北海道出身の平間美貴さん(収録記 2011.04.28-2)

平間美貴さんには面白い雰囲気と面白い訛りがある。
雰囲気のほうはたいへん説明しがたいもので
下手をするとこちらは褒めているつもりが
けなしていると受け取られかねないので
もう本人を見ていただくしかないのだが、
訛りに関しては東か西かも特定できなかったので本人に訊ねてみた。

「北海道」という答だった。
なるほど、北海道ならわかる気がする。
北海道は開拓時代にどの地方の人たちが移住したかで
地域の方言はことなるし
それがまた入り交じっていたりする。
なんとなく「北海道」という答ですべて理解したような気になって、
ただ単にそういう気がするだけに過ぎないのだが、
妙に納得してしまった。

そうそう、ここでお礼を言うのもナンだけど
収録のときのお菓子をありがとう。
地曳豪くんと清水理沙ちゃんが喜んで食べていましたよ〜。

平間さんには今回、関陽子さんの原稿
読んでいただきました(なかやま)

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関陽子 2012年5月5日

変身

             ストーリー 関陽子
                出演 平間美貴

83、55、87。

え、すごいナイスバディですって?
うふふ、この数字にはちょっとした裏話があるの。
でも女が自分の話に酔うのはかっこ悪いものよね。
手短かに、お話ししましょう。

「必ず痩せるダイエットに、興味はありませんか?」
新宿で声をかけられたのは3カ月前。
3歳のときにはぷくぷく可愛いわね~とちやほやされた私は、
15歳のころにはデブリンと呼ばれてもニコニコ耐えていた。
28歳のいままで、
何を試したっていちども痩せたことのない筋金入りのデブリンだったの。

でも、その男は言った。
「そういう方にこそ、必ず痩せてもらえるシステムなのです。
 一度コースに参加しませんか?」
魔法のようなすーっと落ち着く声。
そうだ、私は、アヤリンで~す、デブリンで~す、なんて
ちっさいライブハウスでボケてる自分がイヤになっていたんだ。
「この世に必ず、なんかない、とお思いですか? 
 ありますよ。いま、ここに」
男は私の目をじっと見て、そっと囁いた。

数日後、私はとある施設に入った。
フルーの壁。ブルーのソファ。ブルーの部屋着。
落ち着く色の部屋に荷物をおろし、食堂へ向かう。私は男に聞いた。
「やっぱり断食ですか?」
「いえいえ、何を好きなだけ食べてもいいのです」
「え?」
「どうぞおなかいっぱい召し上がってください。
夕飯は麻婆豆腐とステーキと野菜炒めです。おいしいですよ」
どういうことだろう?
私は食堂の椅子についた。
そして、運ばれてきたお盆に目を疑った。
青い麻婆豆腐。青いステーキ。青い野菜炒め。青いごはんに青いお味噌汁。
目の前の食べ物は、すべて青かった。

そう、必ず痩せるダイエットとは、青いごはんしか食べないで過ごす、
ということだったの。
青は食欲をなくす色、それだけのこと。
そして、それだけのことで、私は3週間でなんと-28キロを達成したわけ。

え、そんなに痩せたようには見えない?
そう。
このダイエットのただひとつにして最大の欠点は
青くない食べ物がやたら美味しそうに見えて
ガマンできないことなのよねえ。

83、55、87。
あーあ。リバウンドするの、早かったなあ。

出演者情報:平間美貴 03-5456-3388 ヘリンボーン所属

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