澁江組・田中真輝

田中真輝 19年5月19日放送


津田梅子の志

五千円札の新しい顔になるのは
日本の高等女子教育に尽力した津田梅子。

1871年、岩倉具視をリーダーに欧米先進国視察のため
結成された岩倉使節団に満6歳という若さで参加。
アメリカで初等、中等教育を受け、11年後に帰国。
その後、伊藤博文の勧めで華族女学校で教鞭をとる一方、
ヘレン・ケラーを訪問したり、ナイチンゲールと会見するなど
精力的に活躍。
1900年、津田梅子は、国際的教養のある女性の育成を目指し、
「女子英学塾」を創設する。
開校の式辞で彼女は、学生に向けて、英語の専門家になろうと
するだけではなく、まったき婦人、すなわち、all-round womenに
なるよう心掛けねばならないと語ったという。

彼女が作ったその学校は「津田塾大学」と名を変えて
100年以上経った今も、彼女の志を受け継いでいる。


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田中真輝 19年5月19日放送


梅の花

五千円札の新しい顔になるのは
日本の高等女子教育に尽力した津田梅子。

日本初の高等女子教育を目指して津田が
創設した「女子英学塾」、後の「津田塾大学」だったが、
彼女が現場への介入を嫌って外部からの資金援助をほとんど
断ったため、その経営は困難を極めた。

しかし、津田は実学重視の教育方針を貫き通す。
授業中の津田は、突進するように動き回り、
机をバンバンと叩きながら討論し、また
ときには豪快にハハハと大笑いすることも
あったという。

第1期の卒業生8名は、卒業にあたって
津田にある歌を送っている。

雪霜のうちに さきがけ匂ふ 梅の花の そのみさをこそ いとゆかしけれ  

津田梅子の凛とした美しさを称えた歌には、
深い感謝の気持ちが宿っている。


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田中真輝 19年5月19日放送


ドンネル先生

千円札の新しい顔になるのは
近代医学の礎を築いた細菌学者、北里柴三郎。

北里は、「医者の使命は病気の予防にある」と確信し、
ドイツに留学。そこで、破傷風菌の純粋培養に成功し、
さらに、抗体を使った血清療法を確立する。

帰国後は、伝染病予防の必要性を説き、
福沢諭吉の支援を得て、日本初の伝染病研究所を設立。
野口英世らの研究者を育てるなど、
まさに日本近代医学の父と呼ぶに相応しい
功績を残している。

門下生からは、「ドンネル先生」つまり「かみなり先生」
と呼ばれた北里だったが、福沢の恩に報いるため
慶応義塾大学医学部を設立、無給で初代医学部長を
務めるなど、情に厚い人物でもあった。


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田中真輝 19年5月19日放送


悪魔退治

千円札の新しい顔になるのは
近代医学の礎を築いた細菌学者、北里柴三郎。

黒死病と呼ばれ、世界中で恐れられたペストの
日本でのアウトブレイクを防いだのも北里だと
言われていることをご存じだろうか。

1894年、北里はペストが大流行していた香港の地に
赴きペスト菌を発見。帰国後、伝染病予防法を
制定に尽力し、自ら指揮を取って、日本でも流行し
始めたペストを収束に導いた。

それまで悪魔の仕業と見なされていたペストを
科学の力で打ち負かす。それはまさに
近代日本の幕開けを象徴する出来事に他ならない。


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田中真輝 19年3月24日放送

Valcenteu
立ち上がる農業

今、世界中でスタートアップ企業が農業における
イノベーションに果敢に挑んでいる。

その一つが、都市における「垂直農業」。
狭い敷地に垂直方向に栽培棚を積み上げ、
土を使わず水耕栽培を行うことで、
効率的かつスピーディに野菜を育てる農業が、
ニューヨークなど大都市で実際に行われ、注目を集めているのだ。

食の工業化への批判もある一方で、
栽培や収穫のプロセスをオープンにできるので、
むしろ安全だという声も少なくない。

2050年には、世界人口の7割が都市部に住むようになるという。
遠方から取り寄せた野菜ではなく、
自分が住む街の中で管理され生産される野菜の方が安心できる、
人々の嗜好も、そのように変化していくのかもしれない。


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田中真輝 19年3月24日放送

Lifetec18
自動化する農業

日本の農業従事者は、今、急速に減少し、高齢化している。
この喫緊の問題に対して、多くの人々や企業が挑戦を続けている。
その一つが、農業機械の自動運転。

昨年末、人気を博した連続ドラマでも、
自動運転トラクタの開発競争がテーマとして取り上げられていたのを、
ご存知の方もいらっしゃるかもしれない。

ドラマはフィクションだが、自動運転トラクタは、
既に実用化されているれっきとした事実。
衛星からのGPS信号を受けて夜間でも
数センチの誤差の範囲で作業が可能だという。

近い将来、誰もいない広大な圃場で、自動化された農業機械が
黙々と働き続ける風景が、当たり前のものとなるかもしれない。
願わくば、その傍らに農業の使命に燃える若者の姿があって欲しい。


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田中真輝 19年3月24日放送

Tpa2067
宇宙で育てるなら

火星に長期滞在する宇宙飛行士が栽培すべき食用植物とは何か。
それば「ウキクサ」である、
というのが日本の研究者が提案した答え。

和名「アカウキクサ」学名「アゾラ」という水生シダ植物は、
驚くほど栄養価が高く、また、米や魚と一緒に水耕栽培することで、
空気や水を浄化するエコシステムを作ることができるという。

加えて窒素を固定する能力を備えているので、
米など他の作物の育成に欠かせない窒素肥料が
不要になるというおまけつき。

そんなミラクルな植物であるアゾラだが、一つだけ問題が。
食用にあたってはその匂いが問題になるだろう、
と研究者は指摘しているのだ。
宇宙だけに「くうき」がなくなる話ではある。


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田中真輝 19年3月24日放送

サイトウ
農業が育むもの

農業の6次産業化、という言葉をご存じだろうか。

1次産業者である生産者が、2次産業の加工、そして
3次産業である流通と販売まですべてを行うことで、
農産物の価値を高め、農業の収益性を上げていこうと
する試みのことである。

農家が運営するレストランや農業体験、また米農家が
店舗を構えて収穫した米で作ったおにぎりを販売する
など、様々な形での6次産業化が進められている。

自然と対話しながら、命を育む農業。
それは単なる経済活動ではなく、豊かな文化を
生み出す営みでもある。その価値を生産者と
消費者がわかちあえる社会こそ、豊かな社会であるに違いない。


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田中真輝 19年1月20日放送

190120-05 Paul Mannix
改元リスク

今年は新たな元号が始まる年。

改元にあたって、2000年問題が頭をよぎった人々が
エンジニアを中心に少なくないようだ。

当時、稼働していたコンピューターシステムの多くが
西暦の下二桁のみしか記録されていなかったため
2000年になった瞬間に誤作動を起こす可能性がある、
ということで多くのエンジニアが対応に追われた
この問題。
蓋を開けてみると大きなトラブルもなく終わり、
今回の改元についても、大手企業からは対応可能との
発表もなされているようだ。

とは言うものの、今回もシステムの不測の事態に
対応すべく多くの人々が稼働することは間違いない。
新たな時代を無事迎えられる背景には
そうした無数の尽力があることも忘れてはならない。


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田中真輝 19年1月20日放送

190120-06
幻の元号

今年は新たな元号が始まる年。

長い元号の歴史の中で、幻の元号なるものが
あるのをご存じだろうか。
その元号とは「光文」。

西暦1926年12月25日午前1時25分、大正天皇崩御。
各社が天皇崩御を報じる朝刊を発行する一方、
東京日日新聞号外には「元号は光文」の文字が。

あまりの情報の早さに人々が仰天する中、
正式発表された元号は、なんと「昭和」。
世紀の大スクープは、一点、世紀の大誤報となる。

果たして誤った情報だったのか、それとも情報漏洩を
知った政府が急遽元号を変更したのか、その辺りの
事実は定かではない。

時代が下り、東京日日新聞は毎日新聞と名を変える。
その毎日新聞が、昭和からの改元の際、小渕長官の
発表の30分以上も前に「新元号は平成」と報じたのは
時代を超えてその雪辱を果たさんとした
記者魂だったのかもしれない。


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