蛭田組・森由里佳

森由里佳 19年6月9日放送

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梅雨 雨の名前

梅雨には、たくさんの名前がある。

たとえば、送り梅雨。
たくさんの強い雨と雷を伴う、梅雨が明ける頃の雨のことだ。

俳句などでも季語として使われるこの単語、
意味は
「早く梅雨が明けて欲しい」。

その願いに、
「追い出す」でもなく、「止める」でもなく、
「送る」という言葉を与えた人は、
とてもやさしい人なのだと思います。


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森由里佳 19年6月9日放送

chikache
梅雨 雨の名前

梅雨にもいろいろある。

たとえば、降るときは激しく降り、
止むときはすっきり晴れるときは、男梅雨。
強くはないが、しとしとと降り続けるときは、女梅雨という。

時代ごとの男女の印象が色濃く表れたこれらの言葉。

今だったら、どんな名前がつくのだろう。

少なくとも、
雨があがった大空には、
男も女もない、鮮やかな虹色が良く似合う。


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森由里佳 19年6月9日放送

Kanko*
梅雨 晴れの名前

突然ですが、
さわやかな五月晴れ、
と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

実は、「さわやかな五月晴れ」は、
あべこべな言葉です。

それもそのはず。
「さわやか」は秋の季語。
そして、五月晴れは、6月の梅雨の晴れ間のこと。
旧暦にあわせた言葉だから、1か月ほど違うのです。

でもね、細かいことを言っても、
梅雨の晴れ間はうれしいものです。
今の時期なら初夏の季語を使って、
「すがすがしい五月晴れ!」がおすすめです。


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森由里佳 19年5月12日放送


風 風の神さま

風の神様、ときいて、
金屏風に描かれた風神雷神図を思い出す人もいるでしょう。

青い鬼のような見た目をした風神が、
白い布を頭上にたなびかせ、
対となる雷神と共ににらみを利かせる有名な絵。

この白い布は、風を蓄えた袋だと言われますが、
実はこの風神のスタイルは、日本固有の物ではありません。

風の袋を持つ神をうつした美術品は、
なんと、およそ1900年前のアフガニスタンの地でも発見されています。

大陸を超えて吹く風のように、
文化もまた、自在に世界をめぐるのですね。


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森由里佳 19年4月14日放送

Photo by Rose Elena on Unsplash
生まれるとき むすことむすめ

むすことむすめ。
どちらも「むす」がつきますね。

この「むす」って、いったい何なのでしょうか。
ヒントは、

苔むす。
草むす。

そう。
むすという言葉には、
生じる、生まれるという意味があり、
漢字でも、生む(産む)という字があてられます。

生まれてきてくれて、ありがとう、おめでとう。
むすこも、むすめも、
そんな祝福が込められた言葉だったのですね。


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森由里佳 19年4月14日放送

Photo by Kevin Keith on Unsplash
生まれるとき 人生の朝

ハッピーバースデー・トゥー・ユー♪
世界中で親しまれるこの曲が、
実は替え歌なのをご存じだろうか。

本当の歌詞はこうだ。

Good morning to you, good morning to you.
Good morning dear children.
Good morining to all.

これは、かわいい子供たちへの朝の挨拶。
あたらしい一日の始まりを告げる歌。

お母さんから生まれるその瞬間、
こどもたちは、まぶしく輝く人生の朝をむかえる。


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森由里佳 19年3月10日放送


戦争を伝える

若い世代に、戦争を伝えたい―

日本各地にある戦争資料館。
来訪数は少なく運営も立ち行かないと多くの資料館が頭を抱える中、
異例の訪問数を記録する場所がある。

茨城県、筑波海軍航空隊記念館。
かつての特攻隊訓練所に構えるその場所では、
なんと、VRで零戦による飛行体験ができるという。

もちろん「不謹慎だ」という声もありますが、
あなたはどう思いますか?


…いずれにしても、
今あなたの頭に賛否両論がよぎったならば、
この記念館は、十分に役目を果たしていると言っていいのかもしれない。

74年前の今日は、東京大空襲の日。
空を刺すような高層ビルのその先に、想いを馳せてみませんか。


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森由里佳 19年3月10日放送


戦争を感じる

菊月。
今もソロモン諸島の海岸に眠る、日本海軍の駆逐艦だ。

あるアニメ作品をきっかけに、
この船の砲身を引きあげるために政府と交渉し、
クラウドファンディングで資金を募り、
日本に持ち帰った強者がいる。

弱冠20歳の佐瀬賢太郎さんだ。

戦争があったという事実だけでなく、
どんな船に何人乗って、どういう戦いをしたのかを、
手で触れて冷たい、重いというように実際に記憶で残すこと。
それが、戦争を知らない世代に伝えていく上で大切だ、と語る。

時を超え遺る戦争の面影は、
今なお私たちに訴えかける力がある。

さあ、東の空を見上げよう。
74年前の今日、この空は東京大空襲を迎えたのだから。


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森由里佳 19年2月17日放送


スープ スープの始まり

やわらかな湯気をまとうスープに浸した、ちぎったパン。
口に含むと、
麦の香ばしい薫りとスープのやさしい味が
ゆっくりとあたたかく拡がってゆく。

実は、これがスープのはじまりです。

もともと保存食だったパンは、
大きなものを焼いておいて、
食べるたびに切り出していたもの。

中世ヨーロッパでは、
硬くなったパンをおいしく食べるために
野菜や豆、肉の煮汁に浸して食べていたそうです。

じんわり、ひたひた、ぽかぽか、ほっ。
今日の夕食に、そんなスープはいかがですか?


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森由里佳 19年2月17日放送

hey tiffany!
スープ ブイヤベース

色鮮やかな魚にトマト、ハーブ、サフランなどをお鍋でグツグツ。
見た目にも豪華な魚介スープと言えば、ブイヤベース。
フランス・マルセイユの名物料理だ。

実はマルセイユには、ブイヤベース憲章という
マルセイユ市が定めた公式レシピが存在する。
その一部を紹介しよう。

「ブイヤベースの具材にする魚は地中海の岩礁に生息するものに限定し、
タイ、ヒラメ、オマールエビ、貝類、タコ、イカは入れないものとする」

なるほど、これでは地中海以外の国々が再現するのは難しい。
多くの店でブイヤベース「風」、とされるのもうなずける。

ウィットにとんだプロヴァンスのシェフたちの
いたずらな笑顔が目に浮かぶ。


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