大友美有紀 19年10月6日放送

Jean Louis Martenot
楽器の話 オンドマルトノ

オンドマルトノという楽器があります。
フランスの音楽家であり電気技師でもある
モーリス・マルトノが開発した電子楽器です。
鍵盤に弦が張られた本体と
大小のスピカーを組み合わせた楽器で、
電気回路で音を発生させる仕組みです。

20世紀初頭、電話やラジオなど電気回路を使った
装置が発明されました。
その装置がときに面白い音を発生させる。
それが音楽なるかもしれないと考えた人たちがいました。
マルトノも、その一人。

弦楽器のような音から宇宙的な音まで、
電気が生み出す音の不思議に耳を傾けてみませんか。



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大友美有紀 19年10月6日放送

白石准
楽器の話 ワーグナーチューバ

ワーグナーチューバという金管楽器があります。
リュヒャルト・ワーグナーが作らせました。
彼は「ニーベルングの指環」、
序夜「ラインの黄金」の、
「神々のヴァルハラへの入城」のテーマに、
フレンチホルンとチューバの中間的な音色が欲しいと考えました。
けれども、彼が求める音色を実現することは難しく、
楽器メーカーも楽器職人も叶えることはできません。
「ラインの黄金」の初演にも間に合いませんでした。
完成したのは、構想から実に20年以上経ったとき。
そんな思いと時間をかけて作り上げた
ワーグナーチューバ。
なのに、リヒャルト・シュトラウスは
その音を「耳障り」と評したのです。



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大友美有紀 19年10月6日放送

bvriesem
楽器の話 ダモーレ

「ダモーレ」と名がつく楽器があります。
ヴィオラ・ダモーレ、
フルート・ダモーレ、
オーボエ・ダモーレ。
イタリア語の「アモーレ」、愛から来ている名称で、
愛しい楽器、という意味です。
どの楽器も甘く柔らかい音色が特徴。
ヴィオラ・ダモーレは、
直接弾く演奏弦と長い余韻を響かせる共鳴弦があり、
独特な音色を奏でることができるそうです。
その反面、調弦の本数が多く、手間もかかります。
大きな愛が、必要です。



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大友美有紀 19年10月6日放送


楽器の話 指揮棒

音楽を奏でる道具のひとつ、指揮棒が登場したのは、
1810年代とされています。
それ以前は、通奏低音を担う
チェンバロ奏者が主に指示を出していました。
1829年にメンデルスゾーンが
ロンドンで指揮棒を使ったときには、
とても驚かれたといいます。

それから200年余り、
現在では指揮棒を使わない指揮者もいます。
大切なのはどんな音楽を奏でるか、だからです。



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佐藤延夫 19年10月5日放送


樹木の話 イチョウ

イチョウの木は、不思議だ。
葉っぱは広葉樹のようなカタチだが、
実は針葉樹の仲間。
しかも1億5000万年前、
ジュラ紀あたりから生き残っている。
そしてギンナンの実は、強い悪臭を放つ。
木材は、まな板などにも加工されるが、
臭いの強いものとそうでないものがあるという。
ちなみに、ギンナンの実がつくのは雌株のみ。

木がある程度大きくなるまで、
雄株と雌株の判別は難しいそうだ。



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佐藤延夫 19年10月5日放送


樹木の話 カラマツ

カラマツは、
日本の針葉樹の中で
ただひとつの落葉樹だ。
秋、輝くほどの黄色に色づき、
パラパラと散っていく。
葉が落ちる松なので、落葉松とも言われる。
東北や中部地方の山岳地帯に自生しており、
やがて広く植林されるようになったが、
東京などの暖かい地域ではほとんど見られない。

もしも、東北南部や長野あたりで
美しい黄色の並木を見つけたら
それはきっとカラマツです。



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佐藤延夫 19年10月5日放送


樹木の話 クリ

秋を代表する味覚のひとつ、クリ。
古代から人々の食料になったが、
実だけではなく、木材も古くから重用されてきた。
程よい硬さで耐久性に優れ、水にも強い。
また、粘りがあり、
割れたり暴れたりすることも少ない。
鉄道の枕木や土木用材のほか、
工芸品にも多く使われている。
縄文時代の遺跡からも、
クリの木が建築物の土台として
使用されていた形跡が残っているそうだ。
さすが人間は、抜け目がない。



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佐藤延夫 19年10月5日放送

Amehare
樹木の話 カツラ

落葉広葉樹のカツラは日本の固有種で、
古事記や万葉集にも登場する。
落ち葉がカラメルのような甘い香りを放つので、
「香りが出る」、「香出(かづ)」というのが
名前の由来とも言われる。
ハート型の葉っぱは小ぶりで可愛く、
秋には美しい黄色に染まる。
木材は柔らかめで加工しやすく、
カツラを素材とする工芸品も多い。

現在の「桂」という漢字が使われる前。
万葉集では、木へんに風、今でいう「楓(かえで)」の文字が
当て字で使われていた。



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佐藤延夫 19年10月5日放送

将棋せかい
樹木の話 ツゲ

目が細かくて滑らか。
硬くて粘りがある。
優れた特徴を多く持つツゲの木は、
有用材として様々な用途に使われてきた。
櫛、将棋の駒、印鑑。
昔は定規や機械部材にもなった。
ツゲ製品の産地と言えば、
鹿児島県指宿市と伊豆諸島の御蔵島。
薩摩ツゲは櫛、
御蔵ツゲは将棋の駒が有名だ。

童謡「こぎつね」に登場する「つげの櫛」は、
薩摩ツゲと考えて間違いない。



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石橋涼子 19年9月29日放送

T.Kiya
月のはなし 日本の十三夜

夜空に浮かぶ月は、29.5日の周期で変化する。
そのため、昔は、月の満ち欠けがカレンダーだった。

もちろんそれだけではなく、
見上げるたびに変わるお月様の変化を
人々は愛した。

眉月(まゆづき)、弓張り月、下弦の月、…。
月が変わる様子を愛でる名前も美しい。

まんまるいお月様を楽しむ十五夜の風習は、
平安時代に中国から日本へ伝わった。

そしてなぜか、
満月にはほんの少し足りない、
欠けた月を楽しむ十三夜という風習が
日本で独自に生まれた。

変化するもの、完全ではないものに
美と価値を見出す日本らしい楽しみ方かもしれない。



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