Team MOMENT

2023年03月25日

執筆者田中真輝

100年前の世界へ 『そして100年後 の世界へ』

100年前へ、行ってみよう。

イタリア、フィレンツェ近くの農園で、
老人が昼休みに新聞を読んでいる。

ムッソリーニという男がこの国の元首となった
ことを知って、やれやれと頭を振る。

ドイツ、フランクフルトの街角で、
子供たちが遊んでいる。

ある日、突如として紙切れに成り果てた札束を
ブロック代わりに積み上げて。

ロシア、モスクワの小学校で、
男の子がノートを取っている。

先生が黒板に書いた
「ソビエト社会主義共和国連邦」
という言葉を一文字一文字丁寧に書き写す。

中国、古い街、長沙の港。

友人と反日運動に参加した若者が、
港に入ってくる日本海軍の艦船を
不安な表情で眺めている。

アメリカ、ニューヨーク。

証券会社に勤める男が、異常なほどの好景気に
浮かれながらも、こんなことはいつまでも
続かないと、ふと、思う。

日本、東京。

大地震のあとに大火がやってきて、
すべてを燃やし尽くしてしまった。

焼け野原に、煤で着物が真っ黒になった
ひとりの女がしゃがみこんでいる。

そして、やがて、ゆっくりと立ち上がる。

それから100年。

目には見えない大きな流れによって
世界は現在まで運ばれてきた。

その流れは偶然なのか、必然なのか。

ただひとつ確かなことは、
そのとき、その場所にいた人間、
ひとりひとりの生によって、
この100年が紡がれてきたということ。

その時間の先端に、あなたがいるということ。

そして今、あなたは夜空を見上げ
時代の流れに、耳を澄ます。

何も聞こえなくても、あなたは知っている。
いま、自分が何を為すべきなのかを。

あなたは知っている。
あなたが為す、すべてのことが、
100年後の世界につながっていることを。

執筆 田中真輝

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