中山佐知子 2022年5月29日「たんぽぽ婆さん」

たんぽぽ婆さん

    ストーリー 中山佐知子
       出演 大川泰樹

近所に怖そうな婆さんが引っ越してきたのは
僕が小学校のときだった。
爺さんはおらず、婆さんと婆さんの娘と
ふたりきりだった。
何をして食べているのか分からないし。
婆さんは気が強く、押しも強く、
子供たちもよく叱られたが
娘さんは婆さんに似ない優しげな人で
話しかけると明るい声で受け答えをしてくれた。

引っ越して来て1年ほどたったころ、
娘さんの縁が決まってお婿さんがきた。
婆さんの家で質素な婚礼があった。
窓からのぞいた花嫁の顔はきれいだったし、
お婿さんもがっしりしたよさそうな人だと母は喜んだ。
婆さんもこれで楽隠居だとみんな思っていた。

ところが
婚礼から三月もしないうちに娘さんが亡くなってしまった。
あまりに急なことでびっくりしたのと気の毒なのとで
子供たちもしばらくはイタズラをやめたほどだったし。
ご近所も遠巻きに心配していた。
お婿さんはしばらくいたが、
四十九日が終ると肩を落とした姿で元の家に帰っていった。

婆さんはひとりになってしまった。

さて、それからだった。
頼みの綱の娘夫婦を失った婆さんは
隠居などしていられなかった。
朝は早くから箱車を押して竹輪や蒲鉾を売り歩き、
夕方になると銭湯の前にたこ焼きの屋台を出した。
さすがの強い気も折れて、愛想がよくなり、
夜はときどきうちのお風呂をもらいに来るようになった。
みんなが婆さんのことを「たーばー」と呼ぶようになったのも
その頃だ。
「たーばー」はたんぽぽの「た」と
「ばあさん」の「ば」の組み合わせだと聞いたが
決して野の花にたとえられるような婆さんではなかったので
なんでたんぽぽなんだ?と僕は不思議だった。

朝、僕がまだ寝床にいる時間から
婆さんは車を押して竹輪を売り歩き
僕が学校から帰る頃にはたこ焼きを焼いていた。
竹輪の車にもたこ焼きの屋台にも鈴がつけてあって
チリンチリンと大きな音で鳴った。
その音を聞くと、母は財布を持って玄関を出て行った。

春の運動会が近づいたころ
生徒は運動場の芝生の雑草を抜くことになった。
メヒシバやチドメグサに混じって黄色いタンポポがあった。
タンポポは黄色い花と緑の葉っぱの下に
とんでもなく長い根っこがあり、
とても全部掘ることはできなかった。
途中で切れてしまったタンポポを
僕たちは「ちっ!」と言いながら集めて捨てた。
残った根っこがまたタンポポになる。
タンポポってすげーと思った。

運動会の日、たんぽぽ婆さんは
学校にたこ焼きの屋台を曳いてきた。
人だかりがして大繁盛の屋台の下に
僕たちが抜くのを諦めたタンポポが黄色い花を咲かせていた。

出演者情報:大川泰樹 03-3478-3780 MMP所属

 

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佐藤義浩 2022年5月15日「葉っぱの色」

「葉っぱの色」

   ストーリー 佐藤義浩
      出演 地曳豪

小学生の頃、妙に小器用なタイプだった。
それなりに賢かったんだと思う。
与えられた課題とか、その場の状況なんかを上手に見極めて、
それなりの選択をし、それなりの行動を取る。

学級会で「いいことを言う」のが得意だった。
みんながああでもない、こうでもない、と議論している時、
あ、ここだな。というタイミングでひとこと言う。
それで話がまとまる。それが快感だった。
いつもそのタイミングを測っていた。

タイミングは光って見えた。
それはまるでランプが点くみたいだった。
格闘ゲームで敵の弱点がわかるような感覚だ。
そのランプが光ると突っ込まずにはいられない。
先生に「あなたは人が一番言われたくないことを言う」と叱られた。

読書感想文が得意だった。
大概は本を読まずに書いた。
正確には、巻末の解説だけ読んで、
自分なりにアレンジして作文にした。
それなりに評価されて賞ももらった。佳作だった。

初夏の頃、写生大会があった。
遠足を兼ねて、近くの山に行った。
風景画は簡単である。
うまく見えるためにはコツがあるのだ。
まずは遠近感。近くにあるものと遠くにあるものを共存させる。
例えば手前に大きな木があって、その枝越しに風景が見える構図。

次は色だ。
下手なやつは色を使えない。
木の幹は茶色に塗るし、葉っぱは緑に塗る。
しかし、よく見ると葉っぱの緑色の中にもいろんな色がある。
緑という色は幅が広いのだ。青っぽい緑、黄色っぽい緑、
茶色っぽい緑だってある。

それを塗り分ける。実際に見えているよりも多くの色を使う。
絵が緻密に、複雑に見える。

サラサラと描きあげてしまい、時間が余ったので、
画板を持ったまま、描いているクラスメイトの絵を覗きながら
その辺をうろつく。
こいつもたいしたことない。そう思って安心する。

そんな中、茶畑(ちゃばた)君の後ろ姿が見えた。
クラスの中でも地味なタイプの子だ。
彼は一人地面にあぐらをかいて、画板に向かっていた。
目の前には古びた山門。その先にはお寺がある。
彼はその門を描いているようだ。

これはまた地味なものを、と後ろから近づき、
何とはなしに覗き込む。
そこにあったのは画用紙から溢れてる、
すごい迫力の山門だった。

ど正面。遠近感などどこにもない。
工夫もない。しかしただただ大きくこちらに迫ってくる。
色は赤みがかった茶色。元の朱色から経過した時間が
重さになって伝わってくる。
そしてその中に、僕の得意な緑色は、どこにも使われていなかった。

僕は声をかけることもできずに、その絵を見つめていた。
しばらくして振り返った茶畑くんが「今日は暑いなあ」と言った。



出演者情報:地曵豪 http://www.gojibiki.jp/profile.html

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井田万樹子 2022年5月8日「だんご3おじさん」

だんご3おじさん

     ストーリー 井田万樹子
            出演 遠藤守哉

僕の家の近くには、とても広い公園がある。
都会の真ん中にあるのに、自然の森が残っていて 大きな池もあって、
週末はバーベキューをする人や
スケートボードをする人なんかで賑わっている。
僕はその公園に行って、誰もこない静かな場所を見つけるのが好きだ。
一面に緑が広がって、気持ちのいい風がずっと吹いている。
でも誰もいない。
そんな場所を見つけると、僕は嬉しくなる。
今日見つけた場所は、最高だった。
寝転がると新緑の青もみじに包まれる。
風が吹くたびに青もみじの葉っぱがさわさわと揺れる。
僕はその場所で、のんびり読書をはじめた。

突然、足元から小さな甲高い声がした。
「ちょっと兄さん、ここ!ここ空いてるわよ!」
草の陰から、小さな丸いものが顔を出した。
「あら、先客がいるわ!」
「あら、ほんと!」
同じような顔が3つ並んでいる。
だんごである。
1本の串に刺さった、3つのだんごなのである。
「仕方ないわよ、弟。
だってこの場所、この公園で1番いい場所だもん」
「そうね、兄さん」
「よいしょ、よいしょ」
だんご達は横一列に並んで、こちらに向かって歩いてくる。
だんごの頭の下には小さな体があって、ちゃんと靴も履いているのだ。

クリッとしたつぶらな瞳。
くるんとカールした立派なヒゲ。太い眉毛。
3人とも、なかなか濃い顔立ちだ。
醤油のタレで焼かれたおでこがツルッと光っていて、
炭火で炙られ香ばしく焦げ目のついた頭は、
今どき珍しいバーコードヘアだ。
3人ともお揃いのブルーのジーンズにすみれ色のシャツを着て、
シャツのお腹はぽっこり出ている。
つまり、なんて言うか、おじさんなのである。
そっくりの顔をした3人の、おじさんの、だんごなのである。
兄さんと呼んでいるところを見ると、兄弟なのだろうか。

「よいしょ、よいしょ」
おじさん達は串にささったまま、せっせとこっちに向かって行進する。
そして僕のすぐ横までやって来ると、
「よっこらしょ!」と、3人同時に小さな石の上に腰をかけた。
「ちょっと…狭いわ!兄さん」
「大丈夫よ、弟!詰めたら座れるわ」「あたし、落っこちちゃう!」
「ねぇ、大兄さん!もうちょっと詰めてよ!」「あんたが詰めなさいよ!」
3つのだんごが、ぎゅうぎゅうに押し合っている。
串の先っぽが僕の足に当たったので、
「いてっ」と思わず僕が声を上げると、
だんご達は一斉に僕を見た。

「こんにちは」
と僕が言うと、だんご達はにっこり笑って、そして、
「ねぇ見て、あたし達、座れたの!」と言った。
こんなに広い公園なのに、どうして僕のすぐ横に座るのだろう。

「ねぇ、兄さん、あの野球選手の名前なんだったかしら?」
「誰よ、あの野球選手って?」
だんごおじさん達は僕のことなんか気にしないで、
ぺちゃくちゃペチャクチャ喋り続けている。
「ほら、友達のお母さんと結婚した〜…」
「何よそれ?」「ほら、なんとかちゃんって呼ばれてて」
「なんとかちゃん?」
「ラミレスじゃなくてマルチーニじゃなくて〜」
「思い出した!ペタジーニよ!」
「だからペタジーニがどうしたのよ?!」
キャッキャっと笑うたびに、
だんごおじさん達のまわりの草がサワサワと揺れる。

しばらくすると、目隠しあそびが始まった。
「だーれだ!」
1番後ろの兄さんだんごが、一生懸命に手を伸ばして、
1番先頭の弟の目を塞いでいる。
真ん中のだんごは間に挟まれて窮屈そうだ。
「だ〜れだ!」
「えーっと…ちい兄さんよね?この手は?! …あれ?やっぱり大兄さんかなぁ?」
「どーっちだ!」
「ちい兄さん!」
「はずれーっ」「あ〜っ」
おじさん達はとても仲がいい。

真ん中のだんごが、肩にかけていた小さなカバンを開けると、
中から小さな水筒とポップコーンを取り出した。
兄さんだんごは右から、弟だんごは左から手を伸ばして、
それぞれポップコーンを食べはじめる。
ぱくぱくぱく
「ねぇ、ちょっと!」ぱくぱく
「ねぇ、ねぇ、あたしが食べれないじゃない!」ぱくぱく
「どうしてあたしがいつもポップコーン持つ係なのよ?!」
「だって、それが…1番食べやすいんだもん」ぱくぱく
「あたしは食べやすくないのっ!」
真ん中ってのは、いつも少し大変そうだ。

気がつくと、だんごおじさん達は昼寝をはじめた。
新緑の風がそっと、おじさん達のヒゲを揺らす。

だんごおじさん達は、いつからこの公園にいるのだろう。
広場の団子屋で焼かれていたのだろうか。
兄弟でこっそり逃げ出してきたのだろうか。
若葉の香りに包まれて、すやすやと寝息が聞こえてくる。



出演者情報:遠藤守哉(フリー)

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ポンヌフ関 2017年8月13日

amanogawa

天の川  

     ストーリー ポンヌフ関
        出演 原金太郎

頬杖をついてソファーに座っていると、女は
「天の川って七夕の夜だけに見えるの?」と聞いてきた。
「流星群ではないから空気が澄んでいれば年中見える」と教えてやると
「織姫と彦星って、年に一度しか会えなかったら、その夜は凄そう」
などと云う。
「その年が雨だったらキャリーオーバーね、
 我慢できなくて浮気とかしちゃうよね」
と続けてきた。

私は、その手の話は嫌いだが
ぺちゃくちゃとしゃべりながら、ちょっと首をかしげて人を見る癖は、
昔飼っていた文鳥を思い出し愛らしい。

「おまえは文鳥のようにかわいいところがあるのう」と云うと

「アタシ、文鳥より猫が好き」と云う。

「猫なら私も飼っておる。しゃべるんじゃ」

「わかった!おかえり、とかいうんでしょ」「ンニャエリ」「オニャエリ」
と声色(こわいろ)を使って繰り返す。

「いや、吾輩は猫である、なんて云うんじゃ」
「やだ、夏目漱石でしょ、それくらいアタシだって知ってる」
「おや、なぜ私の名前を知っておる?」
「もー、あ、おじさん夏目漱石を意識してるんだぁ、その髭似合ってるよ」
と、私の髭に触ってきた。

「おっと、いかんいかん、こんなことをしてる場合ではない」
「私は今日大量の血を吐いて死ぬかもしれんところなんじゃ」
「えー、なんで来たの?帰った方がいいよ」と急に私を出口へといざなう。

「お金?もう財布から抜いてあるから大丈夫」

「さようなら、先生」

「さようなら、もう会うことも無かろうが楽しかった」と告げると

女は目尻と口元に笑みをたたえて
「また会えるよ」と云う
「また来年織姫と彦星みたいに会えばいいじゃない、・・・待ってるよ」と
殊勝なことを云う。

思いがけず私の頬に涙が一筋流れるのを認めた。
会ったばかりのろくでもない女にこんな感情が湧くとは。

「じゃあ、また来年」と云って指切りをした。

「ところでここは何処なんじゃ?」
「バカねえ、キャバクラに決まってるじゃない」
「おー、鎌倉か!修善寺までは遠いのう」

女と別れて歩き出すと満天の星空に気づく。

別るるは 夢一筋の 天の川

こんな句が口をついて出た。

と同時に、目が覚めた。
私は死の淵から生き返ったのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

別るるは 夢一筋の 天の川
夏目漱石四十三の年、修善寺の大患で生死の境をさまよった時に
詠まれた句と云われている。

出演者情報:原金太郎 03-3460-5858 ダックスープ所属
動画の絵:ポンヌフ関

 

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中山佐知子 2008年5月30日



雪しろの水がトクトクと

                                         
ストーリー 中山佐知子
出演 大川泰樹

雪しろの水がトクトクと音を立てて水路を流れています。
野の土も畑の土は湿って黒く
うっかり踏み込むとずぶずぶと足が沈んで水が滲み出します。
その泥の中で、緑のはこべが潰れているのを
僕は知っていました。

その足にもっと力を入れてはどうだろう。
僕が風を真似てささやくと
田んぼに踏み込んだ人はぐっと踵に力を加えたけれど
それでもはこべの息の根は止まらず
雪国の5月は
日を追うごとにあたりの緑が増えていきます。
山の頂はまだ雪のままですが
麓の木々は芽吹いてもやもやと霞のようになってきました。

あなたが開く春
僕はいつもはこべやタンポポが嫌いになります。
あなたがいつも僕を置いていってしまうからです。

それでも、うそのように雪の舞う日があると
あなたはまた躯を閉じようとするのですが
ふたりで丸く眠りつづけた
大雪の冬に戻ることはできません。

あんなに冬中一緒に過ごしたのに
どうして僕はいつも置き去りにされるんだろう。
僕たちはクローンだから。
僕たちは人の手で改良されたから。
人は花の開く姿だけを見たがって
緑の葉の開くのを邪魔だと思ったから。

僕たちは1本のソメイヨシノの木に生まれた
ひとつの花と1枚の葉だから。

雪国の山に自然に芽生えた桜は
花と葉が手を取り合って開くのに
人の手で植えられたソメイヨシノは
満開の花の散るころにやっと葉が開く宿命です。
僕はいつもあなたに追いつけず
あなたが空に舞って雲になるのか
土に落ちて雫になるのか
あれだけ咲いてあれだけ散った花はいったいどこへ消えるのか
知ることもできません。

雪しろの水が音を立てて水路を流れています。
ずぶずぶと湿った土にまた小さな緑の芽が出ました。
僕がどれだけはこべやタンポポを憎んでも
雪国の5月はやってきます。
桜が開き、桃が開き、林檎が開き
それから、桃の葉は桃の実を守り
林檎の葉は林檎の実を守って夏を過ごしますが
子孫を残すことのないソメイヨシノの緑の葉は
守るべきものもないままに孤独な夏を迎えます。

出演者情報:大川泰樹 http://yasuki.seesaa.net/ 03-3478-3780 MMP

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山田慶太 2008年5月23日



緑のおばさん

                      
ストーリー 山田慶太
出演 森田成一

赤信号になりました
僕は今 横断歩道の前に立っています
ここは僕が小学生のころ
学校への行き帰りにとおった横断歩道です

当時からクルマの通りが激しかったけれど
今も相変わらず ひっきりなしにクルマが通り過ぎていきます
青信号になりました
かわいらしい小学生たちが 元気よく渡っていきます
まだ明らかに大き過ぎるランドセルをしょって
20年以上前の 僕と同じように

でもあのころとは ひとつだけ違いがあります
あのころ この横断歩道には
緑のおばさんが立っていたんです

子どもが横断歩道にやってくると 
緑のおばさんは 大きな声をかけてきます
おはよう 忘れものはない? 勉強がんばんなさいよ
子どもたちもそれに 大きな声であいさつを返します

もちろん僕にもおばさんは 大きな声であいさつをしてきます
でも あのころの僕は 人見知りがとても激しくて
おばさんが声をかけてくれても 
何も言わず下を向いて通り過ぎていました
それでもおばさんは 毎日毎日 僕に声をかけてきました

ある日 いつものようにその横断歩道の前に行くと
緑のおばさんの姿がありません
次の日も またその次の日も 
緑のおばさんはあらわれません

僕には緑のおばさんがいないことが 
とても不安に思えてきました
おばさんのいる横断歩道を渡ることが、あんなに嫌だったのに

緑のおばさんがいないその横断歩道が 
とても危険なものに感じたのをよく覚えています
それから一ヶ月くらいが過ぎた ある日のことです
横断歩道に近づくと 聞きなれた大きな声が聞こえてきました
緑のおばさんは 少しやせていました 
僕が近づくと あいかわらずの大きな声で 
おはよう 元気かい と声をかけてきました
でも僕はその日も 久しぶりに会った恥ずかしさで
やっぱり何も言わず 走り去ってしまいました

僕は結局 それからもずっと 緑のおばさんに 
一回もまともにあいさつができませんでした

緑のおばさんが亡くなったという話を聞いたのは
僕が高校に入ったころでした

あとから母に聞いた話です
僕の人見知りを心配する母に 緑のおばさんは言ったそうです 
心配要らない あのままでいい 
あの子はおとなしくて人見知りだけど そのぶんやさしい良い子だと

僕は今 横断歩道の前に立っています 
久しぶりに実家に帰ってきて ここを通りかかって
ふと おばさんのことを思い出しました

緑のおばさん
今もあなたはどこかに立っていて 黄色い小旗を持っていて
たくさんの子供たちが 
人生という 少し長い横断歩道を渡っていくのを
見守ってくれているのでしょうか
もしもまた会えたら こんどこそ僕は 
おもいきり大きな声で あいさつするつもりです

青信号になりました

出演者情報:森田成一 03-3479-1791 青二プロダクション

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