大船渡線の開業90周年記念イベント

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大船渡線は岩手県の一関市の一関駅から
宮城県の気仙沼市、岩手県の陸前高田市を経由して
再び一関市にもどって盛駅に終着します。
経由地を見ればわかるように、線路はジグザグにうねり、
ドラゴンレールという愛称があります。

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けれども、地元では「山汽車」と呼ばれています。
なぜ山汽車なんだろう。
山の中を走るから山汽車?
でも、車窓から海が見えるところもちゃんとあります。
雪に強いけど雨に弱いとか、
落ち葉のせいで止まってしまうとか、
いろんなことを言われながら、でも愛されているのだと思います。
あのジグザグな路線だって地元事情のあらわれです。

むかし山汽車で通学した人に話をきくと、
いったんドアが閉まって動き出しても
ホームに走り込んできた生徒を見ると
ブレーキをかけて待っていてくれたそうです。

大船渡線の車両はキハの2両編成、
土日や夏休みにはポケモントレインが走ります。
小さな駅舎に無人駅が多いのも大船渡線の特徴です。

大船渡線は今年開業90周年を迎えました。
その記念展示がいま一関市博物館で開催されています。
http://www.museum.city.ichinoseki.iwate.jp/news/article.php?p=101

夏休みに東北方面においでのかた、
一関でこの展示を見て、
大船渡線に乗ってみてはいかがでしょうか。
終点の盛駅からは三陸鉄道の南リアス線で
さらに北へ旅することができます。

鉄道ファン、というか大船渡線ファンのサイトを見つけました。
http://www.ougonrail.com/index.htm
う〜む、かなり詳しいぞ。
興味のあるかたは、このサイトで予習してみてくださいね(なかやま)

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雪国の冬


出演者情報:札内幸太:

雪国の冬

     文 八鍬佑衣(東北芸術工科大学)
         声 札内幸太

ひどく冷えた朝、
私は何枚も重ね着をし、意を決して家のドアを開けた。
雪かき用のダンプを手に、ふかふかの雪に足を入れる。
辺り一面の白が、ぎゅっぎゅっと音を立てる。

目元まで深く帽子を被り、頬を赤くして汗をかきながら、
何も考えず行ったり来たりを繰り返す。
ただ夢中になって何度も何度も重たい雪を運ぶ。

そして、ようやく綺麗になった真っ白の地面に、
どさりと寝転んで大の字になる。
空は灰色で、雪はまだしんしんと降り続く。
静かな白の世界には、まるで私しかいないみたいに、
まだ荒い息遣いと冷めていく体温の感覚だけ。
これが、私だけの冬の楽しみ方。

東北へ行こう

muhyou

*「東北へ行こう」は
自分のとっておきの東北を紹介し、あなたを東北におさそいする企画です
上下の写真やバナー、リンクもクリックしてみてください

東北の温泉ガイド:http://onsen.arukikata.co.jp/202/

東北温泉かけ流しガイド:http://www.onsen-shinsengumi.com/tohoku.html

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小さな手しごと


出演者情報:岡田優:https://www.facebook.com/masaru.okada2

小さな手しごと

          文 岩井巽(東北芸術工科大学)
          声 岡田優

山形の北部、庄内地方は果てしない平野だった。
出羽三山が、晴れた6月の水田に写り込み、
その水田に点在する農家がまるで小さな島のように見える。

庄内地方の手仕事に「ばんどり」という藁細工がある。
いま作り手は80歳のおじいちゃん只一人だ。

農具小屋の屋根裏部屋から、窮屈そうな階段を降りて
おじいちゃんが出てきた。ここがおじいちゃんの工房だ。

「ばんどり」はその昔、
女が重い荷物を背負って運ぶときに背中を痛めないようにと
男が編んだ藁の背当てのことだ。
羽根を広げたムササビのような独特な形と、
藁に編み込まれた色とりどりの布切れが華やかで
嫁入りする娘のために、父親は三日三晩かけて
お洒落に編んだのだそうだ。

藁はコンバインで粉砕されてしまういま、
わざわざ長い稲を取り寄せないと「ばんどり」はつくれない。
それでも「ばんどり」を作り続けるおじいちゃんの手は、力強かった。

それから半年が過ぎ、豪雪の庄内地方は雪に埋もれた。
“農家の冬の手しごと”として営まれてきた藁細工は、
あと何回雪解けを迎えることができるだろうか。

東北へ行こう。     

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庄内のばんどりコレクション:http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/86556

やまがた庄内観光サイト:http://www.mokkedano.net
            

庄内エリア:http://www.mokkedano.net/

最上エリア:http://kanko-mogami.jp/

村山エリア:http://www.nihonnotabi.com/yamagata/murayama

置賜エリア:http://oki-tama.jp/

山形温泉めぐり:http://www.e-yamagata.com/top/onsen.htm

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寒いからこそ



出演者情報:大川泰樹(フリー) http://yasuki.seesaa.net/

寒いからこそ

     ストーリー 土屋里紗(東北芸術工科大学)
        出演 大川泰樹

全てが雪にこんもりと覆われてしまった夜を
見たことがありますか。
真っ白な雪は光を反射し、音という音を吸収します。
それはそれは寒い夜ですから、外に出ているのは自分だけ。
月の光でぼうっと光る雪と、永遠に続くような静寂のなかに
ぽつんと、自分がたったひとり。

恐ろしいほどの孤独のなかで
あなたがさがすのは
暖かくてにぎやかな、自分の「帰る場所」
いつのまにか忘れてしまったその価値を、
いつのまにか慣れきってしまったその優しさを、
思い出すはずです。

ぶるぶる、さあ帰ろう。

その場所はどこですか。
待っていてくれるその人は誰ですか。

寒いからこそ、東北へ。
幻想のような夜が、きっとあなたを待っています。

東北へ行こう

muhyou

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猫になる



出演者情報:いせゆみこ 03-3460-5858 ダックスープ所属

猫になる

    ストーリー 小野杏奈(東北芸術工科大学)
       出演 いせゆみこ

週末、わたしは猫になる。

風の向くまま、気の向くまま。
仙台という大きな庭を悠々と散歩するのだ。

いつもの決められた大通りから神秘的な裏通りを歩くため、
人の波から外れてみる。
気分がいい。
ノラ猫タイムの始まりだ。

早足だった歩幅も自然とゆっくりゆったり縮んでいく。
賑やかな人混みがまだ微かに聞こえる裏通りは、
いつもの仙台じゃないみたい。
おしゃれな洋服店、味のあるお食事処。
ここにお店あったんだ!あ、ここのお店美味しそう…

若い人が作ったものと昔からそこにあるものが入り混じっている。
道に迷ったら、本能の赴く方へ。素敵なカフェが顔を出す。
うん、わたしだけの秘密基地。大切な人にだけ教えよう。

心地のいい笑い声と食器やグラスの音、
鼻をくすぐる美味しい匂い。
大通りじゃ味わえない、人と人の香りがする場所。
おっ、お仕事帰りのお父さんやお姉さんが
楽しそうにお酒を呑んでいる。
今日は、このお店でお世話になろうかな。

不思議な魅力が詰まった仙台の裏通り。
きっとここに来たくなる。

東北へ行こう

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街ナビプレス仙台:http://navi-s.com/wp/

せんだい旅日和:http://www.sentabi.jp

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ただいま



出演者情報:いせゆみこ 03-3460-5858 ダックスープ所属

ただいま

     ストーリー 門倉妙紀(東北芸術工科大学)
        出演 いせゆみこ

「大宮から山形まで。学割で一枚お願いします。あ、自由席でお願いします。」
慣れた顔で切符を買って、
キャリーバックをガラガラ引きながらホームへ向かった。
縁もゆかりもなかった土地、山形。
未知の土地にドキドキとしていた18歳の春から、もう三年経つ。
最初は戸惑った二重改札も、駅弁売りのおばさんの呼び込みも、
今ではもう慣れた。

友人との会話の中で「だよね、だよね」と言わずに
「だから、だから」と言っている自分に気がついた。
実家の姉に「あんたは絶対、あっちの方言がうつってくるよ」
なんて言われたのをふと思い出して、
本当だとこっそり笑ってしまった。

ホームで新幹線を待っていると母から電話がかかって来た。
「今どこ?今から山形帰るの?」「そう、今から帰るの。」
実家から山形へ行くのに、
母と自分の会話の中で自然と帰ると言っていた。
変なの。つい三年前まで山形ってどこだっけなんて言っていた私が、
山形に帰ると言っている。

今から、山形に帰る。
家族がいるわけでもないのに、帰る。

東北へ行こう。

縁もゆかりもなくても、そこが帰る場所になるかもしれない。

ただいまと言える場所が増えるのは、あんがい良いもんですから。

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