2019 年 5 月 5 日 のアーカイブ

大友美有紀 19年5月5日放送


Hazel Terry
「レオ・レオニ」 あおくんときいろちゃん

5月5日は、こどもの日。
そして絵本作家、レオ・レオニの誕生日。

誰もが一度は読んだことのある
『あおくんときいろちゃん』の作者。
レオは、はじめて自分の本が発売される日、
開店と同時に本屋に入った。
そして若い母親が本を買ったのを見て、
その絵本の作者であることを告げ、
サインをさせて欲しいと申し出た。

こうして最初の「あおくんときいろちゃん」は
読者の手に渡り、いまでも私たちのもとに
届き続けている。

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大友美有紀 19年5月5日放送



「レオ・レオニ」 ほんとうの仕事

今日は、こどもの日。
そして、絵本作家レオ・レオニの誕生日。

こどものころは、両親の仕事の関係で、
ヨーロッパ、アメリカを転々とした。
アムステルダム、ブリュッセル、
フィラデルフィア、ジェノヴァ。
大学は、スイスのチューリッヒ大学。
卒業後は仕事も転々とした。
会計士の助手、文房具店のセールスマン、
建築雑誌の記事の執筆。
製菓会社の広報部でデザインを学び、
ようやく自分の「ほんとうの仕事」に出会うことができた。

レオの絵本には「自分」らしさを探すお話が多い。
それは「そういう わけ」なのかもしれない。

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大友美有紀 19年5月5日放送



「レオ・レオニ」 アートディレクター

今日は、こどもの日。
そして絵本作家、レオ・レオニの誕生日。

『あおくんときいろちゃん』で絵本作家になる前、
レオ・レオニは、ニューヨークでアートディレクターだった。
雑誌『フォーチューン』や『プリント』の
アートディレクションを手がけていた。
タイプライターで有名なオリヴェッティ社の
コーポレート・デザインも行なっていた。
オフィスはロックフェラーセンターの最上階。
ニューヨーク・デザイン界の成功者だった。

そこに23歳のエリック・カールが
ポートフォリオを携えて、面会にきた。
カールを気に入ったレオは、就職の世話をした。
レオは絵本作家になった後にも、
カールの作風が絵本向きだと自分の編集者に紹介した。
レオがいなかったら、カールの『はらぺこあおむし』も
生まれなかった。
世界中のこどもを代表して、
ニューヨークと二人の出会いにありがとうを言いたい。

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大友美有紀 19年5月5日放送



「レオ・レオニ」 黒いテーブル

今日は、絵本作家レオ・レオニの誕生日。

レオは、
幼い頃、建築家の叔父さんから
鉛筆画の描き方を教えてもらった。
叔父さんは、レオの9歳の誕生日に、
小さな黒いテーブルをプレゼントしてくれた。
黒の上だと、あらゆる色がよく映えるから、と。

レオのお話は色がキーになるものが多い。
「あおくんときいろちゃん」、
赤い魚の中の黒い魚「スイミー」、
じぶんの色を探すカメレオンのお話。

それは、叔父さんと黒いテーブルの
おかげかもしれない。

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大友美有紀 19年5月5日放送



「レオ・レオニ」 ねずみ

今日は、絵本作家レオ・レオニの誕生日。

あるときレオは、アトリエに向かう途中、
足元で固まっている、小さな地ねずみに気づく。
レオがねずみを見ると、ジャンプして、
どこかへ行ってしまった。
そのあと昼寝からさめると、
言葉があふれてきた。

そして描いたのが、
ねずみのお話『フレデリック』。
芸術家の社会的な役割が、
やわらかく語られている。

小さな「ねずみ」を通じて
小さな「ひと」に
大切なことを伝えている。

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大友美有紀 19年5月5日放送


Photo by David Clode on Unsplash
「レオ・レオニ」 スイミー

今日は、こどもの日。
そして、絵本作家レオ・レオニの誕生日。

小学校の教科書にも載っている「スイミー」の作者。
彼は、このお話の鍵は「自伝的」だという。
「スイミー」は黒い魚。赤い魚の中で、異分子だった。
レオ・レオニは、住む場所や仕事を転々とし、
ようやくニューヨークで、
絵本を描くという自分の道を見つけた。
黒い魚のスイミーは「ぼくが目になろう」と言う。
自分が赤い魚と違うことを認めて、
自分にしかできないことを担うという、
決意表明なのだという。
それは自分とは何者かを知ること。

そして、こどもたちも無意識のうちに
自分とは何者かを
強く知りたがっているのだという。

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大友美有紀 19年5月5日放送



「レオ・レオニ」 こどもとのワークショップ

今日は、こどもの日。
そして、絵本作家レオ・レオニの誕生日。

レオはこどもたちと
絵本づくりのワークショップも行なっていた。
こどもたちに次々と質問する。
主人公は?
どんな性格?
他と違う?同じ?
妥協することなく、
全力で、こどもたちと向き合った。

レオはこどもがうらやましいという。
いいものができたときに、
お母さんに駆け寄っていって、
自慢できるからと。
自分もこどものように
自慢したいのだという。
こどものような人だったのだ。

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大友美有紀 19年5月5日放送



「レオ・レオニ」 平行植物

今日は、こどもの日。
そして、絵本作家レオ・レオニの誕生日。

『スイミー』の作者、レオ・レオニには、
あまり知られていない作品がある。
『平行植物』。
レオが生み出した、架空の植物。
そのスケッチと特徴を書き記した博物誌。
夢見の杖、カラツボ、ツキノヒカリバナ。
レオのアトリエには平行植物のブロンズ像が並べられた
「幻想の庭」もあった。
レオ・レオニ。
こどもたちに、こどもだった大人たちに、
いくつもの、自分を信じるお話を届けてくれた。

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