礒部建多 13年2月9日放送
Peter from Perth
チョコと戦争
1965年の日本といえば
東京オリンピックを経て経済成長のまっただなか。
子供たちの目はテレビから流れる宇宙もののアニメに釘付けだった。
そんな1965年に出版されたのが
児童文学の傑作「チョコレート戦争」
舞台は、ある地方都市。
高級洋菓子店に飾られたチョコレートの城は
子供たちのあこがれだった。
ある日、そのショウウインドウのガラスが砕け散る。
たまたまそこにいた2人の少年は
ガラスを割った犯人にされてしまう。
そんな大人たちへ抗議するため
チョコレートの城を盗み出す計画がはじまる。
タイムマシンも空を飛ぶ乗り物も、光線銃も出て来ない。
登場するのは普通の子供と普通のオトナ。
でも、ドキドキするような
エンターテインメントになっている。
「童話だって、大人が読んでも
おもしろくなくては駄目であると思った」
と語るのは著者の大石真。
当時読者だった子供たちは今、
その子供たちに、この本を手渡している。