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藤本組・村山覚

村山覚 17年6月10日放送

170610-01 keso
時の記念日 上原ひろみ「Time Travel」

ジャズピアニスト、上原ひろみは
10年前に「Time Control」というアルバムを出した。
収録曲はすべて《時間》をテーマにしている。

音楽は、時間の芸術であると言われる。
ミュージシャンが放つ一音一音は
矢のように飛んで、あっという間に消えていく。

アルバムの3曲目「Time Travel」という
曲の解説で、上原ひろみはこう綴っている。

 研究に研究を重ねても、出来ない時間旅行。
 科学的には無理でも、心の中では常にしている。
 過去を思い、未来を想う。


いまこの瞬間に聴いた音は、二度と戻ってこない。

しかし私たちは、
ラジオから好きな曲が流れてきた瞬間、
時間も空間も飛び越えられる。
そう、音楽はタイムマシンなのだ。

きょうは、時の記念日。


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村山覚 17年6月10日放送

170610-02 Agent Smith
時の記念日 上原ひろみ「Time Control」

ジャズピアニスト、
上原ひろみのアルバム「Time Control」。
収録曲はすべて《時間》をテーマにしている。

アルバムの7曲目のタイトルが、
ちょっと長くて興味深い。
「Time Control, or Controlled by Time」

本人による楽曲解説にはこう綴られている。

 忙しい毎日の中で生まれる、
 時間に追われているような感覚。
 時間を支配するのは自分だろうか、
 それとも支配されているのか。


いいミュージシャンには
時間をコントロールする特殊能力がある。
時を止めたり、巻き戻したり、
あっという間に早送りする力だ。

8曲目は「Time Flies」。時間が飛んでいく。
そしてアルバム最後の9曲目のタイトルは
「Time’s Up」。

きょうは、時の記念日。


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村山覚 17年5月20日放送

170520-02 kamums
計量の話 具志堅用高

きょうは「世界計量記念日」。
計量が欠かせないスポーツといえば、ボクシング。

43年前、沖縄から上京した若きボクサー、具志堅用高。
トレードマークのアフロヘアは、
身体を大きく見せるための工夫でもあった。

試合前の減量は1ヶ月前からはじめる。
住み込みでバイトをしていたとんかつ屋のマスターが
仕入れてくれたヒレ肉と、野菜サラダで身体を絞った。

試合当日。計量後の定番メニューは、
ステーキ、鰻、スッポンの血、そして、アイスクリーム。

 世界チャンピオンになったら楽しいよ。
 モテるし、誘いも多いし、おいしいもの食べれるし!


伝説のチャンピオンの原動力は、おいしいもの。

でもやっぱり体重は気になりますよね。
あなたは食べる前に計る?それとも、食べてから計る?


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村山覚 17年5月20日放送

170520-03 small-life.com
計量の話 舞の海

きょうは、メートル条約が結ばれた「世界計量記念日」。
数センチメートルの差に泣き、それを克服した男のお話。

ときは平成元年。大学の相撲部で活躍していた小柄な男が
大相撲の新弟子検査にのぞんだ。規定の身長よりも背が
低かったので、鬢付け油を頭の上で固めて身長計にのった。
しかし、暑さで油が溶け、規定に達しなかったため不合格…。

翌年、その男は頭にシリコーンを埋めて、見事合格する。
そこまでやるかという声もあったが、
相撲への情熱は誰よりも強かった。

彼の名は、舞の海。のちに「平成の牛若丸」「技のデパート」
と呼ばれ、体重が2倍も3倍もある小錦や曙といった
巨漢の力士とも張り合った。

 大きい力士も小さい力士と組むのは怖いんですよ。
 どんな相撲をされるか分からないから。


男の情熱、そして巧みな戦術を、数字で計ることはできない。


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村山覚 17年2月11日放送

170211-05 Christopher Hsia
ぬいぐるみの話 ジム・ヘンソン

カエルのカーミット。
世界で一番有名なカエルのキャラクター。

テレビにデビューしたのは1955年。
後に『セサミ・ストリート』で一世を風靡する
ジム・ヘンソンが生み出した、世界初のマペットだ。

ある日、カーミットはオックスフォード大学に
招待された。アインシュタインやマザー・テレサ、
歴代の大統領など多くの著名人が立った演壇で、
彼はいつも通りに大きな口を開けて語った。

 兄弟もたくさんいたし、
 両親は私を大学に進学させられなかったんだ。
 他のカエルみたいに生物学部に入って
 解剖学を専攻することもできたけど……
 まぁ向いてなかったんだろうね。


もし彼が大学に進んでいたら、
ぬいぐるみの歴史が大きく変わっていただろう。



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村山覚 17年2月11日放送

170211-04 thotfulspot
ぬいぐるみの話 ジム・ヘンソン

世界中から今も愛されている番組『セサミ・ストリート』。
登場するマペットたちの生みの親として知られるのが
ジム・ヘンソンだ。

今から60年以上前、操り人形のマリオネットと、
パペットを組み合わせて「マペット」という言葉を
使いはじめたのも彼である。

ジムは亡くなる前に、2つの遺言をのこした。
1つは、自分のお葬式で黒い喪服を着ないでほしい。
そして、ジャズバンドを入れてほしい。

追悼式当日。ニューヨークの大聖堂にカラフルな
キャラクターたちが集まった。エルモ、ビッグバード、
クッキーモンスター…。そして、番組では一切顔を
見せない人形師たちが、泣いたり、笑ったりしながら、
たくさんの歌を捧げた。

その日、ジムの手紙も読み上げられた。

「みんなと愛し合い、許し合って、いい人生にしよう」
「生きている間にこんな手紙を書いているのは妙な感じがするけど…
 死んじゃった後に書くのは簡単じゃないからね」


いつも愛とユーモアに満ちたジム・ヘンソンが生み出した
マペットたちは、これからもずっと生き続ける。



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村山覚 16年12月10日放送

161210-04
1998年1月8日の雪

その日は雪が降っていた。
1998年1月8日。全国高校サッカー決勝。

試合開始時の気温は0.8℃。湿度は94%。
一面まっ白に染まった国立競技場は
まともなプレーができる状態ではなかった。

前半終わって1-1。ハーフタイム中に
ゴール手前の雪がとりのぞかれた。
結果的に、そのことが試合の流れを変えた。

後半5分。東福岡高校の10番・本山が
ほんの少しだけ緑が見えるペナルティエリアに
ドリブルで切り込む。帝京のディフェンダーが
いなくなったスペースに9番・青柳が飛び込んで
逆転ゴール。

後に本山はこう語った。

「みんな覚えてくれている。
 雪があったおかげだと思います」


まっ白な雪は、
ドラマを色鮮やかにする舞台装置でもある。


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村山覚 16年11月12日放送

161112-04
小篠綾子と洋服

大阪・岸和田の呉服屋の長女として育った

小篠綾子は洋服が大好きだった。



ふとんの裏地を縫い合わせて自分のワンピースをつくった。

女学校をサボっては、町で唯一ミシンのある店に通いつめた。



そのことは父の耳にも入る。

呉服屋からしてみれば、洋服屋は商売仇。



「許して」「あかん!」「許して」「あかん!」



父の反対を押し切り、

ミシンや裁断の勉強をするために学校を中退。15歳だった。



およそ20年後。着心地がよくおしゃれな洋服が評判になった

コシノ洋装店に、ある注文が届く。自分が中退した母校から、

制服をつくってほしいという依頼だった。



洋服は時代とともに変わり続けるが、

ぴかぴかの服を着る喜びは、今も昔も変わらない。


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村山覚 16年11月12日放送

161112-05
福沢諭吉と洋服

今から144年前。福沢諭吉は大学内に
衣服仕立局という洋服屋をつくった。

当時、洋服は半年分の学費に相当する超高級品。
西洋を学ぶ若者たちのために
国産・低価格の服を仕立てて販売した。

 洋服の便利なるは今更いうに及ばず。

一万円札の肖像で和服のイメージが強い福沢先生。
学問だけじゃなく洋服もすゝめていたんですね。


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村山覚 16年10月8日放送

161008-03 Simon Cocks
読書の話 北方謙三

日本を代表するハードボイルド作家、歴史小説家、
そして、数々の文学賞の選考委員でもある北方謙三。
彼が、旅のお供に持っていく本とは…?

 旅行に重い本を持っていって、つまらなかったら腹が立つ。
 だから、絶対面白いと分かっている本を持っていく。
 全部読むわけではなくて、好きなところだけ読むんだけど。


本があるとないとでは人生の豊かさが違ってくると語る北方。
とあるインタビューで、本の読み方を聞かれて、こう答えた。

 男だったら流行とは関係なく、
 本の背からにじみ出るにおいを嗅ぎとって選ぶんだ


電子書籍やネット小説にはない、紙とインクのにおい。
新しい本にも古本にも、それぞれ独特のにおいがある。

いよいよ、読書の秋。本のタイトルや装丁で選ぶジャケ買いもいいが、
“におい”で選んでみると、運命の一冊と出会える…かもしれない。


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