佐藤延夫 19年7月6日放送

Padaguan
世界の図書館 キング・ファハド国立図書館

それはまるで、透明な図書館。

メキシコシティにあるホセ・ヴァスコンセロス図書館は、
コンクリートとガラスで構成されている。
近未来を想起させながらも、
どこか神秘的な建物を設計したのは、
メキシコの建築家アルベルト・カラチ。
書架が5階建てのガラスケースで吊るされており、
本棚は宙に浮いているように見える。

ここで調べものをしたら、
無機質な空間の住人になれるかもしれない。


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佐藤延夫 19年7月6日放送

Patrick Gillespie
世界の図書館 ジョージ・ピーボディ図書館

これほど神々しい図書館があるだろうか。

アメリカのメリーランド州ボルチモアにある
ジョージ・ピーボディ図書館は、
本の大聖堂とも呼ばれている。
5層からなるバルコニーには、
本棚が端正に並び、天窓から自然の光が優しく射し込む。
そして、黒と白の大理石が
厳かに閲覧室の床を埋め尽くす。

この図書館は、一般市民にも解放されているが、
うっかりうたた寝などできない緊張感を味わえそうだ。


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佐藤延夫 19年7月6日放送

william veerbeek
世界の図書館 ブック・マウンテン図書館

その図書館は、まるでピラミッド。

オランダ、ロッテルダムにあるブック・マウンテン図書館は、
ガラスと木材でできた三角形の屋根を持っている。
レンガ造りのバルコニーが内部を巡り、
オープンエアのような感覚で読書を楽しめる。
ブック・マウンテンの名前のとおり
本棚が何層にもなる山のように配置され、
頂点の閲覧室からは、街並を360度見渡すことができる。

この図書館は、人口75000人ほどの小さな街の
大きなモニュメントになっている。


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佐藤延夫 19年7月6日放送

Hernán Piñera
世界の図書館 オーストリア国立図書館

そこは、世界で最も美しい図書館のひとつと言われている。

ウィーンにあるオーストリア国立図書館は、
宮廷図書館としての長い歴史を持つ。
バロック様式の大広間、プルンクザールには
装飾画家ダニエル・グランによるフレスコ画が描かれ、
カール6世をはじめ、何人もの皇帝や軍人の彫像が並ぶ。
ホールの隅には巨大な地球儀が鎮座し、
図書館の創設者ハプスブルク家の繁栄を象徴している。
蔵書には宗教家マルティン・ルターのコレクションも
数多く眠っているという。

一歩踏み入れるだけで、その歴史とスケールに圧倒されそうだ。


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佐藤延夫 19年7月6日放送

Mecanoo
世界の図書館 デルフト工科大学図書館

図書館の屋根で昼寝ができる。

それはオランダにあるデルフト工科大学図書館だ。
正面から見ると、モダンデザインの図書館。
裏手にまわると、緑一面の芝生が広がっている。
図書館の屋根が、なだらかな丘のように傾斜しており、
人々はサンドイッチを頬張ったり、
寝そべって本を読んだりすることもできる。

きっと学生たちは、
思い出の中に、この図書館を刻むことだろう。


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石橋涼子 19年6月30日放送


半分のはなし 半分のカタカナで

データ容量の単位に「ギガバイト」「テラバイト」が
当然のように使われている昨今だが、
誰もが知っているRPGゲームの草分け
初代「ドラゴンクエスト」は、その容量、わずか64キロバイトだった。

容量削減のための工夫のひとつとして、
なんと、カタカナの半分を制限したという。
あの独特の呪文やモンスターの名前はすべて、
わずか20個のカタカナで構成されている。

たった半分でできることも、前向きに挑戦すれば
意外とたくさんあるのかもしれない。
さあ、2019年も、残り半分です。


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石橋涼子 19年6月30日放送


半分のはなし 残り半分への心構え

マラソンでは、42.195キロの中間地点付近に
折り返し点が置かれることが多い。

急なターンを走り抜けるために
意外とパワーが必要なポイントだが、
辛かった向かい風が追い風に変化したりもする。

無事に折り返しを過ぎれば後半戦。
希望が見えてくるだろうか。
それでもまだ半分かと、絶望するだろうか。

マラソンの起源は、
古代マラトンの戦いで伝令係が走ったと言われている距離。
もちろん中間地点の案内などはなかった。

希望でも絶望でも、残り半分への心構えができるのは
ありがたいことかもしれない。

今日6月30日は、2019年の中間地点。
今年の後半戦が、始まりますよ。


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小野麻利江 19年6月30日放送


半分のはなし スタンダールの恋と情熱

僕の魂は、もし燃え上がらなければ苦しむ業火なのです。

フランスの小説家・スタンダール。
『赤と黒』の作者として知られる彼の生涯は、
いくつもの情熱で彩られていた。

7歳の時に失った、母への渇愛。
ナポレオンへの、心酔。
そのナポレオンの遠征軍に参加し
ミラノの土を踏んだことで、
イタリア人のような生き方に傾倒したこと。
女優から人妻に至るまでの、数々の恋愛。
そして、ミラノでの
マチルデ・デンボウスキとの実らぬ恋…

憧れと絶望を繰り返しながらも、
スタンダールは生きて、書いて、そして愛した。
彼は、こんなことも言っている。

 情熱を持って恋したことのない人間には、
 人生の半分、それも美しいほうの半分が隠されている


美しいほうの半分も、醜いほうの半分も。
知りつくした作家だからこそ、
作品たちは、今も色あせない輝きを放っている。


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茂木彩海 19年6月30日放送


半分のはなし シラーの友達

ドイツを代表する詩人、シラー。
日本人には馴染みのない名前かもしれないが、
ベートーヴェンの交響曲第9番「歓喜の歌」の
大元となる「自由讃歌」の作詞を行った人物である。

22歳の時に匿名で発表した処女作では
権力に抗う犯罪者を主人公にした物語に多くの若者が熱狂。
このことがきっかけで貴族から追われる身となり、亡命生活へ突入する。

困窮する生活を支えたのが、大親友、ケルナー。
彼を想ってか、シラーはこんな言葉を残している。

 友情は、喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれる。

素敵な半分こが、彼の人生を支えていた。


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薄景子 19年6月30日放送


半分のはなし モンゴメリの言葉

今年もあっという間に半分が終わり
気がつけば、夏休みはもうすぐそこ。

旅をするならどこに行くか。
誰に会いに行くか。
そんな計画を立てている時間も
楽しみのひとつ。

「赤毛のアン」の作者、
ルーシー・モード・モンゴメリは
小説の中で、こんな名言を残している。

 何かを楽しみに待つということが、
 そのうれしいことの半分にあたるのよ。

 そのことはほんとうにならないかもしれないけれど、
 でもそれを待つときの楽しさだけはまちがいなく自分のものですもの。


なるほど。
実現できるかはさておいて
今年は最高の夏休みを妄想してみよう。
楽しみを待つ時間を、思いっきり楽しめば
人生は2倍楽しめるのだから。


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