大友美有紀

大友美有紀 19年10月6日放送

emiton
楽器の話 パイプオルガンはじまり

秋です。ゆったりとクラシック音楽を
聴きに行くのはどうでしょうか。

最近はパイプオルガンのあるホールも増えてきました。
パイプオルガンはもともと束ねた笛のような楽器で
パイプに空気を送り込んで音を出しますが
紀元前のパイプオルガンは、
水圧で空気を送っていたとされています。
それが人力で、ふいごを使って送風するようになり、
今では電動で風を送っています。
古代から同じ姿の楽器、と思いきや、
文明の力も必要だったのです。



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大友美有紀 19年10月6日放送

Les_Williams
楽器の話 パイプオルガンの演奏方法

荘厳な音を響かせるパイプオルガン。
かつて教会では「神の声」を代弁する楽器とされていました。

今のパイプオルガンは、大きさにもよりますが
2500本から6000本のパイプを持っています。
ひとつのパイプで出せる音はひとつ。
音色と音の高さの違うパイプを揃えて、
使い分けて、音楽を奏でます。
ストップ、音の栓と呼ばれるレバーを操作して
ある音色群のパイプを選び、鍵盤で音階を弾く。
音量を操作するのは足元にあるペダル。
低音域の演奏も足で行います。
全身に鳴り響くような、あの音楽は、
全身で演奏されているのです。



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大友美有紀 19年10月6日放送


楽器の話 チェンバロ

パイプオルガンと同じく鍵盤楽器のチェンバロ。
バロック時代に広く愛された楽器です。

パイプオルガンは笛のようにパイプに空気を送り込んで鳴らす楽器。
チェンバロは弦楽器に鍵盤を組み合わせたもの。
似ているけれども音の出し方は違います。
チェンバロは鍵盤を押すと、
爪のついた部品が弦を弾いて音を出します。
ギターや琴のような仕組みです。
ひとつのキーに対して、2〜3の弦が張られていて、
レジスターという部品でどの弦を弾くか選ぶことができます。
鍵盤も1段から3段ものがあり、
複数あるものは移調できる構造になっています。
王家や貴族の家に置かれることの多かったチェンバロは、
家具の一部として美しい装飾が施されていました。
蓋の内側や、響板に、美しい風景画や花などの模様が描かれています。
最近、日本でもチェンバロの演奏会が開かれています。
バロック時代の貴族や王族が親しんだ音色と装飾を
味わってみませんか。



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大友美有紀 19年10月6日放送

erge
楽器の話 ポストホルン

笛を束ねた楽器が起源とされるパイプオルガン。
一方、角笛が起源とされるのが、ホルンです。
狩りの合図に使われていた角笛が、
金属製の狩猟用ホルンとなります。
管の部分をぐるりと巻いて、
馬上でも持ちやすいように工夫されました。
郵便馬車の到着や出発を知らせる、
ポストホルンという楽器も生まれました。

今でも、ドイツ郵便局のマークは、
ポストホルンをモチーフにしています。
それだけ身近だった、ということでしょう。



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大友美有紀 19年10月6日放送

Jean Louis Martenot
楽器の話 オンドマルトノ

オンドマルトノという楽器があります。
フランスの音楽家であり電気技師でもある
モーリス・マルトノが開発した電子楽器です。
鍵盤に弦が張られた本体と
大小のスピカーを組み合わせた楽器で、
電気回路で音を発生させる仕組みです。

20世紀初頭、電話やラジオなど電気回路を使った
装置が発明されました。
その装置がときに面白い音を発生させる。
それが音楽なるかもしれないと考えた人たちがいました。
マルトノも、その一人。

弦楽器のような音から宇宙的な音まで、
電気が生み出す音の不思議に耳を傾けてみませんか。



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大友美有紀 19年10月6日放送

白石准
楽器の話 ワーグナーチューバ

ワーグナーチューバという金管楽器があります。
リュヒャルト・ワーグナーが作らせました。
彼は「ニーベルングの指環」、
序夜「ラインの黄金」の、
「神々のヴァルハラへの入城」のテーマに、
フレンチホルンとチューバの中間的な音色が欲しいと考えました。
けれども、彼が求める音色を実現することは難しく、
楽器メーカーも楽器職人も叶えることはできません。
「ラインの黄金」の初演にも間に合いませんでした。
完成したのは、構想から実に20年以上経ったとき。
そんな思いと時間をかけて作り上げた
ワーグナーチューバ。
なのに、リヒャルト・シュトラウスは
その音を「耳障り」と評したのです。



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大友美有紀 19年10月6日放送

bvriesem
楽器の話 ダモーレ

「ダモーレ」と名がつく楽器があります。
ヴィオラ・ダモーレ、
フルート・ダモーレ、
オーボエ・ダモーレ。
イタリア語の「アモーレ」、愛から来ている名称で、
愛しい楽器、という意味です。
どの楽器も甘く柔らかい音色が特徴。
ヴィオラ・ダモーレは、
直接弾く演奏弦と長い余韻を響かせる共鳴弦があり、
独特な音色を奏でることができるそうです。
その反面、調弦の本数が多く、手間もかかります。
大きな愛が、必要です。



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大友美有紀 19年10月6日放送


楽器の話 指揮棒

音楽を奏でる道具のひとつ、指揮棒が登場したのは、
1810年代とされています。
それ以前は、通奏低音を担う
チェンバロ奏者が主に指示を出していました。
1829年にメンデルスゾーンが
ロンドンで指揮棒を使ったときには、
とても驚かれたといいます。

それから200年余り、
現在では指揮棒を使わない指揮者もいます。
大切なのはどんな音楽を奏でるか、だからです。



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大友美有紀 19年9月7日放送


額縁の話 歴史

西洋の額縁は、祭壇画から始まったと言われている。
絵板に描かれた宗教画を取り囲む画枠には、
装飾が施され、庇のようなものが備わっていることもある。
これには、ほこり除けの意味もあったようだ。
日本の額縁は、もともと神社や仏閣の「名」を彫り込んだ
横長の扁額(へんがく)で、
書を篆刻(てんこく)した木の板の縁に、
装飾を彫り込んだものが原型と言われる。

西洋でも東洋でも額縁が「祈り」の場から誕生したことは
とても興味深い。


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大友美有紀 19年9月7日放送


額縁の話 タベルナクル額縁

左右に柱があり、土台と破風を持った、
聖堂のファサードのような形をした額縁がある。
タベルナクル額縁、という。
タベルナクルは、建築用語で聖人像を置く
壁のくぼみを指す。
ルネサンス期にイタリアで、様々な様式が発展した額縁だ。
植物の連続模様や、渦巻き装飾が施され、時には金も使われていた。
描かれた肖像画を「聖なるもの」として周囲の家具から
区別していたとされる。

ただの豪奢なインテリアではない、
役割があったのだ。


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