2023年09月17日

執筆者薄景子

Photo by jun.skywalker (enishi hand made cyclecap)

電車のはなし 「鉄道ファン」

日本は鉄道を愛する国。
「鉄オタ」や「鉄ちゃん」といわれる
鉄道ファンが大勢いる。

乗るのが好きな「乗り鉄」
車両や駅の撮影を楽しむ「撮り鉄」
走行音や駅メロを録音する「音鉄」など
趣味嗜好で細分化されている。

ちなみに鉄オタの度合いは鉄分というらしい。
鉄道愛は、心の栄養なのかもしれない。

2023年09月17日

執筆者薄景子

電車のはなし 「地下鉄の父」

「地下鉄の父」、早川徳次(のりつぐ)。
ロンドンの地下鉄に感銘をうけ
1927年、日本初の地下鉄を上野・浅草間に開業する。

「東洋唯一の地下鉄道」として
連日、地上にまで行列がのびる超満員となった。

硬貨を入れるとウイングが回転して入場できる自動改札。
フランス陸軍をモデルにした駅員の制服。

新しいことずくめの当時を想像するだけで
いつもの地下鉄が夢とロマンの乗り物になる。

2023年09月17日

執筆者石橋涼子

電車のはなし 「イギリスの鉄道旅行ブーム」

18世紀、イギリスは産業革命を達成し、
めざましい勢いで都市化が進んだ。

そして19世紀。
イギリスで空前のブームになったのは、
鉄道旅行。

かつては丸二日かかった海水浴場までの移動が、
鉄道でわずか2時間になったのだ。

休日の臨時列車は、屋根もない車両だったが、
着飾ったロンドンっ子たちが鮨詰めとなって
海辺を目指したという。

楽しいことを全力で楽しもうという情熱こそが、
人々を動かすのかもしれない。

2023年09月17日

執筆者石橋涼子

Photo by Keisuke Higashio on Unsplash

電車のはなし 「モノレールの乗り心地」

空高くを走る、モノレール。
単なる移動手段ではない、
ワクワク感があるのはなぜだろう。

実際、モノレールの乗り心地は、
車両の仕組みや地形によっても違うという。
是非とも、その違いを比べてもらいたい。

今日、9月17日は
東京モノレールが開通した日。

2023年09月16日

執筆者小林慎一

水平線をつかめ ♯1

ダイアナ・ナイアドは1949年生まれ。
エクストリームスイミングの第一人者だ。
26歳でマンハッタン島一周を泳ぎ切った。

しかし、彼女は自分の人生を後悔し続けていた。
子供の頃に性的虐待を受けていたこと。
結婚に失敗したこと。
職を転々としたこと。

彼女の母親が82歳で亡くなった時、
自分に残された時間は22年間と悟り、
彼女は決心する。

もう過去を悔いるのは、やめて未来を見ようと。
そう決心すると、20代の頃に失敗した、
キューバ・フロリダ間、177kmを
シャークゲージなしで泳ぐことへの挑戦を始める。

2023年09月16日

執筆者小林慎一

Photo by Hammer Nutrition

水平線をつかめ ♯2

ダイアナは60歳になってキューバ・フロリダ間を
泳いで渡る挑戦を再び始める。

彼女は30年ぶりに水泳の練習を再開する。
12時間連続で泳ぎ、次は24時間泳ぐ。

その海にはサメが生息し、メキシコ湾流の流れは早く、
脱水、低体温症など障害は多い。
彼女はその道のエキスパートをそろえチームを結成した。

チームはCNNの記者とともに5台のボートに乗った。
キューバ政府との交渉も彼女が行った。

2023年09月16日

執筆者小林慎一

Photo by Mangrove Mike

水平線をつかめ ♯3

ダイアナはフロリダを目指しキューバの海に飛び込んだ。

スイミングは、山登りやサイクリングのような
他の冒険系のスポーツと大きく違うところがある。

それは感覚が遮断されることだ。
低体温症を防ぐためスイミングキャップで耳まで覆い
目はゴーグルが覆う。

夜はライトをつけることができない。
サメが集まって来るからだ。

ほとんど何も聞こえず、何も見えない。
その状態で60時間、70時間泳ぎ続けなければならない。

2023年09月16日

執筆者小林慎一

Photo by Andrew Dallos

水平線をつかめ ♯4

ほとんどのスポーツでは男性が女性に勝る。
最終的には体格がものを言うからだ。

しかし、100km以上走るウルトラマラソンのようなスポーツでは
肉体が優れているだけでは走り遂げることはできない。
同時に強靭な精神力が必要になってくる。

キューバからフロリダまで177km。
食事は水中でし、眠らず、サメのゲージもない。

筋力やスピードよりも、痛みに耐えること、
エネルギーをコントロールすること。

そこに男女の差はない。

ダイアナ・ナイアドはフロリダの水平線を目指して
軽快にストロークを重ねていった。

2023年09月16日

執筆者小林慎一

Photo by Robert Pittman

水平線をつかめ ♯5

ダイアナは、
キーウエストの海岸を目指して泳ぎ続けていた。
彼女は、成し遂げられると信じていた。

しかし、海に入って2時間。全身に焼けるような痛みが走った。

「ファイヤ!ファイヤ!」彼女は叫んだ。

麻痺が起こり、呼吸ができなくなった。
そして、痙攣が始まった。

猛毒を持つハコクラゲに刺されたのだ。

救命士が海に飛び込んだが、
彼も刺され、ボートに引き上げられた。
29歳 。180cm。 120kg。
鍛え抜かれた青年は
「息ができない。死んでしまう。ダイアナを助けられない」と泣いた。

時間は、夜8時。マイアミから医療チームが到着したのは朝の5時。
彼女はそれまで泳ぎ続けた。

2023年09月16日

執筆者小林慎一

Photo by gautsch

水平線をつかめ ♯6

地球上で最も危険な毒を持つ生物と言われるハコクラゲに
キューバからフロリダまで泳ぎ続けるその途中で
ダイアナは刺される。

人間が刺されると1分で死ぬこともある。

長さ3m以上の何十本もの透明の触手が海に漂い、
肉眼で見ることは不可能だ。
ましてや、彼女が刺されたのは夜の8時だった。

ダイアナは医療チームによって海の中で注射を打たれ、
酸素吸入をし、
そして、また遥かフロリダを目指して泳ぎ始めた。