Team MOMENT

2023年11月25日

執筆者川野康之

photo by Uncle Carl

函館の石川啄木 『鹿ノ子百合』

啄木は函館区立弥生尋常小学校の代用教員になった。
月給は 12円。
児童は1100名を超え、
職員室には15名の職員がおり、そのうち8人が女性教師だった。
この都会の学校は渋民の時よりも啄木にはおもしろくなかったようで、
それよりも「具さに所謂女教員生活を観察したり」と日記に書いている。
「真直に立てる鹿ノ子百合なるべし」
と印象を記した橘智恵子という女性教師に
啄木は惹かれた。
『一握の砂』の「忘れがたき人々二」の章に収められている22首は
すべて橘智恵子を詠んだものである。

 世の中の明るさのみを吸ふごとき
 黒き瞳の
 今も目にあり (石川啄木)

執筆 川野康之

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