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2014 年 12 月 のアーカイブ

中村直史 14年12月28日放送

141228-01 Marianne Bevis
言葉2014 ロジャー・フェデラー

「もうフェデラーの時代は終わった」
そんな観客たちの声を、彼は感じていただろうか。

2014年ウィンブルドン。

ピークを過ぎたはずのロジャー・フェデラーは躍動した。
体力が落ちた分は技と精神力でカバーした。
ピンチを何度ものりこえ、進んだ決勝戦。
第4セット。
対戦相手ジョコビッチのマッチポイント。
さすがに、フェデラーもここまでか。
だれもが思った。力の差は歴然に見えた。

けれど、ここからのフェデラーはすさまじかった。
毎日少しずつ何かをあきらめている僕らは、
決してあきらめちゃダメなんだと、
最終セットに突入するフェデラーを見て思った。

表彰式。チャンピオン、ジョコビッチの第一声。

 僕はフェデラーのありとあらゆるすべてを尊敬する。

それは場を盛り上げるための
賛辞なんかではなかった。



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中村直史 14年12月28日放送

141228-02 Se7en Summits
言葉2014 石川直樹

写真家であり、冒険家でもある、石川直樹。
彼の写真が特別な理由はシンプルだ。

 だれも行ったことのない場所で写真をとれば、
 だれも見たことのない写真になる。


でも、この世界に
だれも行ったことのない場所なんて残っているのだろうか?
インターネットでどんな場所のことも知ることができるこの世界で?
そんなギモンに、石川直樹は答える。

 世界を知ったつもりになると、とたんに世界はつまらなくなる。

毎日歩く駅までの道のりだって、
本当はまだ何も知らないのかもしれない。
毎日は冒険なのだ。



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三島邦彦 14年12月28日放送

141228-03
さようなら2014 エボラ出血熱と闘う人々

アメリカのタイムズ誌が選ぶパーソンオブザイヤー。
その年最も世界に影響を与えた人物を選ぶこの企画が、
2014年に選んだのは、
The Ebola Fighters。
「エボラ出血熱と闘う人々」だった。

西アフリカからの世界的な大流行の兆しに、
国際社会が恐怖した2014年。
その中で、感染の拡大防止に取り組む人々がいた。

その一人、看護助手サロメ・カーワーさんは
国境なき医師団の一員として
日々患者の入浴や食事の手伝いをしている。
両親をエボラで失い、自らもエボラに感染しながら生き抜いた彼女。
国境なき医師団に加わった理由をこう語る。

 神様が私にもう一度、他の人を助けるチャンスをくれた気がするんです。

人類を救おうとする勇気。献身。
彼らのかけがえのない努力のおかげで
わたしたちは新しい年を迎えることができる。



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三島邦彦 14年12月28日放送

141228-04 The_Old_Grey_Wolf
さようなら2014 ディディエ・ドログバ

その瞬間、テレビの前にいた誰もが、スタジアムの空気の変化を感じた。

2014年6月14日。
ワールドカップ日本対コートジボワール。
前半に日本が1点を先制して迎えた後半、ひとりの選手が途中出場した。
ディディエ・ドログバ。
かつて、テレビカメラに向かって語りかけたことがきっかけで、
激しかった内戦が停止したという伝説の男。
ドログバはその時のことをこう語る。

 サッカーは宗教のようなもの。その影響力を母国の未来のために活用したまで。

母国では大統領以上の影響力を持つ
その男の背中に、
多くの人は神を見た。



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三島邦彦 14年12月28日放送

141228-05 keith Allison
さようなら2014 デレク・ジーター

ニューヨークの貴公子と呼ばれた野球選手、デレク・ジーター。
今年、その華やかな野球人生に幕を閉じた。
宇宙飛行士が宇宙からメッセージを贈るなど、
この上なく豪華な引退セレモニー。
そのスピーチで、彼はこう語った。

  思うに私は世界でもっともすばらしい仕事に就いてきました。
  たった一つしかないニューヨークヤンキースの遊撃手になる
  チャンスに恵まれたのです。


どんな重圧をも楽しめる心。
それが彼の何よりの武器だった。



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三國菜恵 14年12月28日放送

141228-06 kenmat
さようなら2014 今年の漢字

年末に発表される『今年の漢字』。
2014年の漢字は、税金の「税」だった。
実はこの文字、全国の一般公募から決められている。

ちなみに今年の第2位には
「熱」という字がノミネート。
デング熱、エボラ出血熱の流行。
ソチ五輪や錦織選手の熱戦。
夏の甲子園の延長50回の熱戦。

言われてみると、確かに熱い一年。
今年も残り数日。こころとからだをあたたかに。



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三國菜恵 14年12月28日放送

141228-07 Lisandro M. Enrique
さようなら2014 高倉健

映画「あなたへ」の中で共演した
大滝秀治と高倉健。

高倉は晩年、大滝からもらったある言葉を胸に
カメラの前に立っていた。
それは、二人が文通をしていた便せんに
したためられていた言葉。

 僕にとって一つの仕事は、いつも一つの事件です



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三國菜恵 14年12月28日放送

141228-08 Rs1421
さようなら2014 岩崎俊一

今年の終わりのありがとう、
お歳暮で伝える人もきっと多いことだろう。

西武百貨店などの広告コピーで知られる
コピーライター・岩崎俊一。
こんな言葉をのこしている。

 うまいことを言う人より、
 うまいものをくれる人を、
 信じなさい。


「おいしいね」を分けてくれる人をたいせつに、
来年も、よいお年を。


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佐藤理人 14年12月27日放送

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カルティエ・デザイン①「トリニティとコクトー」

 この世にまだない指輪が欲しい

1923年のある日、詩人ジャン・コクトーが
フランスの高級ブランド、カルティエを訪れた。

小説「肉体の悪魔」の作者にして最愛の恋人、
レイモン・ラディゲへの贈り物。

そうして生まれたのが、
クリスマスプレゼントとして
日本でも人気の高い

 トリニティリング

トリニティとは「三位一体」のこと。
絡み合う白、黄色、ピンクのゴールドは、
「友情」「忠誠」「愛」を意味する。

しかしラディゲは病のため、
指輪の完成を待たずに
二十歳の若さでこの世を去る。

哀しんだコクトーは
ラディゲと自分の2つのトリニティリングを
終生同じ指にはめ続けたという。



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佐藤理人 14年12月27日放送

141227-03
カルティエ・デザイン②「サントスと飛行機」

 飛行中でも操縦桿から
 手を離さずに時間を見たい


1906年のある日、
ブラジルの飛行機王サントス・デュモンが
フランスの高級ブランド、カルティエを訪れた。

時計といえばまだ懐中時計が一般的な時代。
腕時計は小さな懐中時計に革ひもをつけただけの
女性のアクセサリーでしかなかった。

デザインも機能も妥協しない、
男性が堂々と使える腕時計を作りたい。
そうして生まれたのが世界初の紳士用腕時計、

 サントスウォッチ

現在、多くの高級時計で使われている
金属製の留め金具、通称「Dバックル」も、
カルティエの発明である。

今を告げる時計に、
カルティエは未来を見ていた。


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