澁江俊一 19年9月22日放送


神話のたどった道

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

その2つとは
ローラシア型神話と
ゴンドワナ型神話。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
神話に2つの流れを生んだという。

神話とは
文字のない時代に
私たちのはるかな祖先が
この世界と自分たちとの間にある
無限の問いの答えを考え続けて生まれた
未来へのメッセージ。

何万年も昔。
命の危険を冒してまで
まだ見ぬ土地へと移動しながら
神話を編み出した私たちの祖先がいた。
そこに想いを馳せるだけで、
時空を超えた旅が始まる。



topへ

澁江俊一 19年9月22日放送


ローラシア型神話

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

北半球に伝わるローラシア型神話と
南半球に伝わるゴンドワナ型神話。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
2つの流れを生んだという。

ローラシア型神話では
神が無からこの世界をつくったとされる。
ドラゴンを倒し、世界が秩序化され、
王が生まれるなど、ストーリー性があり、
幾度となくゲームや映画の題材にもなってきた。

世界の創造の話は
わかりやすく、感情移入しやすい。
しかし時に、戦争や不平等の正当化にも
これらの神話が用いられた。

私たち現代人の多くは
今もローラシア型神話の世界を
生きている。



topへ

澁江俊一 19年9月22日放送


ゴンドワナ型神話

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

北半球に伝わる
ローラシア型神話と
南半球に伝わる
ゴンドワナ型神話。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
2つの流れを生んだという。

ローラシア型神話では
神が無からこの世界をつくったとされるが
ゴンドワナ型神話では世界は最初からあり
すべての自然にも生命があり
人間と動物は同等の存在だった。

何万年も自然を観察し続け
永遠の成長や自然の支配を求めず
人と自然のあるべき関係性を考え続けた。
人類の原点ともいうべき
ゴンドワナ型神話に、今こそ我々は
もう一度耳を傾けてみようじゃないか。



topへ

澁江俊一 19年9月22日放送


日本の神話の未来

世界の神話には
大きく2つの流れがある。
そんな学説がある。

アフリカで生まれた人類が
地球上に広がるまでのルートの違いが、
2つの流れを生んだという。

神が無から世界をつくったとされる
北半球のローラシア型神話と
世界や自然はもともとあり
人はそこで生かされているとする
南半球のゴンドワナ型神話。

日本の神話や民話には
その2つの神話の
どちらもが流れ込んでいるという。

もしかしたら
数万年後の未来の
新たな神話の流れは
日本から生まれているかもしれない。



topへ

田中真輝 19年9月22日放送


DNAに刻まれた物語

世界中には、様々な文化、民族に
個別の神話が数多存在する。
しかし不思議なことに、それら別々の神話に
多くの共通性が見られることをご存じだろうか。

例えば、イザナギが死んだイザナミを求めて冥界に
赴くが、イザナミがタブーを犯したために二人は
引き裂かれるという日本神話にあるエピソード。

これに酷似したエピソードが、ギリシャ神話や
ゲルマン神話、メラネシアの神話にも存在する。

一体、これはなぜなのか。

一説には、人類は文化や環境が違っていても
無意識の深いところを共有しているからだという。

神話のルーツは固有の民族や文化が生まれるよりも
はるか昔、ヒトが進化する長い時間の中で
その濃度を増していった記憶の残像に違いない。

神話とは人間のDNAに刻まれた物語なのだ。



topへ

田中真輝 19年9月22日放送


どこからきて、どこへいくのか。

神話はなぜ生まれたのか。
それは「我々はどこからきて、
どこへいくのか」
という問いへの答えを
求めたから、と言えるだろう。

例えば、アフリカのズールー族の神話では、
大きな葦から最初の人間、
ウンクルンクルが生まれ、万物を作った。
ウンクルンクルは新たに生み出した人間の元へ
カメレオンを使いに出し、
「人は決して死ぬことはない」と伝えよと命じた。
しかし、カメレオンはあまりに歩みが遅く、
しびれを切らしたウンクルンクルは新たな使者、
バッタに「人は死ぬ」というメッセージを託し、
後を追わせた。
結果、バッタはカメレオンを追い越し、
人は必ず死ぬ存在となった。

古代の人々は、神話に大いなる謎に対する
答えと慰めを見出していた。
非科学的なほら話、と笑うだろうか。
しかし、そうした神話をもたないわたしたちが
彼らより幸せかどうかは、疑わしい。



topへ

田中真輝 19年9月22日放送


現代の神話

神話は、その時代を生きる人々の行動規範として機能した。
その意味において、現代最も機能している神話は
「資本主義経済」かもしれない。

資本主義経済とは、
「今日よりも明日がより豊かになる」というある種の
楽観論を信じることによって成り立っている。
資本主義社会が生まれる前までは、誰もそんな楽観論を
信じてはいなかったのだ。

世界は、4頭のゾウに支えられた巨大な亀の上に存在している。
かつては信じられていたそんな神話を、今、信じる人はいないだろう。
しかし一方で、昔の人々からしてみれば「資本主義」もまた、
疑わしい神話に見えるに違いない。

現代人にとっても、その神話はやや
疑わしさを増しているかもしれないが。



topへ

田中真輝 19年9月22日放送


科学による世界創生神話

はじめに、エネルギーありき。
エネルギーはやがて素粒子を生み出し、
素粒子から、原子が生まれた。
原子は集まって星となり、星からさらに
新しい原子が生まれた。
新しい原子は宇宙に散らばってゆき、
また集まり地球が生まれ、大地が生まれた。
やがて原子同士が組み合わさって、生命が
誕生した。生命は進化し、複雑化し、やがて
人類を生み出した。

これが、近代科学による世界創生の神話。
信じるも信じないも、あなた次第。



topへ

川野康之 19年9月21日放送

Mango Projects
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
ニューヨークの街角で、道行く人のファッションを撮り続けた。
有名人だとか金持ちだとか関係なく、
ただ撮りたい人だけにカメラを向けた。
自分の服を着た普通の人々が、
写真の中でいかしている。
ニューヨーカーたちはビルのために
こぞっておしゃれをしたという。
彼は言った。
「最高のファッションショーはつねにストリートにある」



topへ

川野康之 19年9月21日放送

Steam Pipe Trunk Distribution Venue
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
トイレもキッチンもない部屋に住んで、
ネガを入れたキャビネットの隙間で眠る。
朝起きると自転車に飛び乗って街に出て、
一日中シャッターを切る。
仕事以外のことには無頓着で、
頭の中はファッションのことでいっぱい。
彼は言う。
「仕事ではなく、喜びだね」
自分の好きなことだけをして生きていたいと言う人は多い。
ビル・カニンガムは自分の好きなことだけをして生きていた。


topへ


login