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名雪祐平

名雪祐平 17年2月25日放送

170225-01
卒業する君へ バラク・オバマ

2016年、ハワード大学、卒業式。

壇上に、バラク・オバマ大統領。

全米屈指の黒人名門大学で、
オバマは卒業していく若者が
何をなすべきかを語った。

 ハワード大学は、多くのパイオニアを
 生み出してきました。
 黒人初の文学賞受賞者。
 黒人初の最高裁判事。


 しかしながら、
 ハワード大学のミッションは、


 最初のパイオニアを輩出するのではなく、
 それが最後の人にならないように
 することです。


オバマ自身が、最初のパイオニアである。

この卒業生のなかに、
やがて二人目の黒人大統領になる若者が
いるのかもしれない。


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名雪祐平 17年2月25日放送

170225-02 Detroity2k
卒業する君へ スティーブ・ジョブズ

2005年、スタンフォード大学、卒業式。

壇上に、Apple創業者、スティーブ・ジョブズ。

世界で最も有名な卒業スピーチが生まれた。

 Stay hungry, stay foolish.
 ハングリーであれ、愚かであれ。


その2年前の2003年。
膵臓がんの告知を受けていたジョブズは、
同じ卒業スピーチで、こうも語った。

 好きなものを見つけなければならない。

 今日が人生最後の日なら、
 今からやることをやりたいか?


5年後の2010年。
イベントで観客からジョブズへ質問があった。

あの卒業スピーチに、
今、何か付け加えるとしたら?

 そうだな、何を言うかな…

 きっともっと大きな声で話すだろうな。
 なぜなら今はより強く思うんだ。


 人生は、はかない。


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名雪祐平 17年2月25日放送

170225-03 Fort Greene Focus
卒業する君へ ジョージ・ソーンダーズ

2013年、シラキュース大学、卒業式。

壇上に、人気作家、ジョージ・ソーンダーズ。

いままでで最も後悔したことを語った。

 あれは、中学1年の時だった。
 エレンという女の子が転校してきた。
 小柄で恥ずかしがり屋な子だった。
 金髪の髪を口で噛んだりして。

 
 みんな、エレンを無視するか、からかった。
 髪の毛、おいしい? などと。


 おれは、そんなことには加担しなかった。
 だけど、何もしなかったんだ。
 エレンが家の庭に立ち、
 学校に行くことを恐れていたのを
 知っていたくせに。

 
そのうち、エレンの一家は引っ越していった。
42年も経っても忘れられない。

作家は卒業生をみつめ、伝えた。

 私が、
 人生で最も後悔しているのは、
 やさしくなりきれなかったことだ。

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名雪祐平 17年2月25日放送

170225-04 Mathieu Thouvenin
卒業する君へ ジェフ・ベゾス

2010年、プリンストン大学、卒業式。

壇上に、Amazon創業者、ジェフ・ベゾス。

10歳の時の、忘れられない旅について語った。

祖父と祖母とジェフ。
車で旅行していた。
助手席で、祖母はよく煙草を吸っていた。

なんでも計算が得意なジェフは、
煙草が寿命を縮めるという知識をもとに、
祖母の肩をトントンとたたき、得意気に言った。

 たばこ一口で2分寿命が縮まるんだ!
 つまり、おばあちゃんの寿命は
 もう9年も縮まっているんだよ!


自分の賢さを褒めてほしかった。
けれど、祖母は泣き出してしまった。

祖父は車を停め、外に出た。
ジェフにも来るように促した。

祖父は穏やかにこう言った。

 ジェフ、
 いつかわかる日が来ると思うが、
 賢くなるよりも
 やさしくなるほうが、
 はるかに難しいことなんだよ。



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名雪祐平 17年2月25日放送

170225-05 @cpe
卒業する君へ ドリュー・ヒューストン

2013年、マサチューセッツ工科大学、卒業式。

壇上に、DropBox創業者、ドリュー・ヒューストン。

人生をよくする3つのキーワードを語った。

ひとつ、テニスボール。

 成功者は
 気になって仕方ない大切な問題を
 解決することに没頭している。
 テニスボールを追いかける犬のように。


ひとつ、サークル。

 自分の周り、サークルに刺激的な人間を
 たくさんもつ。
 マイケル・ジョーダンだって
 NBAに行かなければ、ただの人さ。


ひとつ、30,000日。

 人生は30,000日しかない。
 そう気づいた時、僕はもう
 9,000日終わってたんだ。
 人生を完璧主義で生きるのをやめよう。
 いますぐ、自分の人生を面白くしよう。


さて、みなさん。
人生、何日過ぎましたか?
きょう1日も、そろそろ終わります。


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名雪祐平 16年10月29日放送

161029-01
Bob Dylan 『Blowin’in the Wind』

ボブ・ディラン、21歳。

『風に吹かれて』
を書いた。

 どれだけ道を歩けば
 一人前の男として認められるのか?
 いくつの海を飛び越えたら
 白い鳩は砂浜で安らぐことができるのか?
 何回弾丸の雨が降ったなら
 武器は永遠に禁止されるのか?
 答えは 友よ 風の中
 答えは風の中


黒人差別の解消を求める
公民権運動が高まるなか、
書かれた歌詞。

その文学性は、
差別や戦争がなくない限り、
永遠に世界中に響きつづける。


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名雪祐平 16年10月29日放送

161029-02
Bob Dylan 『Like A Rolling Stone』①

ボブ・ディラン、24歳。

『ライク・ア・ローリング・ストーン』
を書いた。

 どんな気分だ?
 何を感じる?
 帰る家もなくして
 誰にも知られることなく
 ただ転がる石のようになってさ


地位も名誉もお金もある女性が
人生を転がり落ちていく歌詞は
その社会批評性が絶賛され、大ヒットとなる。

皮肉にも、
若いディラン自身がこの曲によって、
地位も名誉もお金も手にしてしまった。

しかし、そこに留まろうとするディランではなかった。
Like A Rolling Stone


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名雪祐平 16年10月29日放送

161029-03 brizzle born and bred
Bob Dylan 『Like A Rolling Stone』②

ボブ・ディラン、24歳。

『ライク・ア・ローリング・ストーン』
を歌った。

フォークの神様となったディランが
エレキギターに持ちかえ、演奏始めると、
フォークに固執する客席から「裏切り者!」と
バッシングが飛んだ。

それでもディランはかまわず、歌った。
自分が歩んできた道を破壊したのだ。

 自分自身が変われ。
 転がる石のように。


これが、その夜から、
ロックの定義そのものになった。

『ライク・ア・ローリング・ストーン』は、
ローリングストーン誌が選ぶ
オールタイム・グレイテスト・ソング500の
第1位と輝いている。


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名雪祐平 16年10月29日放送

161029-04
Bob Dylan 『The Times They Are a Changin’』

ボブ・ディラン、19歳。

『時代は変わる』
を書いた。

 ラインが引かれると
 呪いが放たれる
 足の遅いやつだって
 早くなることもある
 今新しいことも
 明日には古くなる
 秩序だって
 混沌に変わる
 正義だって
 悪徳になる
 時代は変わるのだから


この歌詞をジョン・F・ケネディ大統領の
就任演説をテレビで眺めながら
ディランは走り書きした。

2年後にレコーディング。
そのわずか1ヶ月後、
ケネディ大統領は暗殺された。

時代は変わる。
ディランが書いたように、変わる。


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名雪祐平 16年10月29日放送

161029-05 mkarakoulaki
Bob Dylan

ボブ・ディラン、75歳。

『ノーベル文学賞』受賞。

オバマ大統領はツイッターで受賞を祝福した。
「私の大好きな詩人、
 ボブ・ディラン、おめでとう」

ディランは受賞決定後初のコンサートを
ラスベガスで開いた。
多くのファン、世界中のメディアが詰めかけていた。

ディラン、ステージに登場。
観客、総立ち。大歓声。

しかし、受賞のメッセージは一切なく。

『風に吹かれて』など17曲を演奏し、
歌うためにここに来て、去っていった。

歌詞こそ、メッセージ。
ディランらしい態度だったのかもしれない。

 答は風の中


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