収録記

ColumnA

古川裕也少年と大川泰樹くん((収録記2012.3.24-5)

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大川泰樹くんが古川裕也少年(この場合の少年は敬称です)の原稿を読むのは
これで3回めになります。
一度めは2010年のライブのときでした。
二度めは去年2011年の4月でした。
そして今回が三度めです。

古川裕也少年の原稿には三重苦があります。
まず長いこと、そして変態であること、
最後に知識がないとわけがわからない名前が登場すること。

古川裕也少年の原稿を読む人がまず気になるのは
まずそこに登場する意味深な名前です。
たとえば去年の4月の原稿に登場する名前はこんなのがありました。
ジョナサン・スウィフト病院(風刺作家)
ミッシェル・フーコー先生(哲学者)
ロラン・バルト先生(批評家)
フェリックス・ガタリ医師(思想家)

今回はこれです。まずは男性の名前から。
ジャン・ピエール
パトリック
ジャン・リュイ
フランソワ
ジャン・クロード
次に女性の名前です。
デルフィーヌ
フランソワーズ
イヴォンヌ
ステファーヌ
ジュリエット

難問ですが、男性の名前は演出家、監督あたりではないかと思います。
女性の名前は女優と解釈できます。
デルフィーヌ・セイリグ(女優)去年マリエンバードで
フランソワーズ・アルヌール(女優)フレンチ・カンカン
またはフランソワーズ・ドルレアック(女優・ドヌーブの姉)
イヴォンヌ・フルノー(女優)哀愁のモンテカルロ
ステファーヌ・オードラン(女優)女鹿
ジュリエット・ピノシュ(女優)ちょっと安易か?

さて、前置きが長くなりましたが
我々にとって重要なのは得体の知れない意味深な名前ですが
読み手にとって重要なのは「長さ」と「変態」です。
長い上にゆっくり読まねばならない原稿です。
ゆっくり読むことで変態性が顕れてくるからです。
腹筋力と体力がいります。実は知性も必要です。
古川少年の原稿はなかなか読める人がいないのです。

古川裕也少年少年と大川泰樹くんの「遺言」は22日に掲載されます。
お楽しみにね(なかやま)

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あのバーテンダーは後閑信吾さん

後閑信吾というバーテンダーがなぜここで話題になるのか、
どこのどういう人なのかという詳細は
平石洋介くんの2012年4月15日掲載のストーリー
ことごとく書かれてあるのでここには書かないけれど
ちょっとだけ補足すると
2012年のバカルディ世界カクテル大会のウイナーだ。
ニューヨーク代表、合衆国代表と勝ち上がり世界大会で優勝した。

彼の働くバーはニューヨークのAngel’s Shareというバーで
外観の写真が欲しいと平石くんに頼んだところ
「隠れ家のようなバーで外観がないんですよ」と返事がきた。
よほどわかりにくい場所にあるのだろう。
ストーリーとともに掲載している動画を見ていただくと
そのバーの付近の風景やバーのなかを見ることができるが
そういえばi入り口やドアらしき写真はなかった。

カクテルコンテスト準決勝のとき
彼は「カクテルの味とテクニックはいいがプレゼンテーションがいまいち」と
審査員にいわれていたそうだ。
そして、もう自分自身でいくしかないとアタマを切り替えた決勝本番、
10分の持ち時間の半分をスピーチに費やしてしまい
危うく時間切れになりそうなピンチを
共に出場していた仲間の(本来はライバルの)助けで切り抜けたが
その「人を動かすパフォーマンス」が評価されたという。

バカルディ・グローバルのブランド大使デービッド・コルドバ氏は
「飾り気のない純真なドリンク、バーテンダーとしての能力、
そして招待客との感動的結びつきなどすべてが信吾であり、
彼はわれわれすべてに涙を誘った」と語っている。

優勝したカクテルは抹茶とラム酒を組み合わせたもので
その写真も動画で見ることができる。
上と下のyoutubeはそのカクテルコンテストのムービーで
カクテルをつくっている場面が下、上は優勝の瞬間(なかやま)

そうそう、こんなyoutubeも発見(下)
カクテルのつくりかたがよくわかります。
あっ、バーのドアも映ってる!

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遠藤守哉の「ニュース」(収録記2012.3.24-4)

遠藤守哉くんがなぜこの日の収録に参加することになったかというと
門田陽さんが原因であったりします。
なぜって、収録の3日前になっても原稿を送って来ないし
連絡もなかったもんですから
とうとう私は門田さんの原稿をあきらめて
自分で1本追加原稿を書いたのです。

門田さんはどうせ送って来ないし、
送ってきてもいまからでは収録不可能だし、
このままそっとしておこう…と思ったのですが
念のために原稿をあきらめましたとメールを送ったら
折り返し原稿が来ました。
なんという間の悪さ。

このタイミングでは収録は絶対に不可能です。
なのですが、なんとその原稿は大川泰樹くんが読める原稿でした。
大川泰樹くんは古川裕也少年(この場合の少年は敬称です)の長い原稿を
読むことになっており
ここに門田さんの原稿をプラスするのは
腹筋力と体力にかなり負担がかかるのはわかっていたのですが
この遅れに遅れた原稿を収録するにはそれしか方法がありませんし
それしかないことがまたベストなキャスティングでもありました。

一方、私の追加原稿は遠藤守哉でキャスティングも出来ており
選曲も終わっています。
おりしもゴールデンウイークは掲載のチャンスが多く
1本増えるのはむしろ歓迎ということでそのまま収録をしました。

4月最後の日の祝日に掲載されるのは「橋のニュース」
ストーリーというよりも本当にニュースです。
遠藤守哉くんは素晴らしくいい声でニュースを読んでくれました(なかやま)

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バンド〜の写真を撮りそこなった(収録記2012.3.24-3)

この日の二番めの収録はバンド〜こと坂東工くんだったのですが
うかうかと写真を撮りそこねてしまいました。
かわりと言っちゃナンですが、門田陽さん(右)です。
ご自分の原稿の収録の立ち会いに見えました。
門田さんの原稿はすでに掲載済みです。
最後の選択」という、ちょっと皮肉なスパイスの効いた
面白いストーリーでした。

さて、バンド〜が読んだストーリーは
現在ニューヨーク在住の平石洋介くんが書いたもので
あるバーのバーテンダーのお話です。
東京から腕を見込まれてニューヨークへ
そしてバカルディのカクテルコンテストにアメリカ代表として出場。
そこで何が起こったかが語られています。

上の写真はそのバーです。
平石くんが送ってくれました。
来週の掲載をお楽しみにね(なかやま)

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トップバッター吉川純広くん(収録記2012.3.24-2)

Tokyo Copywriters’ Street 4月掲載分の収録の日、
トップバッターは吉川純広くんでした。
原稿の執筆者は篠原誠さんです。

篠原さんの原稿は、超清純派の私にとっては
かなりきわどいものでした。
なにしろ生きるという文字の近くに立心偏が存在するだけで
必ず下を向いてしまうほどです。

むっ…誰に読んでもらえばいいかしら。

知る限りにおいて、もっとも暑苦しくなく、軟弱(に見えて)、
かつ植物のような(私にとって)人がいいな。

本人にとっては甚だ不本意な選択のされかたかもしれませんが
そういった基準で来ていただいたのが吉川くんでした。

吉川くんはペンギンプルペイルパイルズという劇団の役者です。
私はときどきラジオCMのナレーションをたのみます。
そういえば、近ごろの吉川くんは
ちょっと覚悟ができてきたのかな、と思うことがありました。

うん、今日は「がんばれ」と心から言ってみようかな(なかやま)

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前日は黒部の太陽で飲んでいた(収録記2012.3.24-1)

前日、というより前夜です。
私は東京国際フォーラムで「黒部の太陽」を見ていました。
3時間半にわたる上映時間(休憩を含む)とはいえ
私は長い映画は決して嫌いではありません。
黒沢だって長いです。アンゲロプロスだって長いです。
「黒部の太陽」が3時間半(休憩含む)あったってまったく気にしません。
長年見たかった映画です。
スプーンの向井社長がコンビニに並んでチケットを取ってくれた映画です。

収録とはまったく関係ないことで長話になろうとしていますが
このスプーンの向井社長こそ、中学時代に「黒部の太陽」を見て
大学の土木科へ進んだという人物です。
進んだ後、土木の才能がないことに気づいた人物です。

2センチの誤差で橋を架けるのはムリだ、
10センチの誤差でトンネルを掘るのは自分にはムリだ…

よくぞ自覚してくれました。
その自覚のおかげで、日本には未だに段差のある橋やトンネルはなく
橋を半分渡ったクルマをリフトで釣り上げてもう半分渡すというような
ややこしい手間もなく済んでいます。
これみな向井社長のおかげです。

さて、そんな土木好きの向井社長と「黒部の太陽」を見たら
どうしても酒を飲みます。
飲みに飲んで、やっと帰宅して
ころがるように布団にもぐった翌日が収録でした。

家を出て、駅前でパンを買って
いつも通り1時間前に会社に着いて、
コーヒーとお茶を淹れてポットに詰めてカップも用意して…
幸いに私は二日酔いをしないので、それだけは助かります。

まあ、なんとか無事に収録ははじまりました。

つづく(なかやま)

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