吉川純広くんは大阪出身で(2012年12月の収録記)

普通に話していると気づかないのだが
吉川純広くんは大阪出身だ。
しかし大阪の人には珍しく、関西のイントネーションが消えている。
忘れているわけでなく、どこかの引き出しに
こっそりしまい込んでいるのだ。

私は川野康之さんの関西弁の原稿を見たとき
そういえば吉川くんは大阪出身だったなと思い出したわけだが
もうひとつ、これは私の田舎の言葉で
「あぶらご」というのを思い出した。

「あぶらご」の説明をちょっとこころみてみる。
たとえば、10歳の女の子が四人で遊んでいるときに
そのなかのひとりが6歳の弟を連れていたとする。
6歳は鬼ごっこをしてもすぐに捕獲されてしまうだろう。
鬼になっても弱い鬼だから、誰も捕獲できないだろう。
このときに「あぶらご」は公式ルールを免除される。
捕獲されても鬼にならないけれど
遊びの仲間には入れてあげるという存在なのだ。

川野さんの原稿は、そんな「あぶらご」的な男の子が主人公だった。
もっとも「あぶらご」にしてもらえずいつも貧乏くじを引いている。
そして、吉川くんはそんな役がとても似合う(なかやま)

川野康之・吉川純広「リコポールの毛糸の赤いパンツ」
http://www.01-radio.com/tcs/archives/24106
(2012年12月9日の夜から公開)


ページトップへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA