2018 年 5 月 27 日 のアーカイブ

熊埜御堂由香 18年5月27日放送

180527-01

うたのはなし

いいうたって、なんだろう。

世界最古と言われる歌がある。
3400年前にシュメール人が
石版に刻んだ賛美歌のメロディだ。

ひとが一番最初に音を奏でた時、
ひとは祈りをその心に抱いていた。

いいうた、それは心に宿るうた。

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熊埜御堂由香 18年5月27日放送

180527-02
sa_ku_ra
うたのはなし 大阪うまいもんの歌

いいうたって、なんだろう。

関西人ならきっと誰もが知っている
「大阪うまいもんの歌」という手遊び歌がある。
保育園や幼稚園で子どもたちに歌い継がれてきた。

♪大阪にはうまいもんがいっぱいあるんやで〜
をはじまりに、たこ焼きや、もんじゃ焼き、かに道楽まで
紹介していく。

育ち盛りの子どもたちが思わず口ずさむ。
それは、大阪を代表する、花マルの「いいうた」だ。

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薄景子 18年5月27日放送

180527-03

うたのはなし What a Wonderful World

いいうたって、なんだろう。

世界中の人々を泣かせた名曲、

「What a Wonderful World」

そのタイトルを聴くだけで
ルイ・アームストロングの濁声がリフレインし、
偉大な愛に包まれるような気持ちになる。

作詞・作曲は音楽プロデューサーの
ボブ・シール。

ベトナム戦争を嘆き、
平和な世界を夢見て書かれたその歌詞は
戦争のことにはひとこともふれず、
ただただ美しい言葉で綴られている。

どんなにこの世が不条理でも
それでも、世界は素晴らしくなれる。
そう言い聞かせてくれるように。

いいうたには、希望がある。
その希望を忘れさせないために
うたは歌いつがれ、聴きつがれてゆく。

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茂木彩海 18年5月27日放送

180527-04
Christopher.Michel
うたのはなし くじらのうた

いいうたって、なんだろう。

ザトウクジラはラブソングを歌うことで知られているが、
決まった時期にみんなが口ずさむ流行のうたがあったり、
その曲にアレンジを加えてみたり、
歌い終わるのに1日かかるうたもあるのだという。

どんなラブソングも、自分らしく歌い上げること。
いいうたの極意を、くじらのうたから学んでみる。

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茂木彩海 18年5月27日放送

180527-05
しらたきあおい
うたのはなし 小沢健二のうた

いいうたって、なんだろう。

「渋谷系」の言葉に代表されるアーティスト、小沢健二。
1995年、人気絶頂の中リリースされたうた「さよならなんて云えないよ」。

タイトル通り、この曲には「さよなら」という言葉は一度も登場しない。

それでも、別れが近いことをお互いが感じ取っている
その切ない様子が、つとめて明るく描写される。

別れは美しくもある。
彼なりの美学が、このうたには込められている。

♪”オッケーよ”なんて強がりばかりをみんな言いながら
 本当は分かってる2度と戻らない美しい日にいると
 そして静かに心は離れてゆくと

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石橋涼子 18年5月27日放送

180527-06

うたのはなし ペギー葉山とドレミのうた

いいうたって、なんだろう。

小学校でも習う「ドレミの歌」は、
元はブロードウェイミュージカルの劇中歌だった。

ジャズシンガーでもあるペギー葉山が
アメリカの劇場で聴いて感動し、
帰りの飛行機で翻訳をしたという。

実は、オリジナルにはドーナツもレモンも出てこない。
ドーナツからはじまる歌詞に関して、彼女は
戦争中にいちばん食べたかったものが
ドーナツだったと新聞のインタビューで答えている。

日本中のこどもに愛されているうたには、
意外な想いがこめられていた。

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石橋涼子 18年5月27日放送

180527-07

うたのはなし 口ずさむうた

いいうたって、なんだろう。

歌詞もメロディもうろ覚えのうたは、
いいうただろうか。

ひとりで運転しているとき、
料理をつくっているとき、
誰かを待っているとき、
口ずさむ、うた。

うまくもない、正しくもない
けれど、100%自分のためのうた。

心理学者であり哲学者でもある
ウィリアム・ジェームズはこんな言葉を残した。

 人は幸せだから歌うのではない。
 歌うから幸せなのだ。

今日、あなたはどんなうたを口ずさみましたか。

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小野麻利江 18年5月27日放送

180527-08

うたのはなし 越路吹雪のうた

いいうたって、なんだろう。

圧倒的な表現力でシャンソンを歌い上げた、
歌手・越路吹雪。

しかし何千回も歌っている「愛の讃歌」ですら、
歌うたびに、1からつくりあげようとした。

「あなたの燃える手で」とは、どんな手?
むつかしい。どうやって歌おうか。
じっくり掘り起こし、
稽古が終わる頃には、クタクタになっていたという。

越路自身も晩年、
TV番組のインタビューの中で、こう語っている。

 歌になるまでには時間がかかります、消化するまで。

いいうたには、愚直なまでの情熱が宿っている。

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