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2017 年 3 月 のアーカイブ

石橋涼子 17年3月26日放送

170326-01
風の話 ウォードの例え

アメリカで教育に多くたずさわった作家
ウィリアム・アーサー・ウォードが残した、こんな言葉がある。

 悲観主義車は、風にうらみを言う。
 楽観主義者は風が変わるのを待つ。
 現実主義者は帆を動かす。


そろそろ春らしい風を感じる季節。
心地いい追い風もあれば、
厳しい向かい風もある。

この春、あなたはどんな風を捉えるだろうか。



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石橋涼子 17年3月26日放送

170326-02
風の話 マーガレット・ミッチェルの風

「風と共に去りぬ」は、南北戦争時代のアメリカを舞台に
激動の人生を歩んだスカーレット・オハラの物語だ。

当初、出版社が想定していたタイトルは違うものだったという。
作者のマーガレット・ミッチェルは、
「風と共に去りぬ」が良いと思う理由をこう書き送った。

 去年の雪のように消え去った時代、
 戦争という風に吹かれて滅び去ったもの、
 風に立ち向かうのではなく、
 風と共に去った人々を象徴できると思うのです。


作者自身がモデルと言われている主人公は、
時代の風に翻弄されながら、
それでも明日に向かって生きることを、自ら選んだ。

どの時代も風は吹いているけれど、常に立ち向かわなくてもいい。
吹き飛ばされても、立ち上がればいいのだから。



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薄景子 17年3月26日放送

170326-03 hexion
風の話 風の名前と辻往夫

日本には風の名前が2000以上もあるという。
春の風だけとってみても、そこには
春を愛でる日本人の繊細な感性があふれている。

花を信じる風と書く花信風(かしんふう)は
花の季節の到来を告げるように吹くやさしい風。

光の風と書く光風(こうふう)は
うららかな春日和に吹きよせる風。あるいは、
雨上がりに光る日差しを浴びて吹く風をいう。

風の名前の多くは、
農家の人や漁師がつけたというが、
詩人、辻往夫は部屋を通り抜ける風に
自分だけの名前をつけた。

「風の名前」という詩の中で
辻は窓辺で風と対話する。

(お部屋の中を通っていい?)(いいよ?)

ご丁寧に許しをもらった風が部屋を通り抜ける時、
辻は手をさしのべて風の肉体にふれ、名前をつける。

 微風のマリー
 隙間風のジューン


春は人が風に恋する季節。
明日出会う風に、あなたはどんな名前をつけますか。



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小野麻利江 17年3月26日放送

170326-04
風の話 「明日は明日の風が吹く」

 明日は明日の風が吹く。

映画「風とともに去りぬ」を
締めくくる日本語訳として、
あまりにも有名なこのフレーズは、

幕末の歌舞伎狂言作家・
河竹黙阿弥の作品の中の言い回しが
ルーツだと言う説がある。

スカーレット・オハラの前向きさが
江戸っ子の気風の良さとつながるとは、
今になってみると、
実に不思議な、風の吹き回しだ。



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茂木彩海 17年3月26日放送

170326-05
風の話 「多分、風。」

冬が終わり、耳元をあたたかい春風がかすめると、
なんだか懐かしいような、甘ったるい気分になる。

サカナクションの楽曲、「多分、風。」。

 畦 走らせたあの子は 多分 風
 焦らせたあの仕草は 多分 風

自転車であっさりすれ違った「あの子」と「自分」。
その瞬間に起きた「風」を
実はお互いを気にしている「空気」として描いている。

 風走らせたあの子にやや熱い視線
 焦らせたこの季節に 連れて行かれたら


風が起こるのは、そこに何かのエネルギーがあるから。
それが恋だとしても、おかしくないのかもしれない。



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茂木彩海 17年3月26日放送

170326-06
風の話 風の妖怪かまいたち

日本では昔から、摩訶不思議な出来事が起きた時、
その出来事に名前をつけ、妖怪の仕業だと考えていた。

たとえば、外へ出て冷たい風に触れると
知らない間に太ももや手の甲などにあかぎれができる。
これは、かまいたちという妖怪の仕業。

冷たい風もようやく春風に変わる3月。
かまいたち達も、
気持ち良い風を受けながらまどろんでいるころだろうか。



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熊埜御堂由香 17年3月26日放送

170326-07
風のはなし チャーチルの名言

イギリスの政治家、ウィンストン・チャーチルが
風にまつわるこんな言葉を残している。

 Kites rise highest against the wind – not with it.
 凧が一番高く上がるのは、
 風に向かっている時である。
 風に流されている時ではない。


新しい仕事が始まる春。
この言葉を思い出せば、
きっといつでも前を向ける。



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熊埜御堂由香 17年3月26日放送

170326-08
風のはなし 風邪の語源

寒暖の差が大きいこの季節、
風邪をひいているひともいるのでは?

風邪の語源はピューと突然、吹く風のこと。
急にやってくる病で、
とくに悪霊が吹かせる邪悪な風が
人間に災いをもたらしているとされて生まれた言葉。

さぁ、今日も風のいたずらに翻弄されないように
まだまだ暖かくしておでかけください。



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三島邦彦 17年3月25日放送

170325-01
花ひらく 岡潔

明治生まれの数学者・岡潔。
多くの知識人から尊敬を集め、
数学の世界を超えて大きな影響を与えた。
そんな岡が数学を選んだ理由は、
十代の頃の感激にあるという。

 だいたい、中学校の三年、高等学校の一年というころ、
 感激するということをやってみることによって、
 感激するということのできる人になるということがあります。
 このとき受けた感激は、 種として心の奥深くまかれます。


 わたしはその時期に数学をやり、クリフォードの定理の神秘さに感激して、
 けっきょく、数学をやらなければ気がすまなくなった。

 

十代の頃にまかれた数学者の種は、
やがて大きく花ひらいた。
花がひらくには種がいる。
そしてその種はきっと、
あなたの中にもすでにある。



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三島邦彦 17年3月25日放送

170325-02
花ひらく 胡桃沢耕史(くるみざわこうし)

作家の胡桃沢耕史が
直木賞を受けたのは彼が58歳の年。
9歳の時に作家を目指し始め、
既に20年以上文筆で身を立ててきたが、
そのすべては出版社への持ち込み原稿で、
編集者から依頼受けたことは一度もなかったという。

賞さえとればこんなみじめな境遇から抜け出せる。
 五十八歳で、先輩諸氏の中にはかなり不愉快に思われる方のいる、
 必ずしも全面的に祝福されない状態の中でやっと取った。
 それでも運命は一転した。


一晩で、編集者からの扱いががらりと変わる。
遅咲きだからこその深い喜びが
そこにあったに違いない。



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