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門田陽

渋谷三紀 18年12月15日放送

181215-01
こたつの話 日本の家とこたつ

日本の冬の風物詩といえば、こたつ。
鎌倉時代に書かれた徒然草にも
「家は夏に合わせる」とあるように、
昔から日本の家屋は、
風通し良くつくられていました。
そのため、冬は部屋全体が温まりにくく、
冷たい空気が下に溜まって、
下半身を冷やしてしまいます。
床に座る日本の暮らしには、
こたつが理にかなっているのです。
たとえ下火になっても、
日本の冬からこたつが
絶滅することはない気がします。


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渋谷三紀 18年12月15日放送

181215-02 Kunitaka NIIDATE
こたつの話 室町時代のこたつ

室町時代の冬にもこたつがありました。
熱源は、囲炉裏。
消えかけの炭に灰をかけてから
その上に脚のついた台を置き、
布団をかぶせるスタイルです。
こたつからなかなか出られない人は、
「こたつ弁慶!」と呼ばれていたそうです。
今でもいますよね、こたつ弁慶。
時代につれてモノは変わっても、
ヒトというのは変わりません。


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渋谷三紀 18年12月15日放送

181215-03
こたつの話 こたつ開き

江戸時代には、「こたつ開き」の日がありました。
武士の家では旧暦で10月最初の亥の日、
庶民は2回目の亥の日になると、
こたつを部屋に出すのです。
なぜ亥の日かといえば、
摩利支天と呼ばれる炎の神である亥は、
防火の神でもあったから。
当時の囲炉裏を使ったこたつは
火傷や火事が絶えず、
防火は人々の切実な願いだったようです。


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渋谷三紀 18年12月15日放送

181215-04
こたつの話 イランのこたつ

日本から7000キロ離れた国、イラン。
首都テヘランが東京とほぼ同じ緯度にあるイランには、
コルシと呼ばれるこたつがあります。
意外と冬は寒いのです。
こたつにはみかんが定番ですが、
コルシにはざくろ。
冬になると農業ができず、夜が長いため、
コルシには自然と家族が集まってきます。
コルシを囲んで聞くおじいちゃんおばあちゃんの昔話や
お父さんお母さんの思い出話が、
イランの家族のきずなを温めてきたのです。


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渋谷三紀 18年12月15日放送

181215-05
こたつの話 ねこはこたつで

「ねこはこたつで丸くなる」と歌われるように、
ねこはこたつが大好きです。
どうしてでしょう。
ひとつは暖かいから。
それと、暗くて狭いからです。
野生動物だった頃、敵から身を隠していたねこ。
その名残で暗く狭い場所にいると、
本能的に安心できるのです。
のぼせないよう気をつけてあげながら、
いっしょにこたつで丸くなりましょう。
幸せそうな姿は見るだけでこころが温まりますしね。


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渋谷三紀 18年10月20日放送

181020-01 Photo by studiohzwei
ケーキなおはなし ザッハトルテ

こってりとした濃厚な味わい。
チョコレートケーキの王様と呼ばれる
ザッハトルテを考えたのはオーストリアのフランツ・ザッハー。
外相の屋敷に仕えていたザッハーは
病気で休んでいたメインシェフに代わり、
急きょ客人のためのデザートをつくることになります。
主人に恥をかかせられないというプレッシャーの中、
ザッハーがつくったザッハトルテは大好評。
ウィーン中で話題となりました。
ザッハーわずか16歳、
見習いを始めて二年目のことでした。
おいしさに年齢も経験も関係ない。
ケーキづくりの世界は、甘くないようです。


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渋谷三紀 18年10月20日放送

181020-02 Photo by Carwyn Lloyd Jones – Dylunio Creadigol
ケーキなおはなし ヴィクトリアン・スポンジ

パウンドケーキのような生地に
クリームとジャムを挟んだシンプルなケーキ、
ヴィクトリアン・スポンジはイギリス生まれ。
最愛の夫アルバート公を亡くして塞ぎ込む
ヴィクトリア女王をなぐさめようとつくられました。
しばらく屋敷に閉じこもり喪服を着続けた女王ですが、
なんとか政務にも復帰することができました。
ケーキがイギリス王朝を救ったと言ったら、
言いすぎでしょうか。


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渋谷三紀 18年10月20日放送

181020-03 Photo by sogni_hal
ケーキなおはなし タルトタタン

フランスの伝統菓子タルトタタン。
リンゴをつかったそのケーキが誕生したのは、
タタン姉妹が経営するホテル・タタン。
いつものように姉のステファニーが
アップルパイをつくっていたときのこと。
炒めすぎてしまったリンゴを
あわててなんとかしようと、
タルト生地をのせ、
フライパンごとオーブンの中へ。
焼きあがったケーキをひっくり返すと
焦がしたバターと砂糖が香ばしい
見事なタルトができあがっていたのだそうです。
失敗がケーキのもと、というお話。


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渋谷三紀 18年10月20日放送

181020-04 Photo by FoodishFetish
ケーキなおはなし エクレア

シュー皮+クリーム+チョコレート。
エクレアの完璧な組み合わせを発明したのは、
19世紀フランスの天才パティシエ、アントナン・カレーム。
カレームは天井からじょうろを吊り下げて
生地を流し込んでいたそうです。
ちなみにエクレアの語源はフランス語のエクレール。
稲妻という意味で、チョコが溶けないうちに
電光石火のスピードで食べてください、
というメッセージが込められています。
エクレア好きなら覚えておきましょう。


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渋谷三紀 18年10月20日放送

181020-05 Photo by katorisi
ケーキなおはなし バウムクーヘン

日本で初めてのバウムクーヘンが焼き上がったのは約100年前。
焼いたのは、捕虜として広島の収容所にいた
ドイツ人の菓子職人カール・ユーハイムでした。
薄い生地を何層も重ねて焼いたり、
冷めるまで回転させ続けるといった特殊な工程が
バウムクーヘンにはあり、
当時の日本の設備ではほぼ不可能と言われていました。
しかし「できるかできないかじゃない。やるんだ」と
仲間にたきつけられ、ユーハイムは奮起。
苦心の末に焼き上げたバウムクーヘンは、
一躍大人気商品になったのだそうです。
バウムクーヘンはドイツ人の意地と誇りの味なのです。


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