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Vision収録見学記

Vision収録見学記 Part3-(3) 

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熊埜御堂由香-ネタ探しは、好き探し

そんなわけで、原稿でとりあげる題材をVieVieさんも
ディレクターのCさんも、
事前にいろいろリサーチしています。

今回、くまのみどうが、取り上げた、
フェリックス・ゴンザレス=トレス。
すこしマイナー人ですが、
VieVieさんも前から好きなアーティストだったとのこと!
ディレクターのCさんも、この原稿がきっかけで、
いろいろと資料に目を通してくださったようで
「面白いひとだねー」とトレス話に花が咲きました。

先ほど紹介した、
収録版の彼に付け加えられた形容詞、
「コンセプチュアル・アートの鬼才」

コンセプチュアル・アートってなんだったっけ?
と思い調べてみると、
アイデアまたはコンセプトが重要視される、芸術行動。
文書による指示のみで作品とするのが定番とのこと。

まさに、トレスの作品、
「自分の体重とぴったり同じだけ、床にキャンディを敷き詰め
来場者がひとりひとつだけ、それを持ち帰っていい、
ということにする」という
「気休めの薬」のようなものですね。

わたしは、はじめてこの作品を見たときは、
飴もらえるのラッキー!
くらいにしか思わなかったのですが、

一緒にその作品を見ていたひとが美術通で、
その行為にこめられた、コンセプトを教えてくれたんです。

飴とか時計とか既製品に
そんな個人的な思いを注入できるのかとたまげました。
しかもそうすることで、安定して永久に
その思いを再現できることに感動しました。
(ちなみに、その作品を一緒に見たひとのことが、
ちょっと好きだったんですが、
もじもじしているうちに彼女ができてしまって、
悲しかったなぁ。)

そんな思い出があったので、
トレスのネタで原稿が書けてうれしかったです。

薄組はイレギュラーな参加で、
まだ回を重ねてないこともあって、
自分たちがもともと好きだったひとから
ネタをセレクトすることが多いです。

たとえば、石橋涼子ちゃんは、
建築学科出身で建築ネタにとっても強いです。
薄さんは、09年8月にとりあげた、
書道家、金澤翔子さん好きが高じて、
会社の書道部に入部しました。

きっと、薄組も好きリストが底をついてきます。
12月は執筆がお休みなので、
またいろいろ注入しようと思っています。

レギュラー執筆者の佐藤さんは
お休みの日に図書館に通っているそうですよ。
受験生の隣でせっせとネタを探す佐藤さん、
こうしてVision執筆者は、
世界にちらばるすてきな言葉を集めていきます。

Part3 おわり

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Vision収録見学記録 part3-(2)

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熊埜御堂由香-HP版と収録版


リスナーでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
このVision・HP版にのっている原稿と、
実際、放送されている原稿が
ちょっと違うことがあります。

書き上げた原稿を、収録現場で直すことが多々あるんです。
なので収録に立ち会うと、書いた人と、
演出する人が一緒に相談しながら原稿を直せるというメリットも。
今回はそのメリットをすっかり逃してしまいましたが・・・

たとえば、10月18日放送分の薄組の原稿だと、

(HP版)
琳派の創始者であり、
国宝「風塵雷神図」を描いた、俵屋宗達。

(収録版)
江戸時代の一大芸術、琳派の創始者であり、
国宝「風塵雷神図」を描いた、俵屋宗達。


(原稿版)
フェリックス・ゴンザレス=トレスの「気休めの薬」という作品だ。

(収録版)
13年前にエイズで他界した、コンセプチュアル・アートの鬼才、
フェリックス・ゴンザレス=トレスの「気休めの薬」という作品だ。

(原稿版)
スペインの建築家、アントニオ・ガウディ。
あのサグラダ・ファミリアの設計者。

(収録版)
スペインの天才建築家、アントニオ・ガウディ。
あの世界遺産として有名なサグラダ・ファミリアの設計者。

ずいぶん丁寧に、ネタを調べなおしていることがわかります。

VieVieさん曰く、Visionは言葉と言葉の間に、
ミックスした音楽も楽しんでほしいので、
意識的に間をとってミックスしているそう。
なので、主語を丁寧に繰り返してあげることと、
リスナーの知識はばらばらなので、
とりあげる人になるべく分かりやすい形容詞を補足することが
多いようです。

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Vision収録見学記 part3-(1)

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 熊埜御堂由香-遅刻しました!


10月17日、薄組の原稿収録に立ち会ってきました。
ほんの一瞬ですが・・・。
15時くらいから日曜分を撮るとディレクターのCさんからお伺いしていた
のですが、ついたらほとんど撮り終えていていたんです。
でも、じつはちょっと遅刻もしたんです。
その日は東京国際映画祭のオープニングで六本木は、人人人。
レッドカーペットならぬグリーンカーペットが、けやき坂に敷かれていました。
人を、かきわけ、かきわけ、スタジオについたら、
Cさんが、もう終わっちゃうよーと笑っていました。
今日はほぼ1発撮りですいすい進んだそうです。

なので、今回は、収録記というよりはVisionよもやま話に切り替えさせて
頂いていいでしょうか?いいですよね!?

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Vision収録見学記 part2-(3)

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石橋涼子-閑話休題オヤツのはなし


ちょこっと脱線ですが。
j-waveのスタジオ内は、禁酒禁煙はモチロンのこと、飲食もNGです。
ドアのすぐ外にワゴンがあって、
そこに飲み物やお菓子が置いてあるのです。

Visionの現場のオヤツ係は、ナレーターのVieVieさんです。
誰が決めたわけでもありません。自主的オヤツ係です。

VieVieさんのオヤツセンスはステキです。
今日のオヤツは「醤油チョコ」って。
普通、買いませんでしょ。
薦められたとき、以前、韓国土産でもらった
「キムチチョコ」の悪夢がよみがえりそうでした。
あと、「名古屋コーチンパイ」の白昼夢。
(なぜかうなぎパイに唐辛子が乗っています)

が!!
これが、おいしいんです!!
醤油とチョコのハーモニー!!
そのまんまですが。
なんか、おいしいんです!!!
(・・・伝わってますか?)

さっそくコンビニで探したところ、
全く見つかりません。
確かに、私が店長だったら入荷は躊躇する・・・

というわけで「醤油チョコ」の情報を
お持ちの方がいらっしゃいましたら、
コメント欄にお寄せ頂けますと幸いです!
お待ちしております。

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Vision見学記Part2-(2)

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石橋涼子ー現場の勢い


Visionは毎土曜日に土日放送分をまとめて録ります。

ディレクターさんは事前に原稿を読んで
音楽の間やイメージをぼんやりと描きます。
が、実際に音楽を選ぶのは、当日。
どんなに頭の中で考えても、
NAを聴いてみないとわからないから。

たとえば千利休。
和風な音をイメージしていたけれど、
この品のある感じはクラシックが似合いそうだ、と、
急遽バッハに変更してみたり。

その場でいくつも曲を聴いて
原稿の内容に、そしてVieVieさんの声に、
しっくりくるものを選んでいるのです。
「これだこれだ!」
ぴったりの曲を見つけたときの、ディレクターさんの
嬉しそうな声は
現場に勢いを与えてくれます。

そんなこんなで、迷ったり考えたり試したりしながら
選曲→録音→視聴を経てVisionはオンエアに至ります。
スピーディー。
(「納品」はありません。ここが放送局だから。うらやましい!!)

というか、あれ?本日の収録終了が18時です。
1本目はすでにオンエア済みじゃないですか!
夏休みの宿題を7月中にやるタイプだった私には
ちょっぴりスリリングなスケジュール感・・・

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Vision収録見学記part2-(1)

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石橋涼子-一発勝負のライブ感


再びVision収録現場におジャマしてきました
薄組の石橋です。
今回の収録、またまたラジオCMとの違いで
驚いたことがありました。

VisionはVieVieさんのナレーションと音楽を
同時に!録音しているのです!同録!!

セリフを噛んだら全部録りなおし。
音楽も一曲使用ならともかく、
数曲を組み合わせる場合は
ナレーションに合わせて一発勝負のミックスです。

すごーいすごーい!!

と、驚いていたら、プロデューサーさんに
なんで?と逆に驚かれました。
生放送が多いラジオとしては
これくらいの尺ならば一発で録れるのが常識なのです。

かっこいー。

モチロン、一発録り至上主義!というわけではありません。
ナレーション、音楽、SEそれぞれが素材としてスタンバイする中で、
何度かテイクを重ねながら、
30秒や60秒を仕上げていくラジオCMのつくり方も大好きなんですが。

とはいえ、VieVieさんとディレクターさんの息の合った
ライブ感には興奮です。
聴いているだけでドキドキです。楽しい!

そして!隣のスタジオではまさに番組生放送中。
ゲストに某アイドルグループ。の卒業生が来ていました。
「かわいいなあ」と、カメラ片手にちらちら覗いていたので、
スタッフさんにすっごく訝しげな顔をされました。
次回、Vision立会い不許可になったらすみません!

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Vision収録見学記(10)

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熊埜御堂由香―書く人と録る人

アイスクリームを落としただけで泣く石橋さんのお話は
Vision薄組の打ち合わせの場で飛び出した彼女の思い出話でした。

薄組は、薄景子さんを座長に、
薄さん、くまのみどう、石橋さんが原稿を持ち寄り
お互いの原稿を見ながら共通のテーマを見つけて
1日分、7~8本の原稿をまとめていきます。

打ち合わせで薄さん、石橋さんと話していたら、
わたしも小さい頃のことを思い出しました。
母親の長い、長い、お買い物が終わるまで
「ここで待ってるのよ」と言われ、手渡された
2段重ねのアイスクリームのこと。
ご褒美のはずの、それを食べきれずに
ドロドロに溶かしてひとり泣いたこと。

Visionの原稿を持ちよる、打ち合わせは
好きなひとの名前をこっそりだれかに
教えるような、なんともいえない恥ずかしさがあります。

だけど、どうでもいい話も、仕舞い込んでいた話も、
ついついしてしまう
そういう打ち合わせはたいそう盛り上がるのです。

収録の終わりにVieVieさんに言われました
「書き言葉と読み言葉で伝わることの違いをよく考えて原稿を書いてみてね。」

原稿で「哀しい」という言葉を使ったことに対する
アドバイスです。「哀しい」と「悲しい」のニュアンスの違い。
そう、原稿にした森茉莉というひとは
「哀しく、甘美で、幸せな」
人生をおくったひとですが、
「悲しい」人生を送ったひとではなかった。
そういう気持ちで書いていて、
そんな気持ちまで汲み取ってくれて収録するひとがいる。

自分が書いたものに他者のメスが入る、
おもしろさとおっかなさ。

収録から帰ってラジオをつけっぱなしにしていました。
VieVieさんの声がして、
自分が書いた言葉が、あたらしい音色で流れてきました。

(第一部 おわり)

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Vision収録見学記(9)

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石橋涼子―再び現場へ

そのころ収録現場では、
「男の人の涙って、理屈っぽくって、うすっぺらで、ダメね」
という言葉は、男性否定に飛びすぎでは?という意見が出ていました。

原稿を書いているときは、否定的なニュアンスにならずに
仕上げられるかと思っていたのですが、
Vision制作チームのみなさんとあーでもないこーでもないと
話し合っているうちに、もっと違うシメ方もあるなと思い直しました。

ドラとピカソの涙を比較してみるとか、
女の涙も男の涙も等しく肯定してみるとか、その場でうんうん考えました。

考えているうちに、個人的な恨みはさておき
「やっぱり涙に理屈っていらないんじゃないかな」
という自分の気持ちは変わらないことに気づきまして。

最終的に
「涙に理屈なんていらないのに」
という言葉で収録していただきました。

現場で迷うといつも、他のスタッフを不安にするかしらとか
現場の貴重な時間を私のせいで・・・とか
良からぬことを考えてしまうのですが。
Visionの現場は誰もが意見を言える雰囲気で、
つまり私も自分の意見をばんばか言えるし言わなきゃいけないし、
という、とてもとても有意義な雰囲気。

ぐずぐず悩むヒマがあったらコピーを1本でも多く書くべし!
と、コピーライターとして当然といえば当然のことを
胸に刻んだ一日でありました。

余談ですが、私はアイスクリームを落としただけで泣きますが、
みなさまいかがお泣きでしょうか。 (つづく)

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Vision収録見学記(8)

  • 森タワー090909

石橋涼子―現場ときどき脱線

収録が続きます。

私は今回2本の原稿を書かせて頂いたのですが
事件はピカソの愛人ドラ・マールによってもたらされました。

本能で泣く女ドラ・マールに対して、
一度だけ涙を見せたピカソ。
ドラが涙の理由を聞くと、

「人生はあまりにもひどい、という以外に説明ができない」

なんて言っちゃって、しっかり説明しちゃうんですね。

時代はスペイン内戦の真っ只中、
ピカソがゲルニカを制作していた頃。
ここでいう「人生」は、ピカソ個人の人生というよりも
運命とか、人の世の愚かさとか、もっと大きな意味ですね。

でも、私がこの話を読んだときに感じたのは、
原稿の最後に書いた一文、
「男の人の涙って、理屈っぽくって、うすっぺらで、ダメね」
という気持ちだったんです。

さて、また脱線します。

私事で恐縮ですが、学生のころの話でございます。
ある日、私への恋心が冷め切った恋人から、
とーとつに別れを切り出されました。とほほ。
そのとき、なぜか彼は、
意味の無い理屈を言いやがったのです。
「二人の成長のためにも、別れるしかないんだよ」

なぜ「冷めました」と素直に言えないのでしょうか。
理屈とか説明とかいらないから!
それ、自分のための言い訳であって、私のためじゃないから!
どあほー!!

あ、遠くに行ってばかりですみません!
Visionに戻ります! (つづく)

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Vision収録見学記(7)

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熊埜御堂由香―美しい音色の意味は?


Visionの最後には、
なにやらおしゃれなフランス語がMIXされています。
語学がさっぱりなわたしには、
「もにょもにょもにょもにょ、Vision」と聞えるけれど、
心地よいサウンドロゴみたいな、詩みたいなあの音色。
あらかじめ用意してあるひとつの素材をあてて
作っていると思ったら・・・

VieVieさんがその都度読んでいるではないですかー!!??

フレーズも数種類あって、
毎回、その場の判断で使い分けているそうです。

私の原稿にくっつく、あの「もにょもにょ」は
いま、読み上げられたあの音色、
世界にひとつしかないのかと思うとありがたさ倍増。


「もにょもにょ」は、日本語に訳しても美しい響きを持つ言葉です。


Vision du passé, (ヴィジョン・デュ・パッセ) 
過去のヴィジョン
du present, (デュ・プレザン)       
現在のヴィジョン
du future, (デュ・フューチュー)     
未来のヴィジョン

Le future etait deja la.  (ル・フュチュー・エテ・デジャ・ラ)
未来はもうそこにあった。
Vision

(つづく)

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