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2016 年 11 月 のアーカイブ

熊埜御堂由香 16年11月27日放送

161127-01 Caden Crawford
のりものの話 働くきかんしゃトーマス

イギリスで生まれ、今ではアニメとして
日本の子どもたちにも親しまれている
「きかんしゃトーマス」。

機関車たちが一生懸命、仕事をしながら
繰り返し口にする言葉がある。

僕らは、役に立つ機関車になりたいんだ!

そののりものたちの素直な言葉は、
小さな子どもたちに
人間が働くことの根本的な喜びを伝え続けている。


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薄景子 16年11月27日放送

161127-02 Anthony Atkielski
のりものの話 ハインツ・シュトゥッケの自転車冒険

ドイツ人の自転車冒険家、ハインツ・シュトゥッケ。
1962年、22歳で母国を離れ、自転車で世界旅行へ出発。
70歳を超えてもその旅は終わらない。

史上最長距離の自転車旅行者として
ギネスブックにも登録されている。

そんなハインツは、姉からいつも
「おまえの人生はバケーションだな」といわれ
胸をはってこう答えるという。

 「そう、これこそが私の人生だ」

一生は神様がくれたバケーション。
それを楽しむのに必要なのは、
少年のままの冒険心と一台の自転車だけかもしれない。


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茂木彩海 16年11月27日放送

161127-03 北京老佟
のりものの話 車いす技師 安大輔

競技用車いすの設計技師、安 大輔。
担当するのは、車いすテニスで初のプロ転向を果たした国枝慎吾。
もう10年の付き合いになる。

国枝の口から不満の言葉を聞いたことはないが、
「完璧だ」と言われたこともない。

安は言う。

 その時その時に最高の1台を作らないといけない。
 でもそれを作った瞬間に、また新たな課題が出てくる訳です。
 だから彼の車いすはずっと未完成のまま。


体の変化に合わせるように、車いすも変わっていく。
乗り物が体の一部に感じられるほど、アスリートは自信をつける。

それがどんな自信なのか。国枝はこんな言葉を残している。

車いすは、自分にとっての足だ。


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茂木彩海 16年11月27日放送

161127-04 iamkory
のりものの話 乗り物のデザイン

スターウォーズに登場する「銀河系最速のガラクタ」
ミレニアム・ファルコン。

ルーカスが突如、食べていたハンバーガーから
バンズを取り除き、オリーブを片側に、フォークの歯の部分を手前に
取り付けたところからあの平たいフォルムが生まれたという。

周りをよく見回せば、いたるところにアイデアはある。

ルーカスのモットーは、乗り物のデザインにも惜しげなく注がれている。


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石橋涼子 16年11月27日放送

161127-05 dokure
のりものの話 仲津英治と新幹線500系

日本を代表するのりもの、新幹線。
英語でもshinkansenそのままで通じるという。

最先端技術の結晶のようなイメージがある新幹線だが、
開発当時に世界最速記録を打ち立てた500系は、
設計上の様々なヒントを、空を飛ぶ鳥からもらったという。

空気抵抗による騒音の原因だったパンタグラフは、
もっとも静かに空を飛ぶと言われている
フクロウの羽を研究し、改良のヒントとした。

高速でもなめらかに水面に飛び込むカワセミは、
水の抵抗を軽減するするどいクチバシが
新幹線の先頭デザインのヒントとなった。

当時の開発責任者だった仲津英治氏は言う。

人間は自然に学ぶべきだ。
自然に勝とう、自然を克服しようという考えがまちがっている。

自然の造形からたくさんのヒントを得た500系は、
静かさと速さを兼ね備えた新幹線となり、
奇しくも「近未来的なデザイン」という評価で
多くのファンを獲得した。


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石橋涼子 16年11月27日放送

161127-06
のりものの話 パスカルと公共バス

現代でもおなじみの移動手段のひとつ、公共バス。
その起源は、17世紀パリに遡る。

当時、馬車を所有できるのは裕福な貴族だけだった。
それを定められた路線と、定められた時間に運行することで
乗合馬車として誰でも使える移動手段にしたのだった。

アイデアを生み出したのは、あなたも知っているあの偉人。

 人間は考える葦である。

という言葉で有名な哲学者のパスカルだ。
パスカルの定理やパスカルの原理も偉大な業績だが、
公共バスだって負けないくらい偉大だ。


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小野麻利江 16年11月27日放送

161127-07 angelocesare 
のりものの話 サントーリオ・サントーリオと体重計

現代人、とくに女性にとって
いちばん怖い「のりもの」。
もしかするとそれは、体重計かもしれないが、
中世イタリアの医師 サントーリオ・サントーリオは
一日中、体重計にのって生活をしたという。

食事から排泄まで。
大きなハカリ型の体重計の上ですべて行い、
結果、栄養分が身体の中で
代謝されていることを証明した。

「測るだけダイエット」が定着した現代だが、
サントーリオにあやかった「測りっぱなしダイエット」、
試した場合、効果のほどは如何ほどだろうか。


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小野麻利江 16年11月27日放送

161127-08 Pastel
のりものの話  松任谷由実と「かんらん車」

遊園地のランドマークとして
愛される乗り物、観覧車。
その反面、乗る人のいない観覧車は
物悲しさのメタファーとして
強い力を持っている。

中でも松任谷由実の「かんらん車」は、
失恋した主人公の気持ちを
人もまばらな遊園地の情景に託した名曲だ。

 私だけ 冬空の旅人
 地上に戻る頃 世界が止まる


別れの虚しささえ、美しく縁取る(ふちどる)。
観覧車の魅力は、奥深い。


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三島邦彦 16年11月26日放送

161126-01 angelocesare
ペンは動く 早川良一郎

大正生まれのサラリーマン、早川良一郎。
定年をきっかけに、
趣味であるパイプ煙草についてペンを執った。
煙のように悠々と生きた人だから書ける
味わい深い文章は、自費出版ながら、
その年の日本エッセイスト・クラブ賞を受賞する。
早川は言う。

 友達とホビーがあり、餓死しないんだったら、
 なんで人生憂えることがありますか



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三島邦彦 16年11月26日放送

161126-02 eblaser
ペンは動く 魚谷常吉

料理人、魚谷常吉。
昭和初期、軍国主義の風が吹く日本で、
家庭料理の本を書いた。

最初の本である『茶料理』では、
懐石料理を、
上流階級の食べ物ではなく、
素材の味を最大限に活かすという
料理の基本に忠実なあり方としてわかりやすく紹介した。

その後も、『酒の肴』『料理読本』など、
本を通じて日本の家庭料理の充実をはかった。

 ペンというやつは、
 なかなか包丁のごとく思うようには動かぬもの。


そう言いながらも魚谷は、
厳しい時代の中で黙々と本を書き、
日本の家庭にたしかな幸せをとどけてくれた。


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