Team MOMENT

2024年03月30日

執筆者大友美有紀

川のはじまり 「多摩川水系」

多摩川の源は、山梨県甲州市の笠取山。
奥多摩を流れ、秋川や浅川など支流と一緒になって、
東京の西部から南部へ下っていく。
そして、東京都と神奈川県の都県境を流れて、
東京都大田区で東京湾に出る。
多摩川水系の流域面積は、
東京都の約60%におよぶという。
上流、中流、下流とその表情を変える川だ。

上流は、奥多摩。
多摩川最大の支流と言われる秋川は、
檜原村の三頭山から流れ出て、
拝島で多摩川と合流する
秋川渓谷は、都内から1時間ほどで行行くことができる。
自然豊かな遊び場として、近年人気がある。
キャンプや川遊び、日帰り温泉、
四季折々の山の景色。
桜も見事だ。

多摩川は下るにつれ、川幅は広くなる。
かつては、氾濫することも多かったが、
今は整備され、流れは穏やかだ。
河原には公園やグラウンドも多くなる。
野球やサッカー、草野球を楽しむことができる。
川沿いの道では、散歩やランニング、サイクリング。
周辺に住む人の遊びと憩いの場でもある。
夏には多くの花火大会が開催される。

河口に近づくにつれ、川幅はさらに広く、
流れもより穏やかになっていく。
けれども、ここでも多摩川は「暴れ川」だった。
そのころの名残もある。

河口から2kmほどさかのぼったあたりから
大師橋のたもとまで、
高さ1mにも満たない赤レンガの壁がある。
たび重なる洪水を防ぐため、
関東大震災からの復興のため、
大正末期から昭和にかけて
多摩川改修工事が行われた。
その時建設された、羽田のレンガ堤防。
赤レンガ堤防の呼び名で、今も親しまれている。

赤レンガ堤防を過ぎてすぐ、
多摩川は東京湾に到達する。
羽田空港が見える場所だ。

山で生まれ、平野を横切り、
住宅地で憩いの場を作り、
空へ向かう飛行機を眺めながら、
海へ注ぎ込む。

多摩川の長き旅路を、一度歩んでみたい。

執筆 大友美有紀

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