薄組・熊埜御堂由香

熊埜御堂由香 19年8月11日放送


太陽のはなし 太陽常温説

真夏の日本を焦がす太陽。
その表面温度は6000度もの高温と言われている。
でも、それを確かめに行った人間はいない。
実は、太陽の表面温度は26度程度とする
「太陽常温説」を唱えている学者もいるのだ。

太陽により近い上空が、地上よりも低温なのはなぜか?
18世紀に、天王星を発見した天文学者、
ウィリアム・ハーシェルが疑問に感じ、最初に唱えた。

正直、こんなに暑いのに、
それが太陽の放つ熱の仕業でないとは思えないけれど。
太陽みたいな絶対的な存在さえ疑ってみる。
その知的好奇心があれば、事の真偽を確かめるため
人類が、太陽へたどり着く日もくるかもしれない。


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熊埜御堂由香 19年6月30日放送


半分のはなし ハーフバースデー

赤ちゃんの6ヶ月の誕生お祝いをする、
ハーフバースデーが流行っている。
元々は、アメリカやイギリスの習慣だ。
子どもの誕生日が、学校の長期休暇と重なった時に、
半年前後に、友達も呼んでお祝いをしていたことからきている。

成長をみんなで見守りたい。
その心は日本版、ハーフバースデーも同じ。

ちょうどその頃、寝返りがうてるようになって視野が広がる。
授乳に並行して離乳食も始まり、食への興味も生まれる。
生まれたての赤ちゃんを守っていた母親からの免疫が、
切れて、病気にかかりやすくなる時期とも言われる。
まさに、自立の半歩を踏み出す、ハーフバースデー。

1年待たずに祝福したい、
赤ちゃんの命の輝きがその時間には満ちている。


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熊埜御堂由香 19年5月26日放送

puffyjet
Beautiful Harmony 幼老複合施設

宮崎駿監督の映画、崖の上のポニョ。
主人公の宗介は、老人ホーム「ひまわりの家」の
お隣りの保育園、「ひまわり園」に通う。
これは宮崎さんが、ずっと構想していた
理想郷、イーハトーブ町を映画の設定にしたという。

そんな宮崎さんの未来予測がいま、
「幼老複合施設」と呼ばれ現実になっている。
老人ホームと、保育園や小学生の学童保育を併設するような、
子どもと高齢者が一緒に過ごせる施設だ。
そこではさまざまな調和が生まれている。

仕事で、お母さんの帰りが遅くなる時には
おばあちゃんが面倒を見てくれる。
昔あそびを教えてくれたり、
時には厳しく叱ってくれることもある。

学校が終わり、子どもたちが「ただいま」と言って
ホームに入ってくるとみんなで「おかえり」と出迎える。
すると、いままで、家に帰りたいと落ち込んでいた
おじいちゃんの表情がガラッと明るくなる。

令和は英語でBeautiful Harmony。
少子高齢化をネガティブに捉える見方もある。
でも、光の当て方を変えれば、
みんなが協力して生きていく時代とも言える。
さぁ、和気藹々と。令和の時が流れますように。


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熊埜御堂由香 19年4月28日放送

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平成よ、ありがとう。 「平成30年–2018年」

平成30年に日本の「来訪神」が
ユネスコ無形文化遺産に登録された。
秋田のなまはげのような、
家まで来訪する神様たちだ。
全国の同じような風習の10の神様が登録された。

一部の地域では、過疎化と少子高齢化で、訪問する家が激減。
若手の神もなかなか募れず、身に応える。
それでも、次の時代に繋ぎたい。
「泣く子はいないか?」
という暖かい見守りの視点。

平成よ、ありがとう。
いよいよ、令和へ。


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熊埜御堂由香 19年3月31日放送

cyber
畑のはなし 綾町の畑

ふるさと納税で全国の畑の味を
食卓で味わうチャンスもぐっと増えた。
そんな中、注目される街がある。
宮崎県綾町だ。
2008年のふるさと納税開始時には300万円だった
寄付金が、現在では10億円以上の金額が集まる。
それは単に豪華な返礼品に理由があるのではない。

綾町は有機農業に力を入れていて、全国各地から
多くの農業を志す人が移住してくる街なのだ。
そこで役所の人が企画した返礼品は、綾町へのご招待の旅だった。
畑を巡り、美味しいものを食べてもらう。
目的は寄付金額を集めることではなかった。
ただ、綾町を好きになってもらいたい。
そう思い企画して、本当にみんなが綾町を好きになった。

その土地、その産地ならではの
畑の恵みを味わうこと。
それは、まるで、
故郷がまたひとつふえたような
喜びを私たちに与えてくれる。


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熊埜御堂由香 19年3月31日放送


畑のはなし スマート農業

スマート農業と言われるロボット技術や
人工知能を活用した農業が広がりを見せている。
ドローンで無人で畑を点検したり農薬散布する。
人手と労力のかかる収穫をロボットが請け負うなど
すでに実用化されひとの手を大いに助けている。

高価な機材と専門的な知識がないと
始められなかった農業が、
手に届く価格の機材の登場や、
農業の知見がデータ化されることで、
若い人も始められるようになった。
結果的に、農業人口減少の中で、
自給率の確保を助けるいい循環を生んでいる。

そのテクノロジーは、人間の仕事を奪うのではない。
人間が営んできた、
農業という営みを未来へ繋ぐ相棒だ。


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熊埜御堂由香 19年2月24日放送

Stagiairec
雪のはなし 雪のカーニバル

ハルビン、札幌、ケベック。
寒い、寒い、この街では、世界三大雪まつりに数えられる
祭典が毎年開かれている。

中でも一番歴史が古いお祭りが
1894年にはじまった
カナダのケベックウェインターカーニバルだ。
暑い、暑い、リオのカーニバルや
ニューオリンズのマルディグラと
並んで、世界第3位のカーニバルとも呼ばれている。

こちらのお祭りは、
雪の彫像で来場者を楽しませることはもちろん、
住民たち自身が冬を陽気に楽しみ尽くすための年中行事。
世界遺産にも指定されている美しい街が
冬を楽しむアクティビティに溢れる。

犬ぞりレースに、カヌーレース、水着姿でのバレーボール大会など
200以上のイベントで盛り上がる。
トナカイやバッファローの串焼きに、
メープルシロップのバーも開かれ、
ケベックならではの冬の味を食べ歩く。
会期中は、郊外にアイスホテルが期間限定でオープンして、
来場者も極寒ステイを満喫できる。

街中が熱気に包まれるこのお祭りは、
ケベックの人の、生まれ育った場所に
舞い降りる雪への愛情がつまっている。


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熊埜御堂由香 19年1月27日放送

Teddy Song
お茶のはなし 茶柱の奇跡

縁起がいい茶柱が立った。
お茶の時間に稀に起こる奇跡だ。
実際、ここ最近、茶柱に出会った
経験をしたひとは少ないのではないだろうか。

それもそのはず、
まず、茶葉に入っているお茶の茎が
急須の網の目をかいくぐり、湯飲みに入ること
自体が珍しい。

さらに最近の急須は、その手前で
茎をストップさせる網の目の細かい茶こしがセット
されていることも多い。

さらに、背伸びしてちょっと高いお茶に手を
伸ばしても、茶柱は遠ざかる。

茶柱の縁起担ぎは、
駿河の茶商人が、質が劣る茎茶を売るための
セールストークだったという説がある。

贅沢なお茶ではなく、番茶や茎茶を家で飲む。
そんなありふれた日常に、茶柱が小さな幸せを呼び込む。
とても温かなジンクスだ。


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熊埜御堂由香 19年1月27日放送


お茶のはなし ボストン茶会事件

アメリカ独立戦争のきっかけは、
お茶が起こした争いだった。

1773年の「ボストン茶会事件」だ。
当時、イギリスの植民地だった北アメリカで、大流行の紅茶に
一方的な通告で税金がかかることになった。

植民地政策へ不満が募る中、
ボストン港に茶葉を積んだ東インド会社の貿易船が停泊した。
その船を「ボストン港をティー・ポットにする」と叫びながら、
急進派市民が襲撃し、茶箱を海へ投げ捨てた。

この事件は、紅茶の不買運動も引き起こした。
アメリカに、紅茶派よりもコーヒー派が
多いのはそのためだと言われる。
どちら派であっても、お茶には平和が似合う。
お茶を穏やかに味わえる幸せを、今日も感じよう。


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熊埜御堂由香 18年12月23日放送

181223-02
愛のことば 愛の教科書

1956年に出版されてから、
世界中で読み継がれている愛の教科書がある。
ドイツの哲学者、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」。
愛とは、修練で身につける技術であるとフロムは説き、
「他者を愛する」能力を身につける方法が体系的に記されている。

フロムはこう問いかける。
人々が愛を軽く見ているわけではない。
それどころか誰もが愛に飢えている。
ところが、愛について学ばなければならないことがあると考えている
人はほとんどいない。

その上で、こんな厳しい言葉を投げかけてくる。
愛というものは簡単に浸れるような感情ではない。
真の意味で人を愛するには、
自分の人格を発達させ、全力で努力しなければならない。

つまり、大事なのは、
愛されること、愛を受け取ることばかり求めるのではなく、
愛すること、愛を与えることをまず考えること。

何度読み返しても難しいけれど、
クリスマスの直前に、
フロムの教科書をもう一度、復習してみようか。


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