大友美有紀 20年6月7日放送



いつかは陶芸旅  小鹿田焼(おんたやき)

大分県日田市。
江戸時代、幕府の直轄地となり
「天領日田」として知られる歴史ある町です。

その日田市の中心部から車で30分ほど行った
山あいの集落で作られているのが小鹿田焼(おんたやき)。
特徴は「飛び鉋(とびかんな)」、「刷毛目」、「櫛描き」。
「飛び鉋」は生乾きの器に化粧土をかけ、ろくろを回しながら、
鉄の鉋で生地を削り、模様をつけます。
化粧土の色と、その下から覗く生地の色の
リズミカルなコントラストが美しい器です。

集落には谷川が流れ、その水の力を利用した「唐臼(からうす)」で
土をついて、小鹿田焼の陶土をつくります。
その音は「残したい日本の音風景百選」に選ばれています。
開窯(かいよう)は江戸時代中期。
一子相伝で伝統技術を受け継いできました。
民藝運動の父、柳宗悦がこの地を訪れ、
器の素晴らしさだけでなく、この集落の魅力に驚き、
全国にその存在を広めました。

今では国重要無形文化財にも指定されています。

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大友美有紀 20年6月7日放送



いつかは陶芸旅  大樋焼(おおひやき)

石川県・金沢の陶芸、
といえば九谷焼を思い浮かべますが、
もうひとつ大樋焼(おおひやき)があります。
ろくろを使わずに、手びねりとヘラだけで、
ひとつひとつ作ります。

特徴は、飴釉(あめゆう)という釉薬を使うこと。
褐色を帯びた飴色になり、
光を受けて輝くような美しさになります。

金沢の大樋美術館では、
歴代の茶碗でお茶とともに金沢和菓子を楽しむことができます。
九谷とはまた違う風情を味わう時間。
いつか、きっと訪れたいですね。

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大友美有紀 20年6月7日放送



いつかは陶芸旅  大谷焼(おおたにやき)

徳島、鳴門市大麻町(おおあさちょう)で
約230年の歴史がある大谷焼。
水甕(みずがめ)や睡蓮鉢など、大物陶器で有名です。
徳島は、藍染も有名ですが、藍を発酵させる甕も
大谷焼で作られます。

大人の身の丈ほどもある大物の陶器は、
「寝ろくろ」で作られます。
二人一組で、
一人が器の成型を行い、
もう一人が作業台の下に寝そべって、
足でろくろを蹴って回す製法です。
今では大谷焼でしか行われていないそうです。

うずしおと阿波踊りと藍染と大谷焼。
徳島を訪れる理由は、たくさんありますね。

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大友美有紀 20年6月7日放送



いつかは陶芸旅  波佐見焼(はさみやき)

長崎県の陶磁器、波佐見焼。
白磁の美しさと
藍色で絵付けされた染付けの繊細さが魅力です。
その始まりは、「コンプラ瓶」。
染付け白磁の大きな徳利のような瓶で醤油や酒を入れて、
長崎から東南アジアやオランダに輸出されていました。
トルストイが一輪挿しに使っていたとも言われています。

波佐見焼は、長い間、
有田焼として全国に流通していました。
2000年に厳密な生産地表記が必要となり、
波佐見焼と名乗るようになったのです。
今では、雑貨店でも見かけるようになりました。

世界最大級の登窯跡もある波佐見。
長崎で唯一海に面していない町です。
未知なる長崎の魅力に、出会えそうです。

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大友美有紀 20年6月7日放送


Σ64
いつかは陶芸旅  笠間焼(かさまやき)

茨城県のほぼ中央に位置する笠間。
ここには江戸時代から続く笠間焼が受け継がれています。

御影石、花崗岩の産地でもあり、
笠間の粘土はこの花崗岩が風化してできたもの。
粘りが強く、成形がしやすく、
また、鉄分を含んでいるので焼き上げたあと、
色づくのが特徴です。

笠間工芸の丘では、
ろくろ体験、手びねり体験、絵付け体験など、
さまざまな陶芸体験ができます。

秋葉原から高速バスで2時間弱。
日帰り陶芸旅に、いかがですか。

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大友美有紀 20年6月7日放送



いつかは陶芸旅  津軽金山焼(つがるかなやまやき)

青森県五所川原駅から車で15分。
津軽金山焼の窯元があります。
金山の大溜池に堆積した粘土でつくる陶器。
釉薬を使用せず、登窯で地元の赤松の薪を焚き、
1350度の高温で焼きあげ固める、
「焼き締め」の手法で作ります。
素朴で深みのある独特な風合いの焼き物が
出来上がるのです。

気軽には行けない場所。
でも行ってみたくなる陶芸の里です。

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佐藤延夫 20年6月6日放送



楽器の日  バンドネオン

ドイツで生まれた蛇腹楽器、
バンドネオン。
形はアコーディオンによく似ているが、
ピアノのような鍵盤はなく、
ボタンが71個並んでいる。
しかも配列は音階順ではないので、
同じボタンを押しても
蛇腹の具合で音色が変わってしまう。

演奏方法の難しさから、
「悪魔が発明した楽器」と呼ばれている。

しかしそのシャープな音色は、
悪魔というよりも、魔術師に近い。

今日6月6日は、楽器の日。
素敵な音楽に包まれたひとときを。

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佐藤延夫 20年6月6日放送



楽器の日  オンド・マルトノ

1920年、ロシアで発明された
世界初の電子楽器、テルミン。
その親戚のような楽器が、オンド・マルトノだ。
不可思議な音色はテルミンとあまり変わらないが、
最大の特徴は、正確な音階を出しやすいことにあった。

ロックとの相性がいいらしく、
数々の有名なロックバンドの楽曲にも用いられている。

今日6月6日は、楽器の日。
ひとつでもマスターした楽器があれば、
人生は、きっと豊かになる。

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佐藤延夫 20年6月6日放送



楽器の日  アルモニカ

アルモニカは、
1761年、アメリカで誕生した楽器だ。
グラス・ハープを応用したもので、
共鳴するガラスで音を奏でる。

パガニーニは「何たる天上的な声色」と喩え、
モーツァルトやベートーヴェンも、
この楽器を用いた曲をつくった。

発明したのは、政治家のベンジャミン・フランクリン。
彼は、こんな言葉を残している。

「他人に楽しみを与える者は、喜びを受け取ることになる。」

今日6月6日は、楽器の日。
素敵な音楽が与えてくれる楽しみは、計り知れない。

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佐藤延夫 20年6月6日放送



楽器の日  フォトプレイヤー

時代とともに、消えていく楽器がある。
フォトプレイヤーもそのひとつだろう。
サイレント映画全盛の時代、
音楽や効果音をその場でつけるために、
映画館で演奏された。
穴の空いた巻き取り式の紙をセットすると、
ピアノやパイプオルガンが自動で鳴り響く。
そのつくりは、オルゴールに似ている。
そのほか紐を引っ張ったりボタンを押したりすると
シンバルやカスタネット、チャイムなどが鳴る仕組みだ。

活躍できる場所を失ったフォトプレイヤーは、
展示用として何台か残るのみ。
楽器にも、運命がある。

今日6月6日は、楽器の日。
あなたの思い出の曲は、なんですか。

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