藤本組・藤本宗将

藤本宗将 19年3月9日放送


切手のはなし レコードの切手

切手といえば、
コレクションを楽しむ人たちも多い。
そのため世界には、コレクター目当てに発行された
変わり種切手もたくさん存在する。

有名なのが、ブータンのレコード切手。
1970年代に発行されたこの切手は直径10数cm。
ちゃんと溝も刻まれており、
プレーヤーにかけるとブータン国歌や
ブータンの歴史を語る音声を聴くことができる。

ちなみにさらなる音質を求めたのか、
2008年にはCDの切手も発行されている。

さらに時は流れ、
手紙も、音楽もデータになってしまった時代。
これから果たしてどんな変わり種切手が
生まれてくるのだろう。


topへ

仲澤南 19年3月9日放送


切手のはなし  チョコレート味の切手

チョコレートの本場、ベルギー。
そこで生まれたのはなんと、
チョコレート味の切手だ。

裏面ののりにカカオの成分を使うことで、
なめるとチョコレートの味がするという。
味の再現は簡単ではなく、
最終的にはベルギー、ドイツ、オランダ、スイスと
各国の専門家が集まった。

ちなみにこの切手、
インクにもカカオの香料が使われている。
貼りつけるときにおいしいだけでなく、
届いたときにもチョコレートの香りが演出できるのだ。

今年のバレンタインデーは終わってしまったが、
チョコレートの香りとともに届く贈り物なんて、粋な計らいだ。


topへ

永久眞規 19年3月9日放送


切手のはなし  世界初の切手

世界で唯一、
切手に国名を書いていない国がある。
それは、世界で初めて
切手を採用した国、イギリスだ。

その昔、郵便料金は現在よりもかなり高額で、
さらには着払い方式だった。
そのため郵便物の受け取りを拒否する人も多かったそうだ。

19世紀前半のイギリス。
税制研究家のローランド・ヒルが郵便制度を改革した。
差出人が料金を払うプリペイド方式を提唱し、
郵便物の表には小さな支払い証明書が貼り付けられた。

それこそが、世界初の切手「ペニー・ブラック」。
1840年のことである。

180年近く経った今でも、
イギリスが国名のない切手を使用しているのは、
世界初という誇りを示しているのかもしれない。


topへ

福宿桃香 19年3月9日放送


切手のはなし 点字の切手

点字郵便物というものをご存知だろうか?
第四種郵便物にあたるそれは、点字のみで書かれた手紙のこと。
日本国内では3㎏以下のものであれば、
切手を貼らずに無料で送ることができる。

だが、目の見えない方たちが
切手をたのしめる機会がないわけではない。
世界には数多くの点字切手が存在するからだ。

初めて点字入りの切手を発行したのはブラジル。
1974年のことで、エンボス加工で点字が浮き彫りになっているものだった。
ベネズエラ、ウルグアイ、デンマークなども次々とそれにつづき、
日本からも2種が発行された。
これらの点字の内容は切手の額面であることが多いが、
中には切手のデザインにあわせて
「クリスマスおめでとう」などのメッセージを記したものもあった。

点字をなぞれば、情景が浮かぶ。
切手がただのお金ではなく、見てたのしめる芸術品でもあることは、
目の見えない方にとっても同じなのだ。


topへ

村山覚 19年3月9日放送

Diorama Sky
切手のはなし 春の便り

「日本の切手」と聞いた時、
あなたはどんな図柄を思い浮かべるだろうか。

1円切手に描かれている白髪の紳士は、前島密。
2円から50円切手まではニホンザルやトキなどの動物。
62円からは花。205円からは国立公園。
そして一番高額な1000円切手には富士山が描かれている。
2cm四方の小さなキャンバスに日本の美がぎゅっと詰まっている。

目にする機会が多いのは、62円切手だろうか。
そこに描かれているのは、可愛らしいソメイヨシノだ。

桜の開花宣言が待ち遠しい今日この頃。
出会いや別れのご挨拶が書かれた葉書を、
小さな桜が運んでいると思うと、なんだか愛おしい。


topへ

永久眞規 19年1月26日放送

FotoMediamatic
発酵食品 シュールストレミング

世界で一番臭いと言われる
食べ物を知っているだろうか?

それは、スウェーデンの伝統食品
シュールストレミング。
ニシンの塩漬けを発酵させたものだ。

その臭さを侮るなかれ。
ノルウェーのとある夫妻が屋根裏で見つけたのは、
25年前に購入したシュールストレミングの缶。

その間ずっと自然発酵し続けていた缶は、パンパンに。
破裂したら恐ろしいことになると
パニックになった夫婦は、なんと軍に通報。

後に、無事撤去されたが
ニュースにもなる大騒動となった。

たった1缶で、
街全体を巻き込むほどの匂いを持つ食べ物は
他にあるまい。

topへ

村山覚 19年1月26日放送


hirotomo
発酵食品 関東のくず餅

透き通ったお餅に、きな粉や蜜などをかけて食べるくず餅。
葛粉の産地がある関西では、定番の和菓子だ。

一方、関東地方では、色や香りが異なるくず餅があり、
江戸時代から長く愛されているのをご存じだろうか。

関東のくず餅は、葛ではなく、小麦粉のでんぷんが主原料。
とある老舗メーカーでは、1年以上かけて自然発酵させたでんぷんを
お湯で練って蒸し上げるそうだ。

色は白っぽく、かすかにヨーグルトのような香りがするのが特徴。
和菓子では唯一の発酵食品で、乳酸菌の効果が注目されている。

関東と関西で似て非なるくず餅。
食べ比べてみるのも面白そうだ。



topへ

藤本宗将 19年1月26日放送

preetamrai
発酵食品 豆腐餻と泡盛

沖縄独特の発酵食品といえば
「豆腐餻(とうふよう)」。
琉球王朝時代から代々伝えられてきた珍味で、
沖縄では泡盛を飲みながら、
箸や楊枝で少量ずつそいでゆっくり味わう。
その風味はエダムチーズのようだとも、
ウニのようだともいわれる。

つくりかたはシンプルで、島豆腐を
麹と塩、そして泡盛で漬けておくだけ。
麹菌による発酵に適した環境は
25~30℃の温度と高めの湿度だが、
それがまさに沖縄の気候というわけだ。

もちろん雑菌も増えやすい環境ではあるが、
そこで活躍するのが豆腐を漬ける泡盛。
高いアルコール度数で腐敗を防いでくれている。

泡盛があるから豆腐餻ができる。
豆腐餻があるから泡盛がうまい。
ふたつの発酵食品は、
沖縄が育んだ最高のコンビなのだ。


topへ

仲澤南 19年1月26日放送

FoodCraftLab
発酵食品 テンペと納豆

インドネシアの納豆とも呼ばれる、テンペ。
日本の納豆と同じように作り方はシンプルで、
火を通した大豆に菌を付着させ、
発酵させることで作られる。

しかし同じ大豆で、似た工程を経て作られる
発酵食品であるにもかかわらず、
テンペと納豆では見た目や味がかなり異なる。
納豆が茶色く、糸を引く強い粘りと
強烈な匂いを持つのに対し、
テンペはクリーム色のブロック状に固まっていて粘りはなく、
味や匂いも淡白だ。

この違いを生んだのは、
それぞれが誕生した環境。
藁が敷き詰められた日本の住居では、
稲の藁に付着している納豆菌が、
赤道直下のインドネシアでは、
ハイビスカスやバナナの葉に付着しているテンペ菌が、
それぞれ大豆に働きかけたのである。

同じ大豆の発酵でも、その環境や働く菌の違いによって
まったく別の食べ物が生まれる。
発酵は、食べ物の可能性を想像以上に広げてくれるのだ。


topへ

福宿桃香 19年1月26日放送


発酵食品 チョコレート

納豆、チーズ、キムチ…
そんな発酵食品の定番と並んで、
チョコレートもその一つであることをご存知だろうか?

そのレシピは次のとおり。
まずカカオ豆を果肉ごとバナナの葉や皮で包み、置いておく。
すると、微生物の力で発酵が徐々に進み、
カカオ豆は50℃以上にまで発熱。
乳酸菌や酢酸菌が活発に動き、甘み成分やアミノ酸が生成される。
6日ほど発酵させたら、豆を乾燥させ、すり潰し、
私たちが良く知るチョコレートの形に完成させるのだ。

なんとチョコレートの味も、この発酵期間が左右する。
発酵が短いと酸味が強まり、
長すぎたものは、納豆のような出来上がりに。
数時間の違いでこれほど差が出るなんて、
発酵の世界はシビアである。


topへ


login