名雪祐平

名雪祐平 20年9月26日放送



パニック 笑い病

笑いすぎて、息もできない。

1962年、タンザニアのカシャーシャ村で
発生した、笑い病。

一人の女子生徒がジョークを飛ばして
数人の笑いが止まらなくなり、
生徒、教師に爆発的に感染し、学校閉鎖の事態に。
すぐに村全域が冒され、30km離れた村まで広がり、
1000人以上が笑い苦しんだ奇病。

いったい、最初のジョークは何だったのか?
わかれば、仏頂面のあの人にプレゼントしたい。

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名雪祐平 20年9月26日放送



パニック 踊りのペスト

踊ろうよ、絶命するまで。

それは「踊りのペスト」と呼ばれた。

1518年、フランスのストラスブール。
フラウ・トロフィアという女性が
突然、村の通りで踊り出した。
気絶するまで踊り、意識が戻っては踊り……。

その狂気は、1か月後400人以上に伝染。
不眠不休で踊り狂った末、
餓死、衰弱、心臓発作などで100人近くが死亡した。

なぜ、人間は死ぬまで踊りたがるのか?
その原因はまだ解明されていない。

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名雪祐平 20年9月26日放送


prelude2000
パニック 結束

富士山は命を奪う。

1980年夏、富士山で落石事故があった。
死亡者12人、重軽傷者29人。

直径1〜2mの岩石約50個が
斜面を地響きをあげて落下。
下山中の人たちをつぎつぎとなぎ倒した。

パニックの中、無傷の親子3人がいた。
下に逃げず、逆に上の落石方向を向いた。
父親を先頭に、母親、小学三年の息子で
タテ一列。

右! 左! 叫ぶ父に合わせて、
母親と息子は左右に跳び、岩をかわしつづけた。

パニックへの冷静な判断と
結束した行動が、命を救った。

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名雪祐平 20年9月26日放送



パニック デマ

1973年、女子高生のたわいない冗談が
市民を巻き込む大騒動へ発展した。

愛知県・豊川信用金庫への就職が決まった
女子高生を、ともだちが軽い気持ちで
からかった。
「信用金庫はあぶないよ。強盗が入るから」

からかわれた女子高生が
その話を親戚に伝えると、いつのまにか
話がすり替わってしまった。
「信用金庫は、経営状態が危ない」

親戚から親戚、近所から近所、
信用金庫倒産のデマが広がってしまい、
またたく間に20億円の貯金が引き出される
パニックとなった。

きょうのtwitterに、
似たようなデマが紛れ込んでいるかも?

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名雪祐平 20年9月26日放送


nakashi
パニック 隣人

世界の新型コロナウイルスの感染者数、
約3000万人。
けれど、わたしたちはいま、
パニックに浮足立っているだろうか?

ノー。わたしたちは毅然と、希望を捨てずにいる。

春、イタリアの住人たちが窓の外に向かって
いっしょに歌い、励まし合ったように。

世界中の医師や看護師たちが、
いまも献身的な仕事を続けてくれているように。

無数の寄付があつまり、
無名のボランティアたちが行動してくれたように。

わたしたちも、だれかを思い、守っている。

これから深刻な事態があるのかもしれない。
それでもわたしたちは、
隣人を思うことを決してやめないだろう。

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名雪祐平 20年7月25日放送


papadont
ラジオ旅行代理店 スナフキンの場合

いらっしゃいませ。
こんな旅、あります。

ムーミンの親友 スナフキンの場合。

 本能にしたがって歩くのがいいのだ。
 ぼくは磁石を信用したことなどないし、
 磁石は人間の自然な感覚を惑わせるもの。

身軽に、リュックサックひとつで
行けるところまで。

スナフキンのように、
ハーモニカも吹きたいところですが、
ちかごろは、マスクを忘れずに。

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名雪祐平 20年7月25日放送



ラジオ旅行代理店 ブーバーの場合

いらっしゃいませ。
こんな旅、あります。

宗教哲学者 マルティン・ブーバーの場合。

 どんな旅にも、
 旅人自身も気づいていない
 秘密の目的地がある。

長くつづければ予定が狂い、
アクシデントもあるのが、旅。

行ってみなければ、わからない。
いつか、とんでもないところに
たどりつくのかもしれません。

人生も長旅のようなもの。

2020年、とんでもないことが起きました。
秘密の目的地は、まだ見えてきません。

気をつけて、いってらっしゃい。

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名雪祐平 20年7月25日放送



ラジオ旅行代理店 アンデルセンの場合

いらっしゃいませ。
こんな旅、あります。

童話作家 アンデルセンの場合。

 旅を十回すれば、十回分だけ若返る。
 旅は、精神の若返りの泉。

 
たしかに、知らない世界は刺激的。
好奇心もイキイキ。
生命力が強くなる気がします。

さて、次回の旅は、いつ?

自粛することなく、
自由に旅できる日が来ますように。

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名雪祐平 20年7月25日放送


Photo by Athena from Pexels
ラジオ旅行代理店 戸川昌子の場合

いらっしゃいませ。
こんな旅、あります。

小説家 戸川昌子の場合。

 孤独という切符を買ってでも、
 自由な旅人でいたい。

独り旅。だからこそ、
誰にも束縛されず、
得られる自由がある、と。

でも、この夏は何かと不自由……。
孤独という切符は、
どれだけ売れるのでしょうか?

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名雪祐平 20年7月25日放送


NASA’s Marshall Space Flight Center
ラジオ旅行代理店 チトーの場合

いらっしゃいませ。
こんな旅、あります。

世界で初めて自費で宇宙旅行した、
デニス・チトーの場合。

 世界初でも、50番目でも、
 500番目でも構わない。
 ただ行きたいだけだ。

さて、あなたが行くなら、
何番目になるでしょう?

5,
4,
3,
2,
1,
発射!

想像するところから、
もう旅は始まっています。
 
宇宙、2時間、25万ドルから。

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