上島史朗の『僕の見たカンヌ』①

①西武線に乗ってカンヌに行こう。

午前4時。

仕事が佳境を迎えるなか、帰宅。
カンヌへの出発まであと1時間半。
出産予定日が近づいた妻が里帰りし、
ガランとした部屋の床には
数日前からスーツケースが開かれたままでいる。

はやくパッキングを済ませて成田に出発しなくては。
えーと…まずはお風呂に入ろうか。
いや、気持ちがいいと湯船で寝てしまうから後にしよう。

とにかくパッキングを再開せねば。
ズボラな人に向いている賢いパッキング術。
それは、数日前からスーツケースを広げたままにしておいて
気づいた時に気づいたものをポイポイと放り込んでおくこと。
(と、この本に書いてあり、僕はいたく感心したので
 旅の習慣にしています。)
しかし、今回はあまりに忙しい日々が続いたので
スーツケースを広げたまま、ほぼ何も放り込めていない状況。

3年前に初めてカンヌに行った時の教訓を思い出して…。

まず、長袖は絶対に入れておこう。
エアコン効き過ぎの会場に身体の芯まで冷えた記憶があるからな。
そして、スクリーニングをずーっと見ることになるから、
「蒸気のアイマスク」は忘れずに持っていかないと。
寝る時にあれをつけて寝ると、どんなに寝不足でも、
翌朝スッキリと目が覚める。
普段は使わないけど、先日のアドフェストでも活躍してくれた。
買い置きしたやつ、どこにあるだろう。
この時間に嫁に電話する訳にもいかないし…。
あ、サンダルも持っていこう。
靴下を履けるタイプのサンダルなら足先も寒くならないはずだ。
スクリーニング中の睡魔には無印良品の「ねり梅」だな。
これは成田のMUJIで買うのを忘れないようにしよう。
(手のひらに「ねり梅」って書いておこうかな…。)
そうだ、名刺は箱で持っていかないと。
「友達100人できるかな」が実現するのがカンヌだからな。

それにしてもお腹空いたな…。
でも食べたら寝ちゃうだろうな…。

午前4時30分。

部屋が静かすぎて寝そうになるから、
昨日やっていたブラジルVSクロアチア戦の録画を流しておこう。
まだ見ていないけど、どっちが勝ったのだろう。
あ、マルセロのオウンゴールがファーストゴールだったのか。
クロアチア、いいサッカーするなあ。
と思っていたら、ネイマールが同点ゴール決めた!

午前5時。

やばいやばいやばいやばい…。
パッキングが全然進んでいない。
とにかく思いつくものを詰めておこう。
PCとスマホと、モバイルバッテリーと、タブレットを
毎日充電することになるから延長コードを忘れないようにしないと。
変換プラグは…なんとなく2個持っていくか。

午前5時15分。

ものすごく不安だけどパッキング終了!
せめてシャワーぐらい浴びておこう。
そしてブラジル対クロアチア、同点で後半か。
どっちが勝つのだろうなあ…。
(この録画の続きを見るの、カンヌから帰ってきてからに
なるのだろうなあ…。)

午前5時30分。

カンヌへ行ってきます!
西武線の始発に乗って!

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はじめまして。

2012年の勝浦さん、2013年の武田さんにつづき、
3人目のカンヌコラムを書くことになりました
上島史朗(うえしましろう)です。
広告会社でCD/CWをやっています。
このコラムは、これからカンヌに行く若い人たちのために書いています。
なのに、記念すべき第1回が成田にも着いておらずすみません。
次回以降、ちゃんとカンヌに着いてからの日々や、
そこで感じた事をレポートいたしますので
どうぞよろしくお願いします。

上島史朗
(イラストはクリックで大きくなります)


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