Team MOMENT

2023年12月02日

執筆者村山覚

カミソリヒストリー #7

日本人は髭が好きな民族かもしれない。

「古事記」には髭を長くのばしたスサノオノミコトが登場するし、
聖徳太子の時代にも髭はステータスの証だった。
鎌倉、室町の頃には武士だけでなく僧侶や職人も髭をのばし、
髭がない者を臆病者とからかった、という話も残っている。

江戸時代になると幕府は髭禁止令を出した。
武士は4日ごと、町人も7日に1回は頭髪と髭を剃るべし。
明治時代、ちょんまげを切って洋服を着るようになると、
日本中で再び髭ブーム。大正、昭和と時が流れ、
海外との戦争が激化すると、軍人と政治家以外は髭を剃った。

戦後、高度経済成長を牽引したニッポンのサラリーマンは、
毎朝剃る人が多数派。長髪や無精髭は反体制の証だった。
21世紀は職業や年齢に関係なく口髭や顎髭をのばし、
個性溢れるスタイリングを楽しむ人が増えた。

古今東西、長く伸びた髭がステータスシンボルの時もあり、
きれいさっぱり剃ることが求められた時もある。
カミソリは、切れ味の良さと安心感という相反することを
なんとか両立させながら、いまも進化し続けている。

きょうは、安全カミソリの日。

執筆 村山覚

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