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川野康之

川野康之 17年4月22日放送

170422-01
百人一首の日その1 藤原定家

藤原定家は、友人の宇都宮入道から頼まれた。
日本の今までのすべての歌人の中から100人を選んで
一人一首ずつ収めたベストアルバムを作ってくれないかと。
今までと簡単に言うが万葉集の時代から現代までおよそ600年にも渡る。
この間数多くの歌人が現れて、無数の歌が歌われてきたのだ。

だが定家はひきうけた。
これまでに編んだ国家事業の大歌集の時とは違って、
一人の歌詠みとして、
今度は自分のほんとうに好きな歌だけを選んでみたいと思った。

こうして1235年5月27日、京都小倉山の別荘で百人一首は発表された。

選ばれた100人の歌びととその歌は、
日本人の心の中に生き続けることになった。




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川野康之 17年4月22日放送

170422-02
百人一首の日その2 右近

歌びと、右近。
歌のうまい、恋の噂が絶えない女流歌人。

男にもてもてで、たくさんの恋愛をした右近。
その彼女が、ふられたときにつくった歌がある。
心変わりをした恋人に向けて、プライドの高い彼女が送った歌。

ぜったいに忘れないと神さまに誓ったよね。バチがあたってあなた死ぬわよ。

 わすらるる身をば思はず誓いてし 人の命の惜しくもあるかな

このラブソング、何度も口ずさむと右近のいじらしい思いが伝わってきます。
ほんとに好きだったんだな。

藤原定家が選んだ100人とその歌、百人一首。


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川野康之 17年4月22日放送

170422-03
百人一首の日その3 権中納言敦忠

歌びと、権中納言敦忠。
歌人にして琵琶の名手。美貌の持ち主。

若き敦忠は恋というものがおもしろくてしかたない。
人はなぜ人を好きになると苦しいのか。
苦しいのになぜ恋をするのか。
恋は不思議。
人間って不思議。

ある朝、敦忠はこんな歌を作って、今逢ったばかりの恋人に送った。

やっと君を僕のものにしたというのになぜだろう。
苦しいんだ。君を得たいと苦しんでいたときよりももっと。

 逢ひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり

まるで初期のビートルズのように純情です。

藤原定家が選んだ100人とその歌、百人一首。


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川野康之 17年4月22日放送

170422-04 数楽者
百人一首の日その4 河原左大臣源融

歌びと、河原左大臣源融。
栄華を極めたハングリー貴族。

源融は家柄が良く才能があり、おまけに人よりも野心が強かった。
出世の道を登り詰め、権勢をほしいままにした。
京の六条に豪邸を建て陸奥の国の風物を再現したテーマパークまで造った。
その融が老いてから若い娘に恋をした。
一目惚れである。
心が乱れて、どうしていいかわからぬ。
歌を書いた。

 陸奥のしのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに

この私をこんな風にきりきり舞いさせるなんて誰のせい。
みんなあなたのせいだよ。

そんな恋の歌もある。

藤原定家が選んだ100人とその歌、百人一首。


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川野康之 17年4月22日放送

170422-05 ひでわく
百人一首の日その5 左京太夫道雅

歌びと、左京太夫道雅。
没落貴族の家に生まれた青年歌人。

道雅は恋人と会うことを禁じられた
お相手は内親王という高い身分のかた。
こちらは没落貴族の息子。
世間に認められるはずがない恋だった。

道雅は恋人にひそかに文を送った。
そこにはこんな歌が綴られてあった。

 今はただ思ひたえなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな

ぼくはこの恋をあきらめよう。
ただそれだけはせめて人づてではなくあなたに伝えたかった。

彼らの恋を、百人一首が今に伝えている。

藤原定家が選んだ100人とその歌、百人一首。


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川野康之、参戦

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久しぶりに新メンバーの登場です。
川野康之。
元電通クリエイティブの局長。
大ベテランです。
ご期待ください。

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