川野康之

川野康之 19年12月28日放送


焚き火の話

地球上で焚き火が行われ始めたのはいつ頃だろうか。
50万年前の北京原人の遺跡には焚き火の後が残っている。
30万年前から3万年前まで地球に住んでいたネアンデルタール人は、
焚き火で煮炊きまでしていたという。

動物の皮や樹の皮を鍋代わりに使っていたらしい。
そんなものを火にかけたら燃えてしまわないかと心配になるが、
水が入っていれば沸点以上には温度が上がらないからだいじょうぶなんだそうです。


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川野康之 19年12月28日放送


焚き火の話

ネアンデルタール人は言葉をしゃべっていた。
発見された舌の骨からそう推測されている。
彼らは毎晩、焚き火を囲んで語り合っていたのだろうか。
何を語り合っていたのか、どんな言葉をしゃべっていたのかは明らかになっていない。

その後に現れたホモ・サピエンスも、
もちろん毎晩、焚き火を囲んで語り合っていた。
私たちが焚き火を見るとつい囲みたくなるのは、
地球人のDNAなのかもしれない。


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川野康之 19年12月28日放送


焚き火の話

落ち葉や枯れ枝を集めて燃やす焚き火は
晩秋から冬にかけての日本の風物詩だった。
焚き火を見ると囲まずにはいられない私たちの気持ちを唄った歌がある。

 たきびだ たきびだ おちばたき
 あたろうか あたろうよ


北風の中、子供たちは火を見つめていつまでもおしゃべりしていた。
たいてい、焚き火の中にはサツマイモが入っていた。


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川野康之 19年12月28日放送


焚き火の話

キャンプファイヤー。
焚き火を囲んで踊るオクラホマミキサーは
アメリカで生まれたフォークダンス。
曲名ではなくダンスの名前である。
日本には戦後アメリカから伝えられた。
その時の振り付けは現在のオクラホマミキサーとは異なり、
男女が2列に向かい合って踊るものだったという。

どうやって今の形に変化したのだろう。
ちなみに多くの人が「オクラホマミキサー」だと思っている曲のタイトルは
「わらの中の七面鳥」である。


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川野康之 19年12月28日放送


焚き火の話

仕事納めの日。
大掃除で出てきたゴミや不要な書類を
昔はこの日に焚き火で燃やしていたという。
一日中かけて盛大に燃える火の様子を描写した句がある。

 ひねもすを御用納めの大焚火

一年の仕事を終えてスカッとする気持ちが伝わってきますね。
昨日は仕事納めでした。
スカッとして来年の仕事始めを迎えましょう。


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川野康之 19年9月21日放送

Mango Projects
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
ニューヨークの街角で、道行く人のファッションを撮り続けた。
有名人だとか金持ちだとか関係なく、
ただ撮りたい人だけにカメラを向けた。
自分の服を着た普通の人々が、
写真の中でいかしている。
ニューヨーカーたちはビルのために
こぞっておしゃれをしたという。
彼は言った。
「最高のファッションショーはつねにストリートにある」



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川野康之 19年9月21日放送

Steam Pipe Trunk Distribution Venue
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
トイレもキッチンもない部屋に住んで、
ネガを入れたキャビネットの隙間で眠る。
朝起きると自転車に飛び乗って街に出て、
一日中シャッターを切る。
仕事以外のことには無頓着で、
頭の中はファッションのことでいっぱい。
彼は言う。
「仕事ではなく、喜びだね」
自分の好きなことだけをして生きていたいと言う人は多い。
ビル・カニンガムは自分の好きなことだけをして生きていた。


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川野康之 19年9月21日放送

CR Artist
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
トレードマークは青い上っ張り。
道路清掃人用の1枚20ドルの作業着を何枚も買って来て、
そればかり着ていた。
どんな服を着てもカメラとすれてどうせすぐに破れてしまうから。
食事はデリのサンドイッチですませ、
コーヒーは安いほどうまいと言う。
雨の日のポンチョはガムテープの継当てだらけ。
着飾った女性が大好きなのに、自分のことになると、
「質素で飾らないものがいい」
と言っていた。


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川野康之 19年9月21日放送


ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
最初に手に入れたカメラは、
カメラマンの友人がくれた39ドルのハーフサイズカメラだった。
36枚撮りのフィルムなら72枚の写真が撮れる。
「ペンのように使え。メモを取るみたいに」
とその友人は言った。
その時以来片時も離れることなく、
カメラはビルの首にぶらさがっていた。


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川野康之 19年9月21日放送

The Shared Experience
ビル・カニンガムの生き方

ビル・カニンガム。フォトグラファー。
つねに街に身を置いて、自分の目で街を見つめていた。
そして街が語りかけてくるのを待った。
通り過ぎる人の人生の一部をそのまま切り取って、
自分の目が見た真実だけを伝えようとした。
ビル・カニンガムは言う。
「重要なのは感想じゃない。見たものを伝えることだ」


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