東北に行こう

tohoku

とうほぐのんまいもの

とうほぐのんまいもの

          文 大友雅子(東北芸術工科大学)
          声 いせゆみこ

「け」
「く」
日本一短い会話。
これを丁寧な標準語にすると
「け」は「めしあがれ」
「く」は「いただきます」
に、なる。

おいしいものがたくさんある東北には、
会話している間にご飯が冷めてしまうような時間が
惜しいのかもしれない。
あたたかいものは、あたたかいうちに。
つめたいものは、つめたいうちに。
おいしいものを語るのに、よけいな言葉はいらないのだ。

「んめ!」

東北へ行こう。


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うらおもて

うらおもて

          文 菅野雅敏(東北芸術工科大学)
          声 吉川純広

僕は、東北が嫌いだ。
自然ばっかりで何もない。友達と遊ぶ場所もない。
窓を開ければ、虫が入ってくるし、
夜外に出ても、明かりの一つもないから真っ暗で何も見えない。

僕は田舎が嫌いだ。夏は暑いし、冬は寒い。
外に出ると、すれ違うご近所さんが挨拶してくる。
子供のはしゃぐ声が元気過ぎてうるさい。

僕は実家が嫌いだ。
東北の田舎にある。
ボロボロだし、歩くとギシギシ音が鳴る。
引き戸の玄関をただいま〜と開けると
母が飛んできて僕の世話を焼く。
あったかい料理が出てくる。
実家の匂いがしみ込んだ布団がある。
静かな夜がある。
酒の用意をして縁側で僕を待つ父が居る。

そんな東北が、田舎が、実家が、
僕はうるさくて、でも大切で、大好きだ。

東北へ行こう


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芋煮鍋

芋煮鍋

          文:秋山祥吾(東北芸術工科大学)
          声:遠藤守哉

山形には芋煮と呼ばれる郷土料理がある
豚汁と似たようなものだが、
山形の芋煮は豚肉ではなく牛肉を使い、
醤油味で仕立てる
そして何より芋煮と呼ばれる所以であるが、
汁の中に里芋を一緒に入れて煮るのだ
ジャガイモでもサツマイモでもない、
里芋でなければ芋煮にはならないのだ。
宮城にも芋煮と呼ばれる料理があるが、
宮城のそれは味噌仕立ての豚肉である
密かに宮城に対して敵対心を持つ山形県民は、
それは芋煮でなくただの豚汁だと思っている

芋煮は秋になると一般的によく食べられるもので、
ごく家庭的な料理である
一人よりも大勢で食べるのがおいしい
澄み切った秋の空の下、
草の上にシートを敷いて食べる芋煮は
格別のおいしさである
大きな鍋に具材を入れて作るので、量が減ってきたら、
うどんを入れたりカレールーを入れるなどして
最後まで芋煮を楽しむ

さらに、山形の芋煮といえば大きなイベントがある
その名も日本一の芋煮会フェスティバルである
巨大な鍋に大量の具材を入れ、
なんとショベルカーを使って煮るのだ
馬美ヶ崎という河川敷に大勢の人が集まって
何万食という芋煮を食べる実に楽しいイベントである

日本一おおがかりで、日本一楽しく
日本一おいしい芋煮を食べに

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私が知っている東北、と

「私が知っている東北、と」

          ストーリー 鉾建真貴子(東北芸術工科大学)
             出演 西尾まり

青森県は母方の実家だ。
行くと方言ばかりで何を喋っているのか分からない
岩手県は小さい頃、旅の帰りに立ち寄った。
でもあまり記憶に残っていない
宮城県はよく遊びに行った。
お金がないとつまらないところだ。
秋田県は彼氏の実家がある。
でもそれだけだ。
山形県はとても住みにくいところ。
夏は暑すぎるし冬は寒すぎる
福島県は育った場所。
今も原発の問題が大きな影響を及ぼす

それが私の知っている東北だった。

青森県に住んでいた友達が出来た。
彼女の話す方言が魅力的に思え、
彼女の話す故郷の姿は自然がとても素敵だった。
岩手県に住んでいた友達が出来た。
被災した彼女は、でも元気いっぱいで
一生懸命岩手県について話してくれる。
いつか、ひっつみやわんこそばを食べに行きたいなあ。

そしてまた宮城県に行った。
食わず嫌いだった松島の牡蠣の味が
忘れられないほど美味しかった。
秋田県出身の彼氏は秋田の街並みが好きらしい。
甘党のくせにハタハタからとれるブリコが美味しいと
教えてくれた。
今度一緒に秋田に行く約束をした。
山形県はさくらんぼなどで有名だが、
実はラーメンの消費率が日本一だと知った。
在学中にどれだけのラーメン屋を回れるかが
密かな楽しみとなっている。

福島県は3地域に分けられそれぞれが違う特徴を持っている。
会津には猪苗代湖があり、中通りは山脈にはさまれ、
浜通りは太平洋に面している。
自然豊かで多彩な魅力を持つのが福島県だ。

私はまだまだ東北を知らない。そして知りたい。
東北へ行こう


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普通をさがしに

「普通を探しに」

          文 小関華奈(東北芸術工科大学)
          声 いせゆみこ

ここに来ると毎日が宝探しだ。

ちょっと外れた日常と普通が待っている。

歩いていれば、なんだかよくわからないけど、
誰かが声をかけてくれる。
はじめましてのおじさんなのに野菜までもらってしまった。
「みんな優しい方ですね」
「いやー、普通だちゃー」
この人たちの普通のおかげで、
僕は初めて丸茄子の漬物なるものを食べた。

それから、空一面に広がる星空。
虫の声を聴きながら、心地よい風を浴びて、
頭上いっぱいに広がる輝きを眺める。
「すごい星ですね!」
「いやー、普通だちゃー」
そうか、普通か。
毎日タダでプラネタリウムか。

冬には白鳥の声で目が覚める。
雪のどっさり積もった庄内に白鳥が真っ白な朝を運んでくる。
「素敵な朝ですね」
「いやー、普通だちゃー」
どうやら、これも普通らしい。
いいなぁ。朝いちばんにきくのが母親の怒号じゃないなんて。

それから、それから

途中で止まってくれちゃう電車も、
月が出ても鬼ごっこを続ける子どもたちも、
鳴きたくなるほどセミの声が似合っちゃう田舎道も….

どんなにおかしなことなのか。
優しいことなのか。羨ましいことなのか。

あの人たちは全然気付いていないから。
教えてあげよう。

東北へいこう。


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庄内エリア:http://www.mokkedano.net/

最上エリア:http://kanko-mogami.jp/

村山エリア:http://yamagatakouiki.jp/

温泉王国:http://yamagata-onsen.org/

置賜エリア:http://oki-tama.jp/

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三つの春(三春)

「三つの春」

       ストーリー 細田佳宏
          出演 岩本幸子

春には三つ、あるのだそうです。

梅の花の咲く春。桃の花の咲く春。そして、桜の咲く春。

普通、春はそんなふうに一歩ずつ近づいてくるのだけれど、
この町には三つの春が同時にやってきます。
福島県三春町(みはるまち)。三つの春と書いて三春。

父は、桜の木を見上げている幼い私に、
この小さな城下町の名前の由来を、そう話してくれました。
今思えばどこまで本当なのかは知りませんが、
何て素敵な名前だろうと私はその時思ったのです。

この三春町には、その名を象徴するように
「三春滝桜」と呼ばれる大きな桜があります。
日本三大桜の中で最後に咲くその巨大な紅枝垂れ桜は、
樹齢千年以上といわれていて、高さは十三メートル。
幹回りは十一メートル。枝張りは二十八メートルもあり、
四方に広がった枝から花が咲く様子は、まるで紅色の滝が流れ落ちるようです。
その美しい花の姿を見るために、
室町時代の殿様は早馬を立てて開花の様子を日々待ちわびたといいます。

私が子どもの頃は、父に連れられて毎年、
馬ならぬ自動車に乗せられて花見渋滞の中、わざわざ滝桜を見に行ったものでした。
駐車場から少し歩いた小高い丘には、桜を間近で見ようと行列に並ぶ人、
お弁当を広げる人、屋台で買ったほうろく焼きをほおばる人。
たくさんの人、人、人。
写真好きな父は難しそうなカメラを構え、
滝桜をバックに私と母の写真ばかり撮っていました。
桜なんて何年経っても、いえこの滝桜はきっと何十年だって変わらないのに
何でわざわざ毎年写真を撮るのだろう、なんて私は思っていたのだけれど。

でも大人になった今、わかる気がします。

この頃はいろいろなことがあり過ぎて滝桜から足が遠のいていたのですが、
今年は、やっと歩けるようになった娘を連れてあの滝桜を見に行こうと思います。
運転係は父ほど写真が上手ではないけれど、父によく似た優しい旦那さんです。

お父さん、もうすぐこの町にも少し遅い春が来ます。
福島の春はこれからです。

福島県三春町:http://www.town.miharu.fukushima.jp/

滝桜:http://www.takizakura.com/

福島の旅:http://www.tif.ne.jp/


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ハナサケニッポン

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