだった頃
                 

ストーリー 一倉宏
出演 森田成一

いつかは 話さなければと思っていた 
僕はほとんど 昔の話 こどもの頃の話をしなかったから 
君はきっと なにか隠してると 感じていたことだろう 
ごめんよ 話そうと思う 今夜は

たったひとりの身内 育ての親がいた 
時計屋をやってる 職人気質のじいさんだった
心配も 迷惑も かけっぱなしだったよ
なにしろ やっと歩けるようになったと思ったら
その足で さっさと家出をしたくらいで 
いやほんと どうしょうもないガキだったんだ 

ずいぶん ヤンチャをやった ワルもやった
その頃は <ピノキオ>っていう名前で呼ばれていたんだ
腕も足も細くて 丸顔に 恥ずかしいほどとがった鼻
脳ミソなんて ないに等しかったから
平気で嘘をついて 誘惑に弱くて すぐにだまされて

学校に払うお金は みんな使っちゃったよ
街が呼ぶんだ あのにぎやかな音と 甘い匂いで
チカチカするネオン 怪しげで おいしげな話
金なんかすぐに増やせる 金さえあればなんとでもなる
「ふしぎな野原に金を埋めておけば 一晩で 金のなる樹に」
なんて話さえ マジに信じてしまうほど 
脳ミソのない人形だったんだよ <ピノキオ>だった僕は 

まわりには まともな人間なんていなかった
ずるがしこい<キツネ>と 口のうまい<ネコ>
だまして おどして 巻き上げて 売り飛ばす
唯一 <コオロギ>だけは ほんとうの友だちだったのに
僕は裏切ってしまった その忠告が うるさかったから

君は こんな話を信じるだろうか
おとぎ話じゃない そして ディズニーの映画でもない
原作は ほんとうの<ピノキオ>の話は
もっと愚かで もっと惨めで もっと恐ろしい話だったんだ
少年時代のこの僕が 体験したように

それから 殺されそうになり 裁判にかけられ 
ますます嘘つきになり 人相が変わり サーカスの見せ物になり
女神のような存在にも会い それでも更生できずに
楽なことばかり求めて ただ遊び暮らし
そして その虚しさと自己嫌悪に 耐えきれなくなった頃

僕はやっと まともな人間になりたいと 心から願い
それを許されたんだ 
最後は クジラの胃袋に呑み込まれたような 絶望の境地で
そして じいさんにも やっと謝ることができた 
泣きじゃくりながら 人間の心で

どうかな 信じてくれるかな
信じられないだろう この 僕自身だって
思い出したくない 悪夢のような あの時代
僕はもう 二度と<ピノキオ>には 戻りたくない
僕はもう ずっとこうして ただの人間でいたいだけ
できれば …君と

嘘だと思うかい?
僕の鼻は のびてるかい?

出演者情報:森田成一 03-3749-1791 青二プロダクション

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動画制作:庄司輝秋


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