東北の普通(東北へ行こう2018)

「東北の普通」

    ストーリー 野田苑恵(東北芸術工科大学)
       出演 佐藤達

東北にいると普通のこと。
友達に私の地元の福島県のことを話すと、よく羨ましがられる。

私の地元は福島県、桑折町(こおりまち)。
実家では桃を育てている。
暑い夏の日差しを浴びてたわわに実った桃。
一つもぎ取り、冷たい水で洗って皮ごとかぶりつく。
これが夏のおやつ。私の地元の普通。

秋。うちのじいちゃんは畑に実った柿を干し柿にする。
枝付きで切り落とした柿の実はくるくると皮をむき、
残した枝に紐をくくりつけて軒下に吊るす。
茶色の干し柿が暖簾のように並ぶ風景。それが私の地元の普通。

冬。福島にもたくさんの雪が降る。
雪遊びも楽しいけれど、こんな寒い日には温かい料理が美味しい。
冬の食材は雪の下から出て来る。
ネギや大根を雪の中から掘り起こし、肉や魚を煮込んで鍋を作る。
それを家族で囲んで食べるのだ。それが私の地元の普通。

春。東北の春は長い長い冬の後にやって来る。
雪の下からのぞく、薄緑色のフキノトウ。
桜前線は東京よりも二週間遅れて到着する。
みんなが花見に行く花見山は
親子二代で花を植え続けた阿部さんちの山だ。
それが私の地元の普通。

東北にいると普通のこと。
東北じゃなければ普通じゃないこと。
だから…

東北へ行こう。

出演者情報:佐藤達 https://www.herringbone.co.jp/ ヘリンボーン所属




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