2018 年 11 月 24 日 のアーカイブ

名雪祐平 18年11月24日放送

181124-01
Photo by Andrey Câmara on Unsplash
種の起源

バナナの遺伝子と、
ヒトの遺伝子。
その約60%は共通しているという。

全ての生物は、
一種、あるいはほんの数種の祖先から
進化したもの。

チャールズ・ダーウィンは
『種の起源』の中で、そう論じた。

運が良いのか、悪いのか。
わたしたちは
バナナにならず、ヒトになった。

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名雪祐平 18年11月24日放送

181124-02

種の起源

戦争でも、天変地異でもなく、
一冊の書物が、
世界をひっくり返すことがある。

159年前のきょう、11月24日。
チャールズ・ダーウィン
『種の起源』が出版された。

その直筆原稿が
ウェブサイト darwin-onlineで
公開されている。

一冊の革命を見よ。

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名雪祐平 18年11月24日放送

181124-03
©️ Linda Hall Library
種の起源

1831年、ダーウィンは
イギリス軍艦ビーグル号に乗った。
生物学史上、最も重要な航海となる。

絶海のガラパゴス諸島で、
フィンチという鳥を見て、
ダーウィンはショックを受ける。

くちばしの形状が、島ごとに異なっていたのだ。
島によって違う餌を捕まえやすいように。

これは神様が、最初から島ごとに創造した鳥なのか。
それより、島ごとに独自に進化した結果ではないか。

そんな疑問が、
進化論『種の起源』の着想につながった。

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名雪祐平 18年11月24日放送

181124-04

種の起源

われわれは、どこから来たのか。

この世の全ては、神様が創造したもの。
というキリスト教的な考えは、
根強く信じられていた。

この神の創造説を、
真っ向否定するダーウィンの進化論
『種の起源』は衝撃だった。

英国国教会は、激しく非難した。
サルの祖先と一緒にするな!

ダーウィンは皮肉った。
 
 この理論が受け入れられるのには、
 種の進化と同じだけの時間がかかりそうだ。

ようやく150年後、英国国教会は
これまでの誤りをダーウィンに謝罪した。

ダーウィンの予想よりは早かったが。

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名雪祐平 18年11月24日放送

181124-05
Photo by Franck V. on Unsplash
種の起源

人は神になろうとするのか。

人工知能や生命工学など、
テクノロジーの進化が止まらない。

膨大なビッグデータをさらに膨張させながら、
遺伝子を組み換え、臓器を再生し、
不老不死へ近づくのか。

ダーウィンが『種の起源』を
発表してから159年。

どこかで新しい種の起源が
もう始まっているのかもしれない。

わたしたちは、
ほんとうに進化しているのか。
それとも、退化し、滅びるのか。

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