Team MOMENT

2022年08月20日

執筆者大友美有紀

Photo by Maurizio Mucciola

美術館・博物館「その数」

その絵はあるとき意志を持ち、
漢字となって姿を残した。

今、ここにあるのは2枚の絵。
猛々しい虎の絵と、身をくねらせる竜の絵である。
それらは「虎」の漢字と「竜」の漢字に姿を変えた。

この成り立ちを聞くと、ふと疑問が浮かんでくる。
虎を目にした人間が、それを描いて、文字ができた、というのはわかる。
しかしその理屈だと、竜を見た人間がいた、ということにならないか。

実際にはワニや蛇だとする主張もあるが、
ここではあえて、古代中国の空には竜が飛んでいたのだ、という考えに
心を遊ばせておくことにしたい。

3000年の昔、絵が文字に変わる一瞬があった。

執筆 大友美有紀

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