粕谷吉洋くんとおなら記念日(2012年11月の収録記)


写真は粕谷吉洋くん。初登場です。
赤松隆一郎さんの「おなら記念日」を読んでいただきました。

かわいい声の人はおらんかとしばらく考えて
思いついたのがこの人でした。
声優さんではなく舞台の人です。
たたずまいと声の雰囲気がピッタリ合っています。

1978年生まれ、
もう「かわいい」と言われる年齢ではないかもしれないけど
やっぱりかわいい…かな(なかやま)

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赤松隆一郎 2012年11月4日


「オナラ記念日」

       ストーリー 赤松隆一郎
          出演 粕谷吉洋

「あ、今日、オナラ記念日だ」
リビングで新聞を読んでいた彼女が言った。
「オナラ記念日? そんなのあるの?」
驚いた僕が新聞を覗き込もうとすると
「記事に書いてあるわけじゃないわよ。
 新聞の日付を見て思い出しただけ。
 11月 11日はオナラ記念日なのよ。私の中では。」
「君の中では。 なんで?」
「あなたが、私の隣で寝てて、初めてオナラをした日なの」
「・・・・そうなの?」
「知ってた?」
日曜なので、すっぴんの彼女が僕を見た。
もちろん僕は知らなかった。
「それほど記念になることでもない気がするけど」
「そうでもないわよ」
彼女が話し始めた。
「誰かの隣で眠るのって、最初は緊張するものじゃない?
 私もなかなか寝付けなかったんだけど、
 あなたは私以上だなあと思ってたの。
 ずっと寝返り打ったり、目をぎゅーっと閉じてはいるんだけど
 ああ、この人全然寝れてないなあ、って思ってたの」
確かに。それは本当だった。
彼女は続ける。
 「そして、いつかあなたゆっくり眠れる時が来たらいいなあ、と思いながら
  1年が過ぎた、ある日のことです。」
急に物語調になってきた彼女の話に、吹き出しながら、
僕は続きを待った。

「ついにあなたが、熟睡したわけ。
 その日、特に何か疲れることがあったわけでも
 したわけでもないのに、ものすごく深くあなたが眠ったのよ」
「なぜ眠れたのかな?」
僕の質問に彼女は答えた。
「それは私にもわからないわ。本当にわからないの。
とにかくあなたはとてもよく眠ってた。
 ああ、この人、やっと眠ったんだなって思った。それでね…」
そこまで話して、何かを思い出したように、
彼女は笑った。 僕は聞いた。
 「それで?」
 「よく眠ってるから、逆にちょっと心配になったわけ。
  で、あなたの鼻の先をつついてみようと指をのばしたら、
  あなたがぷうーってオナラをした」
 「そうなんだ。それは失礼しました」
 「どういたしまして」
彼女がお辞儀をした。
 「全然覚えてないや」
 「覚えてる方がおかしいのよ。
  だってあなたはとてもよく眠ってたから」
僕は彼女に質問した。
 「ってことは、その日を境に、
  僕はよく眠り始めたってことかな?君の隣で」
 「そういうことになるわね」
彼女は答えた。そして言った。
 「ちなみに、あなたが寝ている時の顔、
  イルカに似てるの知ってた?」
 「知らなかったなあ。自分の寝顔は見た事ないもの。」
僕は答えた。
あくびをしながら、彼女が言った。
 「イルカってどんなオナラするのかなあ?」
今日は11月11日。日曜日。
オナラ記念日だ。            


出演者情報:粕谷吉洋 02-3460-5858 ダックスープ所属


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