薄組・茂木彩海

茂木彩海 19年1月27日放送


お茶のはなし イギリスのお茶文化

お茶文化を代表する国、イギリス。

ヴィクトリア朝時代の元首相、
ウィリアム・グラッドストンはかつて、紅茶にまつわるこんな言葉を残した。

 紅茶は、
 寒いときには、温めてくれるでしょう。

 気分が落ち込んでいる時には、元気づけてくれるでしょう。

 気分が高ぶっている時には、落ち着かせてくれるでしょう。


1日7回ものティータイムを過ごすと言われるイギリス人。

回数こそ敵わないが、
お茶が欲しくなる瞬間は、案外どこの国でも変わりないようだ。


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茂木彩海 19年1月27日放送


お茶のはなし 織田信長のお茶会政治

お茶好きで知られる武将に、織田信長がいる。
信長が特に愛したのは茶の湯、いわゆるお茶会である。

当時の褒美である土地の代わりに、茶器を与えたり、
お茶会を催す権限を特定の部下だけに与えるなど、
お茶会を政治的に利用した。

他の戦国武将たちが圧倒的な武力で政権を確立していく中で、
武力とは正反対のお茶会で天下を目指してしまうとは。

あなどるなかれ、お茶の力。


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茂木彩海 18年12月23日放送

181223-07 ryanacandee
愛のことば 熱帯に暮らす小鳥の場合

青い背中に、細いしっぽ。
まるで帽子をかぶったかのような赤い頭がかわいらしい
熱帯に暮らす鳥、オナガセアオマイコドリ。

体長10センチほどのこの小鳥は、愛の言葉をダンスで伝えるのだが
1羽のメスに対して、2羽のオスでダンスをする決まりがある。

この2羽のオス、実は厳しい師弟関係を結んでおり、
弟子入りまでに8年、
師匠になって、自分がプロポーズできるようになるまで
さらに10年もの年月がかかるという。

弟子は師匠のプロポーズを見ながら愛の言葉を学び、
弟子入り前の若いオスたちは、プロポーズの様子を見学しながら
暇さえあればダンスの練習を欠かさない。

彼らの苦労と比べれば、同じ生き物として
好きな時に好きなだけ愛の言葉をささやけるというのは
案外幸せなことなのではないだろうか。

愛のことばは、人間だけに与えられた、
謳歌すべき特権のひとつなのである。


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茂木彩海 18年12月23日放送

181223-08 Digital image courtesy of Wellcome Library London
愛のことば 愛のことばの伝え方

愛は言葉にして伝えるべきか、
言葉にしなくても伝わるのが真実の愛か。

ささやかでありながら、意見が分かれがちなこの議題。
どうやら昔から話し合われてきたテーマのようで、
中世を生きた2人の学者たちも、それぞれこんな言葉を残している。

1人目は数学・物理学の学者であるパスカル。
彼は言う。
人は恋愛を語ることによって 恋愛するようになる。

一方、
法学・古典文学の学者、ペトラルカが遺した言葉はこうである。
どんなに愛しているかを
話すことができるのは、
すこしも愛してないからである。

時代が変わっても、大切なのはその愛する気持ちが本物かどうか。

言葉にするかしないかはどちらでも。
今年はあなたらしい方法で、愛を伝えてみませんか。


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茂木彩海 18年11月25日放送

181125-07 Photo by Sailko
靴のはなし オードリー

ブランドに詳しくない人でも一度は耳にしたことがあるであろう
「サルヴァトーレ フェラガモ」。

その歴史は1927年と古く、フェラガモがわずか11歳の時に靴屋を開業。
その後24歳で自身の店舗をもつようになってからは、
解剖学を学び、足に触れただけで客の体調がわかったと言われている。

デザイン性と機能性を併せ持つフェラガモの靴は
当時の映画スターから注目を集め、
マリリン・モンローやソフィア・ローレンなど名だたる女優から支持を受けた。

なかでもオードリー・ヘップバーンは
生涯フェラガモがつくった靴しか履かなかったと言われているほどの大ファン。

そんな彼女に答えるように、フェラガモも彼女のための靴をつくっている。
靴の名前は「オードリー」。

細身のストラップが付いたフラットのバレエシューズは
動きやすくシンプルなのに、どこか上品。

ブレない芯を持ちながら、しなやかに生きる彼女の名前に
フェラガモは彼の靴づくりにおける美学を込めたのだろう。


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茂木彩海 18年11月25日放送

181125-08
靴のはなし 世界で一番古い靴

10年前、アルメニアの洞窟で
5500年前の革靴が発見された。

靴の底には断熱材と思われる草が敷き詰められ
パーツは皮ひもでしっかり縫い合わされ、
贅沢にも牛の一枚皮で作られていた。
あまりに現代的なデザインが、学者たちを驚かせた。

靴のサイズは24.5センチ。
当然、誰が履いていたのか気になるところだが、
時代背景からメソポタミア文明を築いた
シュメール人ではないかと考えられている。

ところがこのシュメール人、
高度な文明を持つものの民族系統が不明の謎の民族。

靴作りの技術をいったいいつ、どこで、どうやって学んだのか。
毎日履く靴にすら、謎は多い。


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茂木彩海 18年10月28日放送

181028-03 Photo by Jballeis
パンダのはなし パンダ外交

「パンダ外交」という言葉があるように
昔からなにかと人はパンダに集まり、物事を動かしてきたふしがある。

この「パンダ外交」、初めて行われたのはなんと
さかのぼること中国、唐の時代。

初代皇帝の孫が二頭の生きたパンダと大量の毛皮を日本に贈り、
両国間の商取引が停止している間の友好のしるしとしたことから
始まったと言われている。

中国成立後は旧ソ連に対して親善大使としてパンダを贈ったことを皮切りに、
隣国である朝鮮に。ヨーロッパ諸国との関係が緩和されると、
国交を樹立した記念としてフランスに。

その後もイギリスに、メキシコに、スペインに、ドイツに…、
さらにはオーストラリアにまで。
中国生まれのパンダたちは次々と旅立って行った。

もしこの世界にパンダがいなかったら。
不要な争いや政治の衝突が世の中に増えていたのかもしれない。

そう思うと、何者もつい笑顔にしてしまうパンダパワーは、
意外にあなどれないものである。

動物園で寝ころびながら竹を食べるその姿につい、
世界を救うヒーローを重ね見る。


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茂木彩海 18年10月28日放送

181028-04 Photo by Mark Dumont
パンダのはなし パンダという名前

一度聞いたら忘れられない「パンダ」という名前。
覚えやすく、小さい子供も発音しやすい。
そんなことも、常に人気者であるひそかな理由なのかもしれない。

そんなパンダだが、もともとは「レッサーパンダ」を指す
名前だったことをご存じだろうか。

なんでも、現在の「パンダ」を指す
ジャイアントパンダが新たに発見されたことがきっかけで
いままでのパンダに「小さいほうの」という意味の「レッサー」を
つけたのだという。

「レッサー」パンダからしたら失礼な話だが、
どちらもパンダはパンダ。

その可愛さを前に、人類はなす術がないのである。


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茂木彩海 18年9月30日放送

180930-07 Photo by Gabriel Jimenez
大地のはなし 癒しの土

動物たちはミネラル不足を補うために
自ら進んで土を食べることがあるそうだが、
ネイティブ・アメリカンたちも土を「イワーキー」と呼び、
心労回復のために食べる習慣があるという。

イワーキー。意味は、癒しの土。

大地はいつでも動物たちの亡骸を静かに受け止め、木々を育て続ける。
数百万年もの間、優しく、ゆっくりと。

私たちの足元には、そんな究極の癒しが広がっている。


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茂木彩海 18年9月30日放送

180930-08
大地のはなし 土偶の秘密

女性や妊婦、精霊を表現して作られたと言われている
土から生まれた偶像、土偶。

土偶が盛んに作られた縄文時代は、世界にも類を見ない平和な時代であり、
1万年という長い年月でありながら争いで人が死ぬことなど
ほとんどなかった、と言われている。

現代人が夢見る争いのない社会。

縄文時代の平和な大地から生まれた彼女たちなら
その秘密を知っているのだろうか。


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