三島邦彦 11年11月20日放送
言葉のはじまり/ 大宅壮一
クチコミという言葉の生みの親は、
昭和を代表するジャーナリスト大宅壮一(おおやそういち)。
もともとは、ラジオとテレビをクチコミュニケーション、
略してクチコミといい、
新聞と雑誌を手コミュニケーション、
略して手コミといったのが始まりだった。
クチコミという言葉は人々の口を介して広まるうちにもとの意味を離れ、
大宅が意図していなかった意味が、まさにクチコミによって生まれた。
これは、その大宅が残した言葉。
最終のそしてもっとも有力な審判者は、目に見えない大衆だと信じている。
言葉のはじまり/ 福地源一郎
社会という言葉は
明治時代、society(ソサエティ)の翻訳として生まれた。
最初に使われたのは新聞記事。
書いたのは東京日日新聞の主筆、福地源一郎。
新聞記者の地位を劇的に高めた人物である。
これは福地が新聞社に入った時の決意の言葉。
新聞記者が戯作者なみというのなら、
私の手によってそこから引きあげてみようではないか。